音尾琢真の出演秘話に会場爆笑!映画「サニー/32」白石監督×音尾トークショー

エンタメ総合
2018年02月23日

160055_01_R 現役国民的アイドル・北原里英を、ピエール瀧とリリー・フランキーの“凶悪”コンビが拉致・監禁することから始まる予測不能のジェットコースタームービー「サニー/32」。公開後のトークイベントに演劇ユニットTEAM NACSのメンバーであり、今では白石組常連俳優としても知られる音尾琢真と、本作でメガホンを取った白石和彌監督が登壇し、本作における音尾の出演経緯などが語られ、会場に訪れた観客を大いに沸かせた。

「日本で一番悪い奴ら」で主人公・綾野剛演じる悪徳刑事と相対する刑事役として出演以降、日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト作品「牝猫たち」ではヒロイン3人が勤める風俗店の店長役を演じ、本作ではヤンキーの春樹先輩役を演じた音尾。上映後の舞台あいさつに白石監督と共に割れんばかりの拍手で迎えられると、笑顔で「北原里英です」とちゃめっけたっぷりにあいさつ。のっけから観客を沸かせる舞台役者ぶりに白石監督も笑顔を見せた。

 実は地元、北海道旭川西高等学校の1学年先輩(白石)と後輩(音尾)の間柄である2人だが、意外にも出会いは最近だという。白石和彌の名を世に知らしめた「凶悪」を鑑賞した音尾が感銘を受け、白石監督が高校の先輩だったことを知り、共通の知人を介し初めて話をしたそう。それがキッカケとなり、「日本で一番悪い奴ら」の出演を皮切りに、白石作品にはなくてはならない俳優となったことが語られた。

 初出演以降、白石作品の製作が耳に入るや否や、すぐに「先輩の映画に出してください!」と連絡が来るようになったことに加え、毎年、音尾からお歳暮が届くようになったエピソードが白石監督から暴露されると、会場からは笑いが。さらに被せるように音尾が「袖の下が効いている」としてやったりの顔を見せ、再び場内を笑わせた。

 この日、観客と共に本作を鑑賞したという音尾は興奮した様子で「最高に素晴らしい!」と手をたたいて絶賛。「台本からは荒唐無稽さを感じこの作品はどうなるんだ?!と思っていたが、白石監督は作品の中で“人間”を演出して、人間を撮っている。映画として完成した時にここまで素晴らしいものになるのか」と終始、称えつつ、「てか、春樹先輩22歳ってなんすか、あれ?」と自身が演じた役にも言及。

 そんな後輩に対して、「音尾君は本当にありがたいけど、たまにめんどくさい(笑)」と先輩のジャブに会場からは再び笑いが。「通行人でもいいから先輩の作品に出してほしい」と言ってくれる音尾に対して、本作でさまざまな役を打診したがスケジュールの都合でなかなか合わず、ようやく決まったのがヤンキーの春樹先輩だったという。

 音尾は日本海に面した新潟・長岡での過酷ロケについて「北海道より寒くて相当キツイ現場だった。北原さんや他のキャストの方々が本当に大変」と振り返りつつ、今回が3度目となる白石組について「現場での白石監督の演出の指示の出し方が本当に面白い!」とその魅力を語り、自身の主演作についても言及。すると毎回大事なポイントで出演する音尾に対して、白石監督から「小魚たち」と、過去作「牝猫たち」をもじった作品構想が発表されると、場内はこの日一番の笑いが起こり、2人も笑顔で笑い合っていた。

 イベントの最後に「現在の日本のさまざまな問題を入れ込んだ僕にとっても大切な作品」と白石監督が作品への思いを語った。続く音尾の「現在(の日本)を映し出している作品。素晴らしい作品ですし、これからも白石監督にずっとついていきます!」との締めの言葉に、場内からは割れんばかりの拍手が起こった。

映画「サニー/32」
公開中

<出演>
北原里英 ピエール瀧 門脇麦 リリー・フランキー
駿河太郎 音尾琢真(特別出演) 山崎銀之丞 カトウシンスケ 奥村佳恵 大津尋葵 
加部亜門 松野拓野 蔵下穂波 蒼波純

<スタッフ>
スーパーバイザー:秋元康
脚本:髙橋泉
音楽:牛尾憲輔
監督:白石和彌
主題歌:「pray」牛尾憲輔+田渕ひさ子

©2018『サニー/32』製作委員会