山﨑賢人、原作者からの手紙に感激「悩みながら演じていた」映画「羊と鋼の森」

映画
2018年06月08日

映画「羊と鋼の森」公開初日舞台あいさつ 映画「羊と鋼の森」の公開初日舞台あいさつが行われ、山﨑賢人、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、光石研、三浦友和、橋本二郎監督が登壇した。

 本作は、宮下奈都の同名小説の映画化。ピアノ調律師に出会い、調律した音に生まれ故郷と同じ森の匂いを感じた外村(山﨑)が、調律の世界に見せられ、果てしなく深く遠い森のようなその世界に足を踏み入れる。そして、ときに迷いながらもピアノに関わる多くの人に支えられ、磨かれて、調律師として、人としてたくましく成長していく。

 初日を迎え、山﨑は「あのー…。去年の冬に北海道で、悩みながら楽しく撮影していました。早いなっていう感じもしながら、やっとかっていう感じもしながら…。どうだったかなと反応が気になりますが、無事に初日を迎えられてうれしいです!」とたどたどしくあいさつ。

 すると、鈴木が「今、賢人が小声で『ダメだ、調律しないと~!』って。大丈夫だよ」と優しく励ますと、「今日はコメント力、調律してきました」とドヤ顔の山﨑。しかし、鈴木から「5分前にも言ってたけど、今の調律できてたの?」とツッコまれた。

 劇中で調律師を演じている山﨑、鈴木、光石、三浦の4人が集まるのはクランクアップ以来。スーツでバッチリ決めた、山﨑、鈴木、三浦に対し、光石はややカジュアル目な格好で、鈴木は「光石さん、今日は私服なんですか?」とイジると、三浦も「スタイリストが衣装忘れちゃったんだよね」と便乗。これには光石も「言ってください、スーツ着るなら着るって!僕の今日の私服は半ズボンだったから、半ズボンからのこの衣装はわりときちっとしていると思ったけど、みんなはもうワンランク上だったから…」と顔を赤くした。

 作品でも姉妹役の上白石萌音・萌歌は「祖父母が『早く見たい!』と楽しみにしていてくれたので、これでやっと見てもらえると思うとうれしい。今まで、支えてくださった方にいち早く見ていただきたい!」と声をそろえた。

 山﨑演じる外村の憧れる調律師・柳を演じた三浦は「だんだん(山﨑が)うつって、どんどんしゃべりが下手になってきた」とコメントし、会場を笑いに包んだ。さらに、自分の名前が書いてあるうちわを持っている観客を見つけ、「賢人、賢人、賢人…の中に“友和”ってあって、うれしい!…」と喜んでいた。

 作品にちなみ「自分の調律したいところ」を聞かれたキャスト陣。山﨑が「『ピアノ』。逆に役で演じたから、本当に自分がどこまで調律ができるのか。できるところまでやってみたい!」と独特な回答をし、キャストから「どういうこと?」とツッコまれた。

 鈴木は「世の中の調律したいことで『あんこの量』。たい焼きとかおまんじゅうとか、売られているあんこ入りのお菓子は、だいたいあんこの量が多すぎる!」と不満を。さらに「甘党だけど、僕はあんこと生地のバランスで食べたいんですよ。あんこだけじゃなくて、全体的な甘さバランスがほしい!」と熱弁をふるうと、三浦から「長い!僕はあんこがたっぷり入ったのが好き」と一蹴された。

 さらに「人生で悩んだ時や辛い時に背中を押してくれた人や言葉」を聞かれた山﨑は、友人を挙げ「仕事で悩んでいる時に、『仕事だけに集中しちゃってるのよくない。(悩んでいるのは)人生のうちの一個の出来事でしかないから』と言われて、軽く考えるのもありだなと思い、気がすごく楽になりました。…そんないい話です!」と。

 本作の撮影中に背中を押されたことがあるという鈴木は「撮影が終わって、みんなでご飯食べた後に、賢人ともう1軒行こうとしたら、『ほら』って声が聞こえて。光石さんが一万円を持って『これで飲みに行きなさい』って、背中を押してくれました!」と明かすと、会場から拍手が沸き起こった。

 またもや顔を赤くした光石が「一万円かよって話ですよね」とコメントすると、鈴木は「こういう先輩にならなきゃいけないなと思いました。あの御恩は忘れられません!」と感謝した。

 イベントの終盤で、原作者の宮下奈都から手紙が。「主演の山﨑賢人さんには、美しい容姿ゆえに役作りの上で不自由なこともあったのではないかと思っていましたが、映画を見てビックリしました。才能に迷う、不器用な新人調律師が一歩一歩手探りで進んでいく姿がちゃんとそこにあって。山﨑賢人という俳優も、こうやって一歩ずつ恐れながら焦りや不安も抱えながら、コツコツ歩き続けてきたんだろうと感じ胸が熱くなりました。あなたに外村を演じていただけて本当によかったです」という手紙に、山﨑は「自分もすごく悩んでいて。一番、お芝居するということがよく分からない時期で、それを全部、外村にぶつけようと思って頑張っていたので、そういっていただけてうれしい」と感激していた。

 最後に山﨑が「どんな職業の方でも共感できる作品になっています。一人でも多くの方の背中を押せたら」とメッセージを送った。

映画「羊と鋼の森」は絶賛公開中。