女優の福永マリカが、ドラマ『東京少女』の脚本で史上最年少・16歳で脚本家デビューする。
実は彼女には昨年『恋する日曜日 15才』という作品に主演してもらったが、その時のメイキングのインタビューで語彙の多さに15歳とは思えないような印象を持った。その後、『先生道』や映画「東京少女」などにも出演してもらったが、現場での彼女の発言やメイキングでのインタビューで大人の僕が「はっ!」とするような視点や考えを持っていると感じた。マリカのブログを読んでも、人を楽しませることを知っている子だと思った。
「この子は書く力も持っている」
マリカは本を書く才能があると確信した僕は、駄目もとでマネージャーさんに頼んで今回の脚本をマリカに依頼した。彼女は、はじめはやはり無理だと思ったそうだ。しかし、最初の打合せで方向性を僕が決めてあげ、恋愛物を書いてもらった。
しかし、この方向性を業界の先輩である僕が指示したのが失敗だったと後で分かる。
最初に書いてくれた作品は、初めて書いたとは思えないくらいレベルが高かったが、そこそこのプロの書いた程度の脚本だった。それは僕が道筋を立ててしまったからだった。
彼女が自由に書いていない。
僕はこの企画を実現させるために彼女のデビュー作を小さく丸めてしまおうとしたのだった。
それに気づかせてくれたのは、今回の監督をお願いした、若松孝二さんだった。
若松監督は最近では「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」で賞を取っている72歳の大巨匠だ。
「丹羽さん、あんたこの子の才能つぶす気か」と若松さんに叱られた。
僕は「テレビは冒険だ」といつも言っていながら彼女のデビュー作を無難な方向性に導いていたのだった。
自分自身を恥じた。
そうだ。16歳の彼女にしか書けない物を書いてもらわねば。
若松監督に叱られ目から鱗が落ちた気がした。
福永マリカにとっては何が一番書きたいか。何を書くべきなのか。好きに書いて良いと言われたマリカは少し戸惑ったようにも見えたが、改めて書いてもらったのが、この「家出のススメ。」だ。
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↑『東京少女岡本杏理』 「家出のススメ。」
詩人の故・寺山修司の名著のタイトル「家出のススメ」に「。」を付けるという彼女のアイディアも面白い。
この作品は、家出した少女(岡本杏理)が田舎の無人駅から乗り込んだバスの車内で出会う人々との物語だ。
「子供の目線で世の中をどう思っているかを伝えたい」、「気持ちを素直に伝えたら楽しくなるのに」というマリカのメッセージを込めたドラマだ。
デビュー作はその人の全てが詰まっていなくてはいけない。
だからこそ自由にやりたい事を書けるデビューをした人は息の長い作り手になれる。若松監督もデビュー作が好きに出来たから強くなれたと言っていた。
実はこの脚本、ほとんど直していない。大人の佐野史郎さんのセリフを少し変えてもらったくらいだが、ほんの1行程度。
彼女の原型そのままである。
彼女の書きたい事を実現した作品だ。
「才能は見いだされる」ものである。
福永マリカという天才は見いだされたのだ。
この作品は8月9日に放送される。必見である。しかも、16歳の脚本家と72歳の監督という異例の“56歳差コンビ”。若松監督には「孫と仕事させる気か」と笑われたが、今回若松監督にお願いして本当に良かったと思う。
また改めて「テレビは冒険だ」という言葉を自戒していかねばなるまい。
若松監督は今度は彼女の脚本主演で撮りたいと言っている。
そう、テレビは冒険だ!!
◆福永 マリカ(ふくなが・まりか) 1992年1月4日、神奈川県生まれ。16歳。BS―i『恋する日曜日 15才』で初主演。07年には「ベジフルビューティーセルフアドバイザー」の資格を最年少で取得。




映画の公開が楽しみですね。
コメント by 蜩 — 2008/7/30 水曜日 @ 21:39:39
びっくり!福永マリカちゃん脚本家デビューですか。
しかも若松監督って…すごいですねぇ。
あいかわらず丹羽さんは視聴者を飽きさせませんね。
岡本杏理ちゃんの東京少女楽しみです。
コメント by 局長の犬 — 2008/7/31 木曜日 @ 0:58:54