松坂桃李「この目線が一種のプレイ」映画『娼年』舞台挨拶

映画
2018年04月09日

映画『娼年』 映画『娼年』公開記念舞台あいさつが行われ、松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、馬渕英里何、三浦大輔監督が登壇した。

 会員制ボーイズクラブの娼夫となる大学生・森中領役で、ハードなラブシーンに挑戦した松坂は「上映後の舞台あいさつなんですね、しかもこんなに大きなスクリーンで」とつぶやきながら「映画を観た皆さんの前で、しかも洋服を着ているという…ある種のプレイのように思えます」とあいさつ。「僕はこの目線が一種のプレイだと思います。(プレイ感が)映画からずっと続いている感じがする。いたたまれない」と語った。

 娼夫・平戸東役の猪塚が「(観客は)スーツを着ていない状態の松坂さんを想像できますからね~」とイジると、松坂も「できますね、どんな感じなのかを鮮明に」と笑わせた。

 舞台版の演出も手掛けた三浦監督が「今をときめく松坂さんに大胆なことをさせて…諸悪の根源は僕にあります!舞台から2年くらい経ちますが、これでやっと解放される」と話すと、松坂も「僕も舞台が終わっても映画版があるというのが頭の片隅にずっとあったので、どの作品に携わっていても『娼年』が迫っているなぁという感じがあった」と。三浦監督は「舞台の時から松坂君と共犯関係を結び、それが完結するのが今日でした。感慨深いものがありますね」とねぎらった。

 会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香役の真飛は「完成した作品を観たときに、桃李さんの真っすぐな瞳に引き込まれて、涙がポロリとこぼれた」と感想を明かし「あとは桃李さんのお尻が見どころですね」と。照れる松坂をよそに三浦監督は「(ラブシーンでの)お尻の痙攣は松坂桃李君のアドリブです!」と暴露し、松坂が慌てて「違います!リアリティを追求してくれという演出がありました!」と釈明するひと幕も。

 耳が聞こえない謎の女性・咲良役の冨手は「今の日本は不倫や性にまつわることで暗くなりがち。でもこの作品から日本自体が変わると思った。松坂桃李は世界を救う!」と宣言。松坂から「ダ~メだよ、そんなことを言っちゃ(笑)」と制されるも「それだけみんなで命をかけた作品!」と胸を張った。

 領に想いを寄せる大学の同級生・白崎恵役の桜井は「松坂さんとの撮影があったのが、1年前のちょうど今日でしたね」とシミジミし、領を買うOL・イツキ役の馬渕は「自分でも予想してない大爆笑と涙が流れた不思議な作品。ご覧になった方と座談会を開きたいくらい。どこかで語り合いませんか?」と呼びかけた。

 松坂は「濡れ場のシーンが多いけれど、笑っていいところは十分に笑ってほしい。2回見れば、笑いのポイントも見えてきますから」と。三浦監督も「すべてに笑いどころが満載。真面目に観てほしい一方で、おかしなところもたくさんあるので、笑って突っ込んでほしい。自分も笑いながら完成させました。これはアートの欠片もない、セックス・エンターテインメントです」と語った。

 最後に松坂は「舞台版も含めると、2年をかけて完成した作品を皆さんに届けることができてうれしいです。普段抱えている固いものが柔らかくなるような優しさに包まれるような作品になりました。だから我慢せずに笑い、泣いて、そういったことをした上でこの映画に浸ってほしい」とアピール。三浦監督は「賛否両論あるかもしれないけれど、みんなで死に物狂いで作った映画です。普段こういったテーマに嫌悪感を抱くような方でも楽しめるようにと、セックス・エンターテインメントという新たなジャンルを作ったと自負しています。今の日本映画界に爪痕残せたら面白いことになるはず」と語った。

映画「娼年」
上映中

出演:松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、階戸瑠李 西岡徳馬/江波杏子
脚本・監督:三浦大輔
原作:石田衣良「娼年」(集英社文庫刊)
製作幹事:ファントム・フィルム ハピネット
製作プロダクション:ホリプロ
企画製作・配給:ファントム・フィルム
レイティング:R18+

公式HP:http://shonen-movie.com/

©石田衣良/集英社2017映画「娼年」製作委員会