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【ちょっと詳しい】星野源「いのちの車窓から」発売記念イベントレポート!

111586_01_R 星野源が雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載中のエッセーをまとめた「いのちの車窓から」。エッセーとしては異例の初版12万部スタートで、発売前に6万部の重版も決定。西武池袋三省堂書店池袋本店では、村上春樹の新作「騎士団長殺し」を超える勢いを見せているという本作の、発売記念トークイベントが先日行われました。TV LIFE WEBではちょっと詳しく、トークイベントの模様をレポートします!

MC:初の書籍トークイベント。倍率44倍の中から選ばれた150人がいらしています。

星野源(以下、星野):ありがとうございます。今日は短い時間ですが、途中で僕の友達も出てきますので、なるべくいろんなお話をできたらいいなと思います。

MC:今作の台湾版の出版も決定しました。連載中からアジア各国からの引き合いがあったと言います。

星野:何ですって?そうなんですか?前に一度ライブをしに行ったことがあって。素敵な場所でした。食べ物のおいしい。何で僕はそこにプロモーションに行けないのか意味がわからない(笑)。食べ物が食べたいですね。

MC:エッセーの始まりを教えていただきたいのですが、連載はどういうきっかけで始まったんでしょうか。

星野:最初は相談連載で。読者の方が送ってくれる相談に僕が答える連載だったんですが、僕が病気になってしまって休載して。それで復帰した後に何かまたやりませんかとお話をいただき、今度はエッセーをやりたいですというお話をして始まりました。
最初のエッセー「そして生活はつづく」は初めからコンセプトをしっかり決めていて。僕“生活欲”がなくて生活が苦手なので、なんかなるべく苦手なものを面白がるっていう。仕事のことは書かないって決めて、ほぼ生活のことだけを書くっていう風にしていたんです。
二つ目の「蘇る変態」は、どちらかというと仕事のことも書いて、あとは病気療養のときのことを書くという。そして今回のはですね、自分の思いとか伝えたいこととか「自分こういう考えです」みたいなことを書くことがもう疲れてしまって。なるべく目の前の人とか、起こったこととか、それによって自分がどういう風な気持ちになったかっていうこと、自分が見たもの、景色、状況を書くようにしたいなと。それで「見る」っていうようなコンセプトといいますか。だからタイトルが「いのちの車窓から」になりました。

MC:テーマは毎回どのように決めているんですか?

星野:連載の第一回を書く前にこのタイトルを思いついて、それはもう本当にその時の気分だったと思うんですけど。自分のことはいいやっていうか、自分と向かい合うのとか、自分のことをアピールするのはもう十分したし、もういいやっていう気持ちだったので、その場のことを書きたいなっていうことと。あとは僕の曲で、「ある車掌」って曲があるんですけど、その中で“人のかたち 遺伝子の乗り物です”という歌詞があるんですが、何となく今生きてる自分の体って“乗り物”“遺伝子の乗り物”ってイメージがあって。それを元に、ちょっと景色を見てみたいだとか、そういう気持ちも含めてそういうタイトルが先に思いついて。いいタイトルだなと。その中で一回目が書けて、じゃあこの感じで行こう、という風になりました。

MC:本作にはいろんな登場人物が登場しますが、印象に残っている人は?

星野:タクシーの運転手さんが2回ぐらい出てくるんですけど、どっちも思い出深いです。たまたまタクシーに乗ったら、映画の「タクシードライバー」のポスターが貼ってあって、“一期一会”ってでっかく書いてあったっていう話で。タクシーに乗ってタクシードライバーのポスター貼ってあるって、その時点でもう最高じゃないですか。そんなことする?みたいな。運転手さんの自己主張をすごく感じたんですよ。運転席の後ろのシートに自分の経歴、プロフィールもばーって書いてあって、車内はすごい自己主張が激しい。でも運転手さんは話してみるとすごく普通で、丁寧な人で、それがすごく面白くて。またあのタクシーにたまたま乗ってみたいですね。

◆ここで星野の友人、放送作家の寺坂直毅が登場。星野がパーソナリティーを務めていたJ-WAVE「RADIPEDIA」の作家で、現在も「オールナイトニッポン」でタッグを組み、星野のライブの口上なども務める、ファンにはおなじみの人物。

寺坂:おめでとうございます。

星野:何がですか?

寺坂:出版、おめでとうございます。

星野:ありがとうございます。

寺坂:では、ここからは、(口上風に)

星野:普通でいいよ!なんか気合い入れなくて大丈夫だよ(笑)。

寺坂:では、ここからは(まだ口上風)

星野:はははは。俺が変なこと言ったから、思う通りにやって大丈夫です(笑)。

寺坂:(やはりちょっと口上風)ではここからはですね、私が文筆家、星野源さんをどんどん掘り下げたいと思います。まずは執筆の現場裏話をということで、文筆家としての星野さんにどんどん迫っていきます。星野さんはどういう環境、現場で書かれてるんですか…(と話しているうちにスライドが出てしまう。温かな照明の下、PCの画面とその横にコーヒーの入ったタンブラーが置かれている)

星野:質問してくれてるのに、「こういう環境です」ってスライド出ちゃってるけど(笑)。

寺坂:(構わず)どういう環境で原稿を書いていらっしゃる…?

星野:はははは。俺の言うことには答えてくれないのね?

寺坂:ちょっと台本があるので。

星野:そうなのね、台本をしっかり進めたいタイプね、寺ちゃん真面目だから。

寺坂:真面目なんですよ、つまんない男。

星野:大丈夫つまんなくはない。

寺坂:どんな環境で原稿を書いてらっしゃるか、写真を星野さんご自身が。

星野:撮りました。これ家です。家で、パソコンで。大体家か喫茶店で書きます。これは家でコーヒー飲みながら書いてるさまですね。

寺坂:必ずコーヒーが横に置いてあるんですか?

星野:そうそう。これは撮ってって言われたんで、なんかレイアウトしないとと思って。なるべくおしゃれに見えるように頑張りました(笑)。

◆その後、話題は「いのちの車窓から」の執筆時の話に。

寺坂:担当の編集の方からすると、連載時から星野さんは原稿はほとんど修正したことがないぐらいだと。

星野:あんまりなかったですね。語尾とか、言葉の統一とかぐらいで。

寺坂:昔から文章はお得意だったんですか?

星野:いや、むちゃくちゃ下手で。文章が下手だった話もこの本に入ってます。メールがとにかく下手で。人に文章でものを伝えることがすごく下手で、うまくなりたいなと思って、うまくなるには仕事にした方が早いだろうと。自分で書かせてくださいっていろんな人にお願いしに行って、200字とかそういうすっごい短い欄外コラムぐらいのものから始めて、800字、2000字、と増えていって。で、本出そうっていう風になって、みたいな感じでした。

寺坂:大体時間帯は何時ぐらいに?寝てらっしゃらないんじゃないかと。

星野:夜中にやることもすごく多くて、夜がすごく好きなので。あとは電車で、新幹線とかで移動があるときとかは新幹線の中とかでもわりとすぐ書けたりとか。今回のエッセーは、あんまりお仕事で書かなきゃ、みたいな気持ちで書いてなくて、ネタ探しも全然してない。パソコンの前で何書こうかなって思って、浮かんでないけど書き始めてみて、そうすると意外と最後まで行っちゃったり。
「蘇る変態」の頃とかはもうめちゃくちゃ忙しかったので、例えば朝映画の撮影があって、昼過ぎに終わって、そこからレコーディングして夜12時に終わって、そこから24時間のレストランに入ってパソコンで5時間ぐらい書いて、そのまま朝6時に映画の現場に行くみたいな。寝てないような状況だったんですけど、今回は仕事もセーブしてもらってるので、仕事の前とか寝る前とかにちょっと書いてって感じです。

◆4月6日(木)に発売の「ダ・ヴィンチ」では、星野源を総力特集。中でも文筆家・星野の仕事風景を描いた漫画「カンヅメの夜」では、ゲラを確認し、赤ペンで修正する作業風景の星野の姿が描かれている。出版社の会議室で作業をするうち眠ってしまったエピソードなどが明かされると、「前までは、眠くなってもコーヒーとかエナジードリンクとか飲んで頑張る!みたいな感じだったんですけど、眠くなったら寝たいじゃないですか(笑)。だからもう寝る。無理しない。別にもう締め切りは過ぎてもいいやって(笑)」と、病気療養を経た星野さんの変化も語られた。
その後、今作の中で登場回数第一位のワードが「夜」ということが発表。

寺坂:「夜」っていうのはご自身でも想像できましたか?

星野:そうですね、夜に書いてるからっていうのもあるんでしょうけど、多分そういう話が多かったんでしょうね。

寺坂:星野さん、行動は夜が多いですかね

星野:昼は仕事してるのもあって、自分の好きにできる時間は大体夜が多いので。ゲームしたりとか。夜型ですね。昔から、ちっちゃい頃から夜遅くまで起きてたんで。

寺坂:ということでこのあと星野さん、(台本に目を落とし)夜の池袋に消えるんですか?

星野:ははははは。誰だよこれ(台本)書いたの!仕事ですよ!このあとめちゃくちゃ取材入ってますから消えれないんですよ、消えたい消えたい。夜の池袋に消えたいですよ。

寺坂:ねー池袋ね、デパートもいっぱいあります。

星野:はははは。ここ(会場は池袋西武本店)デパートだよね。ちなみにここ、あれですよ、俺中高と飯能だったんで、学校が。

寺坂:西武線ね。

星野:ちょうど京浜東北線と埼京線に乗って池袋を経由して西武池袋線に乗って。この付近はよく通って、それこそこことかずっと来てましたよ。

寺坂:思い出の地での今日のトークショーということで。

星野:うん。

寺坂:より一層感慨深いものがあるんじゃないでしょうか。

星野:(笑)なんなんですかこれね。

◆ここで寺坂が降壇。倍率44倍を乗り越えて選ばれたお客さんの質問を受けることに。

質問1:エッセーにも登場しますが、“最近一人で泣いたこと”はありますか?

星野:そんなにないですけど、泣くときは大体一人。みんなの前で泣くことはないですよね。昔から何度も伊丹(十三)さんの映画を見てましたけど、伊丹十三賞を頂いてもう一回見直そうと思って、映画「たんぽぽ」を見たんですが、何度見てもやっぱり面白いなって。感動するような話ではない部分、普通にうまそうに飯食ってるだけのところでちょっと泣きそうになる瞬間があったりとか。ラストシーンで山﨑努さんがラーメン屋を出て行くシーンがあって、その出て行くところのクラシックの盛り上がりと画の一致具合がホントにかっこよくて。感動するような話とか、悲しい話で「うっ」てなるときもありますけど、ものを作ってる人の「これだ」みたいな瞬間が画面の中に現れてるのを見たりすると、つい涙が出てしまう。「面白い!」って思った瞬間に胸が熱くなってしまうときがありましたね。
あとは、ちょうど昨日『けものフレンズ』っていうアニメの最終回を録画しててやっと見れたんですけど、最終回のタイトルが出る瞬間があまりにかっこよくて。そのときもちょっと「うっ」てなりました。少人数で作ってるアニメらしいんですけど、その方々の「こういうことがやりたいんだ!」っていう情熱が迫ってくる感じがしてグッと来ましたね。

質問2:(エッセーの)大泉洋さんのエピソードに大爆笑しました。大泉さんとはお芝居などの真面目な話をすることはありますか?

星野:ありますよ。大泉さん真面目な人ですから、真剣なお芝居の話もしますけど。真面目って言うと営業妨害になっちゃうのか。(声を張って)すっごい真面目ですあの人!ホントに(笑)。『真田丸』が始まる少し前にお食事に行って、兄さんはもう現場に入ってて、僕がまだ入ってない時期だったんですけど、現場の話とかを結構詳しく説明してくれて。
最近ではこの本を持って、ものすごく苦い顔をしてる写真が送られてきました(笑)。その苦~い顔が妖怪みたいで、すごい気持ち悪かったんですよ(笑)。それが面白かったですね。
あとは大泉さんが、ものすっごい『逃げ恥』が大好きみたいで、お食事に呼んでくれて、席に着いた瞬間に兄さんが緊張してて(笑)。「ひ…平匡さんだ…」って。「うわ~」っていいながら照れてて、何だこの兄さんはって、それはかわいかったです(笑)。

MC:では最後に星野さんからごあいさつを。

星野:僕は昔すごく本を読むのが苦手で、読んでても違うこと考えちゃって、何ページか全く無意識で飛ばしてめくってて、また戻ってっていう。それですごい時間がかかって、“もう読書苦手”ぐらいの気持ちだったんです。でも自分で書いて仕事にしてっていうのを繰り返すうちに、だんだん活字を読むのが楽しくなって、今すごく本を読むのが好きになった。本が苦手な人の気持ちがすごく分かるので、そういう人にもするっと読んでもらえるような文章を書きたいなといつも思っていて。本のすごいところは、紙と文字だけで、例えばその人になったような気持ちになれたり、その人のそばにいるような気持ち、その場所に行ったような気持ちになれるところ。すごく面白いメディアだと思うので是非これを機に読んでみてください。

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