瀧内公美「実家に帰ろうかなと考えていた」『彼女の人生は間違いじゃない』完成披露

映画
2017年06月14日

124087_01_R 7月15日(土)公開の映画『彼女の人生は間違いじゃない』の完成披露試写会舞台あいさつが行われ、瀧内公美、光石研、高良健吾、柄本時生、廣木隆一監督が登壇した。

 本作は、『さよなら歌舞伎町』『ヴァイブレータ』などで自分の居場所を探し求める人々の姿を映し出してきた廣木監督の最新作。週末になると、福島県の仮設住宅から東京の渋谷まで高速バスで向かい、デリヘルのアルバイトをする女性の複雑な心境を描いた、監督自身の処女小説を映画化。

 オーディションでヒロイン・みゆき役を勝ち取った瀧内は「難しい作品に挑むことになったなと思いました。オーディションを受けた当時は、自分のことを信じられなくてもうダメだと思っていた時で、実家に帰ろうかなとも考えていた。そんな時に(廣木監督に)出会えてよかったです」と当時の心境を告白。「廣木監督の現場は大変厳しいと聞いていたけれど、すごく優しくて、本当に優しくって(笑)“ありのままでいい、その場にいればいい”ということを言葉でいろいろと説明はしないけど、教えてくれました。(本作の撮影を通して)力まず、自然にいれられるようになったと思います」と、廣木監督への感謝を語った。

 みゆきの父親役を演じた光石は「(瀧内さんは)本当に頑張っていました!」と、まるで本当の娘かのように温かいまなざしで瀧内を見つめながら語った。光石と廣木監督は本作が3度目のタッグ。役作りに対して光石が「東京での垢を落として挑まないといけないと思った。いわきの土とか空気、廣木監督やスタッフ、現地の方々に助けられた」と語ると、廣木監督は「信頼感バッチリでした!(瀧内さんを)よく見守っていてくれました」と互いに感謝を伝えた。

 デリヘルのドライバー役を演じた高良は「廣木組にはデリヘルに詳しい人が多いので、いろいろ教えてもらいました。みんなでも行きましたよね」と会場をどよめかせ、焦る廣木監督を横目に「うそですよ」と笑いに変えた。また、高良が10代の頃からタッグを組んできた廣木監督は、高良について「健吾はめっちゃうまくなった!!(本作でも)存在感がある。瀧内のダメなところを健吾が救ってくれたと思う」と絶賛。

 柄本もまた、廣木監督との関係は長い。本作を通じてあらためて廣木監督の現場に感じたことがあると言う。「何をやってもいいから、とても緊張感があるけれど、映画の現場にいるなぁということを感じられます。(廣木監督は)思いついた時に急に“時生、何もしなくていいよ”と言ってくれて、的確なアドバイスをしてくれる。中学生の頃から知っているけど、廣木監督の現場に入るといつも緊張する。すごさを感じている」とコメントした。

 週末になると東京に来てデリヘルのアルバイトをしているという秘密を抱えた主人公にちなみ、登壇者の知られざる一面を披露することに。瀧内は「マネージャーさんにもいろいろと聞いてみたのですが、写真だけ見ると怖い、無口そうな印象があるみたいです。実際に会うと、明るい、おしゃべりですねと言われます」と、自身のギャップを告白。高良も「撮影の時は、ちびまる子ちゃんの野口さんみたいな影のある人だったけど、試写会が終わった後に会ったら元気そうでホッとしました。闇の深い人なんだと思っていました」と語り、会場を沸かせた。

 高良と柄本は「実はお酒が飲めない」と回答。九州出身の高良は「すごい酒豪だと思われているけど、下戸です。飲むと思われているので、いろいろな種類のお酒をもらうけど、飲めないんです。すぐ顔が真っ赤になってしまう」とかわいらしい一面を披露した。

 最後に廣木監督が「一般の方には初めて観ていただくので、どのように受け取られるのか心配ですが、いっぱいメッセージを詰め込んだので、ぜひとも映画の中から感じ取ってもらえたらうれしいです!」と観客に呼びかけ、イベントは終了した。

『彼女の人生は間違いじゃない』
7月15日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

監督:廣木隆一『さよなら歌舞伎町』『ヴァイブレータ』
原作:廣木隆一「彼女の人生は間違いじゃない」(河出書房新社)
出演:瀧内公美、光石研、高良健吾、柄本時生、篠原篤、蓮佛美沙子 他
主題歌:meg「時の雨」(Gambit Records)
提供:ギャンビット、ギャガ
配給:ギャガ
R-15

<ストーリー>
週末になると高速バスで、福島から東京へと向かう。円山町のアルバイト先のデリヘルに向かうために。
人は与えられた運命から逃げ出したくなることがある。そんな時みゆきは、仮設住宅で父と二人で暮らす福島から高速バスに乗り、渋谷へ向かう。円山町のアルバイト先のデリヘルに向かうために。
2つの都市を行き来する日々に、みゆきが見たものとは? 戻る場所もなく進む未来も見えない者たちは、もがきぶつかり合いながらも光を探し求める――。

©2017『彼女の人生は間違いじゃない』製作委員会