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映画「散歩する侵略者」監督・黒沢清×音楽・林祐介がトークショー開催

映画「散歩する侵略者」 9月9日(土)公開の映画「散歩する侵略者」の黒沢清監督と音楽を手掛けた林祐介がトークショーを開催した。

 イベントが始まると、黒沢監督は「音楽についてお話しするイベントはあまりないので、どんな話が出るのか楽しみです。スリリングな時間になるのではないかと思います」、林は「今日は黒沢監督と対談させていただけるということで、とても楽しみにしていました。短い時間ですがよろしくお願いします」とあいさつ。

 約10年前に原作と出会ったことをきっかけに、侵略SFを日本で映画化したいと決意したという黒沢監督。そんな黒沢監督と林は、2003年の「ドッペルゲンガー」以降、本作を入れて4作目のタッグとなる。旧知の仲の2人だが、初めて仕事を依頼された時の感想について、林は「初めて取り組んだ映画音楽が黒沢監督の作品で、とても緊張しましたが、やりがいを感じましたね。頑張るしかなかったです」と本音を明かした。

 本作を監督する上で、新たにチャレンジしたことについて聞かれた黒沢監督は「物語の軸でもある鳴海(長澤まさみ)と真治(松田龍平)の夫婦の関係がどのように変化していくのか、というありふれた日常と、いったい世界がどうなってしまうのか、ということを同時に描くことがチャレンジでした」と語った。

 映画音楽とは物語の最後に解釈するもの、と断言する黒沢監督。音楽を依頼する時は、キャラクターの感情に添うものではなく、物語に添った音楽をオーダーするそう。今回はクラシカルな中にもSFらしさがある音楽を、と林に依頼。林はこの要望に応えるべく、普段の楽曲制作ではあまり使うことのない珍しい楽器を採用したという。“オンド・マルトノ”と呼ばれる繊細な音階のコントロールができる電子楽器や、ホラー映画らしい音色が出る“ウォーターフォン”、黒沢監督作品では欠かせない、低音が特徴的な民族楽器など、見たことのない楽器の数々に黒沢監督も「初めて知りました。びっくりです」と興味津々。

 また、実際の劇伴を聴きながら、そのシーンの狙いや作曲面で苦労したエピソードも披露。真治が散歩するシーンに何度も使用されている、一度聴いたら耳から離れないコミカルなテンポな「散歩する侵略者」という楽曲に関して、黒沢監督は「耳に残るようなフレーズの曲を何曲か入れてほしいと林さんにお願いしました。この曲はその一曲で、このシーンは怖くないんです、おかしいんです!とはっきり分かる曲ですよね」と解説。

 林は「宇宙人が散歩するというブラックユーモアを、オーボエやミュートしたトランペットで表現しました。実は、劇中で真治が散歩するシーンの真治の歩調に合わせて曲調を考えたんです」と意外なエピソードを明かした。

 本作のメインテーマ曲でもある「愛のテーマ」について、黒沢監督は「僕としては珍しく、分かりやすくて観た後に心に残るようなメロディの曲を作ってほしいとお願いしました。『シザーハンズ』や『夕陽のギャングたち』などのサントラや、エンニオ・モリコーネの曲をイメージで聴いてもらったり、女性のスキャットを入れてほしいなど、いろいろと難しい注文をしました。でも、林さんから出来上がった曲を聴かせていただいた時に、これだ!と思いました」と語った。

 林のキーボード演奏を交えながら楽曲に彩られた印象的なシーンの数々を振り返る中、林が本作の楽曲を特別にメドレー形式で演奏。会場の観客は、ここでしか聞けない貴重な演奏に聞き入った。演奏後は拍手が沸き起こり、黒沢監督は「林さんってピアノがうまいんですね(笑)」と笑わせつつ、貴重な生演奏に大感激の様子を見せた。

 最後に、林は「ぜひ『散歩する侵略者』をご鑑賞いただき、サントラで余韻に浸っていただければと思います。そして何かを感じ取っていただければうれしいです」と。黒沢監督は「この映画は今日聴いた音楽のように、あらゆる要素が詰まっています。観ていて戸惑うこともあるかもしれませんが、最後には非常に分かりやすいメッセージが込められているはずです。それが何なのか、ぜひ劇場で確かめてください」と呼びかけた。

映画『散歩する侵略者』
9月9日(土)全国ロードショー

<ストーリー>
世界は終わるのかもしれない。それでも、一緒に生きたい。
数日間の行方不明の後、不仲だった夫がまるで別人のようになって帰ってきた。急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う加瀬鳴海。夫・真治は会社を辞め、毎日散歩に出かけていく。一体何をしているのか…?その頃、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発する。ジャーナリストの桜井は取材中、天野という謎の若者に出会い、二人は事件の鍵を握る女子高校生・立花あきらの行方を探し始める。やがて町は静かに不穏な世界へと姿を変え、事態は思わぬ 方向へと動く。「地球を侵略しに来た」真治から衝撃の告白を受ける鳴海。当たり前の日常は、ある日突然終わりを告げる。

監督:黒沢清
原作:前川知大「散歩する侵略者」
脚本:田中幸子 黒沢清
音楽:林祐介
出演:長澤まさみ 松田龍平 高杉真宙 恒松祐里 長谷川博己ほか

製作:『散歩する侵略者』製作委員会
配給:松竹/日活

公式HP:sanpo-movie.jp
公式Twitter:@sanpo_movie
公式FB:@sanpomovie

©2017『散歩する侵略者』製作委員会

映画『散歩する侵略者』オリジナル・サウンドトラック
音楽:林祐介
好評発売中

¥2,500+税

発売元・販売元:ポニーキャニオン

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