• Twitterでツイートする
  • Facebookでシェアする
  • LINEで友達に教える

坂本龍一が映画音楽を熱く語る!『戦メリ』秘話も

坂本龍一 世界的音楽家・坂本龍一を追った11月4日(土)公開のドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』が、第30回東京国際映画祭で特別招待作品として上映された。

 坂本本人が「全てをさらけ出した」という本作は、2012年から5年間という長期間に渡る密着取材によって実現。世界各地を巡り、さまざまな<音>を集め、紡ぎ出した<音楽>と1つになる瞬間や、アーカイブ素材や貴重なプライベート映像も交えながら、40年に及ぶ音楽活動の中で生まれた数々の名曲にまつわるインタビューなどが収められている。

 また、同映画祭が比類なき感性で「サムライ」のごとく、常に時代を斬り開く革新的な映画を世界へ発信し続けている映画人の功績を称えるSAMURAI賞が坂本に贈られ、映画舞台あいさつと合わせて授賞式が行われた。さらに、TIFFマスタークラスの1つとして「SAMURAI賞授賞記念 坂本龍一スペシャルトークイベント~映像と音の関係~」も行われ、自身が音楽を手掛けた数々の作品などについて、1時間以上におよび貴重なトークを展開した。

 SAMURAI賞受賞にあたり、坂本は「今年は東京国際映画祭30回目とのこと、おめでとうございます。そして『Ryuichi Sakamoto:CODA』を上映してくださってありがとうございます。頂いたトロフィー(刀のデザインが施されている)を手にして思い起こすのは、僕にとっての映画音楽との出会いになった『戦場のメリークリスマス』です。刀で居合をするシーンがあるんですが、事前に何度か道場に通って居合の練習をしたことを思い出します。現場でも真剣ではないけれど、出演者みんなではしゃいで刀を振り回して曲げちゃったりして。刀を持つとどうして皆振り回したくなるんですかね(笑)。自分が“侍”と呼ばれるにふさわしいかは大いに疑問を感じますが、いろんなことを思い出して思わずトロフィーを振り回したくなってしまいました(笑)」とあいさつした。
 続いて行われた『Ryuichi Sakamoto:CODA』の舞台あいさつには、スティーブン・ノムラ・シブル監督も登場。「今日はお越しくださりありがとうございます。映画を撮り始めたのは2012年の夏でした。映画は監督のものだと坂本さんはいつもおっしゃいますが、決して1人では作れないんです。今日もたくさん来てくださった関係者の方に感謝を申し上げます」とあいさつ。

 坂本は「自分の姿をさらけ出すという趣味はないんです(笑)。なぜこの映画を作ることを承諾したかというと、今のあいさつでも分かりますが、シブルさんの人柄に尽きる。彼の人間性に惹かれて、この人だったら任せてもいいかなという気持ちにさせられました」と振り返った。さらに「当初は監督もいろんな計画をもって撮影に臨んだと思いますが、撮っているうちにいろんなことが起こりすぎて、さらに僕が病気にまでなってしまい、監督は映画的に“よし!”とか思ったに違いないんです(笑)」と語ると、シブル監督はタジタジに。そんなやりとりからも、坂本のシブル監督への信頼の厚さを感じさせた。

 印象的だったエピソードを聞かれたシブル監督は「あまりにも多すぎて何を言えばいいのか分かりませんが、撮影当時強く感じたことは編集を重ねていく上で、結局、映画の中に残ったように思います」と。映画音楽とは何かという質問に対して坂本は「難しいなあ…」としばらく考え込んだのち、「映画にはルールがないんです。必ずしも映画に音楽がなくてもいい。だから、必要とされる場所にストンと音と音楽があることが、いい映画音楽ではないかと思います」と持論を展開した。

 最後に、シブル監督は「いろんな想いがありますが、それはすべて映画に入っています。坂本さんについてのドキュメンタリーだから、音で感じられる映画であってほしいと思いながら作ってきたので、耳を開いてそれを感じていただきたいと思います。いいものを感じてくださったら、SNSなどでぜひ友達に広げていってください」と。坂本は「僕は、このスクリーンで去年『シン・ゴジラ』を観たんです。自分の顔がこんな巨大なスクリーンに映るなんて本当に恥ずかしいので、判断は皆さんにお任せしたいと思います」と締めくくった。

「SAMURAI賞授賞記念 坂本龍一スペシャルトークイベント~映像と音の関係~」では、坂本が初めて映画音楽に携わった『戦場のメリークリスマス』で、大島渚監督に対して「音楽もやらせてくれたら出演してもいい」という逆オファーについての貴重なエピソードを披露し、「今思うと、もしこの映画で俳優しかやっていなかったら人生も変わっていたでしょうね」と振り返った。

 また、『ラストエンペラー』でベルナルド・ベルトリッチ監督にシンセサイザーでの曲作りを売り込もうと自慢の機材をロンドンに移送して披露したものの、あえなく玉砕した話、自身最多となる5度の曲の書き直しを経験した『リトル・ブッダ』でのベルトリッチの恐るべき書き直しの理由、坂本が「この映画の主役は自然」と振り返る『レヴェナント: 蘇えりし者』など、自身が関わってきた映画音楽作りのエピソードを紹介。

 さらに、自身が人生で最初に心に残った映画音楽として挙げたフェデリコ・フェリーニ監督作『ニーノ・ロータ』や、「音楽と効果音が絶妙に高まり合っている」と絶賛する小林正樹監督作『怪談』について解説するなど、映画音楽について聞きごたえたっぷりのトークを繰り広げた。

映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』
11月4日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開

出演:坂本龍一
監督:スティーブン・ノムラ・シブル
プロデューサー:スティーブン・ノムラ・シブル エリック・ニアリ
エグゼクティブプロデューサー:角川歴彦 若泉久央 町田修一 空里香
プロデューサー:橋本佳子
共同制作:依田一 小寺剛雄
撮影:空音央 トム・リッチモンド, ASC
編集:櫛田尚代 大重裕二
音響効果:トム・ポール
製作/プロダクション:CINERIC BORDERLAND MEDIA
製作:KADOKAWA エイベックス・デジタル 電通ミュージック・アンド・エンタテインメント
制作協力:NHK
共同プロダクション:ドキュメンタリージャパン
配給:KADOKAWA

公式サイト:http://ryuichisakamoto-coda.com/

©2017 SKMTDOC, LLC

  • Twitterでツイートする
  • Facebookでシェアする
  • LINEで友達に教える