斉藤工、映画公開決定までの2年間を回顧「とてもドラマティックな2年に寄り添っていたことが、今となっては幸せ」

映画
2017年03月17日

107775_01_R ブルーハーツの名曲にのせた6本の作品を一挙に見られる贅沢な映画「ブルーハーツが聴こえる」が4月8日(土)公開。これに先駆け、公開直前プレミア上映会が都内で行われ、出演者の尾野真千子、市原隼人、斎藤工、豊川悦司と飯塚健監督、井口昇監督、清水崇監督、工藤伸一監督、李相日監督が登壇した。

 冒頭のあいさつでは、クラウドファンディングで劇場公開が実現したことについて、協力してくださった方への感謝を述べる一同。斉藤は「とてもドラマティックな2年に寄り添っていたことが今となっては幸せだと思う」と公開が未定となっていた2年間を振り返り、李監督も「撮影から今日まで3年ぐらい経っていて、諦めかけた時もありましたが、ブルーハーツというバンドは30年間以上僕らにあきらめるなと言うことを伝え続けているバンドだと思います。そんな力を借りての公開だと思います」と感慨深めにコメント。

ブルーハーツの名曲6曲をもとにそれぞれ異なる監督、キャストにより出来上がった珠玉の6作品からなる本作。テンポの良いせりふのかけあいが見どころとなっている「ハンマー(48億のブルース)」の主演を務めた尾野は、キャスト陣と監督の仲の良さをアピールしつつ「アラサー女子に共感できるストーリー」と。激しいアクションのため、トレーニングをして撮影に臨んだという「人にやさしく」主演の市原は「本作は近未来を描いた物語なので、現代とは違う味を楽しんでほしい。そしてCGを使わず、昔ながらの特撮にこだわっているのもこの作品の見どころの1つ」と話し、「何かに向かって立ち上がろうとする人に贈る作品」と熱い思いを吐露する。

また、タイムスリップ×初恋をモチーフとした、ファンタジー作品「ラブレター」より、井口監督が「斉藤演じる主人公が少年時代は太っていたという設定。そのため斎藤の少年時代を演じた男子と一緒に斎藤にデブレクチャーをした」というエピソードを披露すると、息遣いや走り方まで、太っている人の様子を研究したという斎藤からは「人体のメカニズムを研究できた。いつでも太る準備はできています!」とまさかのデブ宣言(!?)が飛び出し、会場が笑いに包まれるひと幕も。さらに本作に登場する初恋の相手をビデオカメラに収めた映像は、現場で斎藤が実際に撮影した映像だという新事実も明かされ、会場の観客、登壇者たちを驚かせていた。

優香が出演する「少年の詩」を製作した清水監督は、同作が監督自らの少年時代を投影した作品ということで「1987年という舞台背景は、自分の母校の小学校を使用しているなど細かいところで時代を再現した」と語り、主演の永瀬正敏が共同脚本を務めている「ジョウネツノバラ」については、工藤監督が「最初永瀬さんから送られてきた脚本は、2時間もの長いもので、物凄い熱量でした。それを極限まで無駄を省略して出来上がったのが今回の作品です」と熱い思いを明かす。

続いて3・11の東日本大震災をテーマに描いた「1001のバイオリン」で原発の職員・達也を演じた豊川は「李監督だからご一緒しようと思いました。脚本を読んでこれは映画でなければ描けない作品だと思いました。福島にも行きましたが、現地は自分の想像をはるかに超えた場所で、実在の人物を演じるわけですから、緊張しましたが、役に寄り添うような気持ちで演じました」と、それぞれのエピソードに自信をのぞかせ、1つの傑作が出来上がったことに喜びもひとしおという出演者、監督、そして観客のあたたかい思いが溢れるイベントとなった。

「ブルーハーツが聴こえる」
4月8日(土)より新宿バルト9 ほか全国ロードショー
公式HP:http://tbh-movie.com

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