僕が僕であるために
あの日からもう15年以上の月日が流れました。
当時大学生だった僕も、今や当然のごとくアラフォーの仲間入りを果たしています。
シリアスな話をすれば、当然というのはやや語弊があるかもしれません。
あの日彼は、26歳という若さでこの世を去ってしまったのだから。
いつも編集部に来てくれる事務所の方のお誘いもあり、「ミッシングボーイズ〜僕が僕であるために」という舞台を見てきました。
誘っていただけたのは、その舞台のテーマでもある“彼”を好きだった、と僕がふと話したからでした。
彼のことを描く作品、または彼に関するイベントというのは、この15年以上の月日の中、数多く催されてきたと思います。
でも僕は、そういう場所に足を運ぼうとしたことは一度もありませんでした。
彼に関するイベントに行ったところで、僕が過去の思い出にすがる以上のものが得られるとは思えなかったからです。
徹夜明けのこの日、午前中に予定していた取材を済ませた僕は、眠すぎる体に1杯のホットコーヒーを流し込み、カップルやファミリーで賑わう赤坂の街に足を踏み入れました。
彼の舞台だから、という思いは全くありませんでした。
ご招待してもらったのでせっかくだから、という思いのほうが強かったのが正直な気持ちでした。
ゴールデンウイーク中の客席は、満席だったように思います。
ロックやヒップホップ的な演出がほとんどだというのに、主要キャストに早乙女太一君が出ていることもあって、おばさま方の姿も数多く目に付きました。
そして…。
![]()
舞台終了後、ヒロイン役で出演していた松本まりかさんにあいさつさせていただきました。
松本さんが、この日お誘いを受けた事務所のタレントさんだったからです。
小さな体をいっぱいにして熱演した彼女に、僕は“感謝”の思いを伝えました。
彼女の熱演が、彼の楽曲の“OH MY LITTLE GIRL”を思い返させてくれたからです。
また、この舞台では、彼の歌を中村あゆみさんが熱唱するシーンが何度もありました。
もちろん彼女なりのアレンジはあるのでしょうが、中村さんはブレスの位置、歌の強弱の付け方など、さまざまなところで彼が歌ったときと同じように歌い上げていました。
声さえ違えど、それは彼そのものの熱唱にも聞こえました。
舞台が始まって10分。
僕はこぼれ落ちる涙を止めることはできませんでした。
観客の多くが、ただ、中村さんのその熱唱を聞き入るだけのシーンであるというのに。
僕はCDプレーヤーを持っていません。
彼が亡くなってからの約ひと月の間に、彼の曲をCDがすりきれるほど聴き、体にたたき込んだ僕は、あらためて彼の曲を聞く必要のないぐらいになっていました。
あれから15年以上。
僕は、今回の舞台で彼の曲を15年以上ぶりに“生”で聞くことができました。
歌っていたのは中村あゆみさんや、早乙女太一君や松本まりかさんら主要キャストの皆さん。もちろん彼本人ではありません。
でも僕は、“彼”が歌っていたときの姿を思い出すことができました。
自分の中で封印していたいろんな思いをよみがえらせてくれました。
舞台は、東京・赤坂ACTシアター(http://www.tbs.co.jp/act/event/missingboys/)で5月5日まで続くようです。
皆、彼が乗り移ったようなシャウトな熱唱をするため、キャストの皆さんののどがつぶれてしまわないか、心配になります。
僕はとめどもなく涙をこぼしてしまいましたが、実際はもっと前向きに生きる楽しさを感じさせてくれる舞台です。
もし、興味のある方がいらっしゃったら、ぜひ見にいってもらえたらと思います。
(編集長)
舞台裏で松本まりかさんを撮影
![]()
リトルガールです。彼女のブログ(http://ameblo.jp/matsumoto-marika/)もチェック!



