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しりあがり寿&よしひろまさみちが語る、深田晃司監督作品の魅力とは? 映画「海を駆ける」ファントークイベント

175520_01_R 第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を『淵に立つ』で受賞し、今や世界の映画人が注目する深田晃司監督の最新作『海を駆ける』のファントークイベントが行われ、深田晃司監督、深田作品の大ファンと公言する『真夜中の弥次さん喜多さん』等で知られる漫画家のしりあがり寿、映画ライターのよしひろまさみちが登壇した。

 深田監督は、2011年の東日本大震災の後に大学の研究チームの震災復興リサーチに参加。そこで、2004 年にスマトラ島沖大震災による津波で壊滅的な被害を受けつつも、今では完全に復興を遂げた町バンダ・アチェを訪れて本作のアイデアを想起したという。自然はときに豊かに美しく、ときに脅威となり人を飲み込み、また人間の生活は自然と共にあるというさまを、インドネシアの美しい海、そして国籍や宗教を越えて育まれる若者たちの友情を通して描くファンタジー作品。

イベント冒頭、しりあがりは「見終わって、ここを(映画最後のシーンのように)駆けたくなりますね」と、映画上映終わりの観客と同じく興奮が冷めない様子。深田監督は「蝶のシーンなどCGもありますが、最後の海を駆けるシーンは力わざで橋を作って潮が満ちる前にCG なしで撮影しましたね。あと、花を生き返らせるシーンもアナログなのですが、花を枯れるまでずっと撮影し続けて逆再生したんですよね」と、撮影の裏話を披露した。

2人の関係については、「深田監督の『歓待』をきっかけに、私が毎年行っているさるハゲロックフェスティバルを行っており、その映像記録をお願いしているんですよね」と、しりあがり。そのまさかの関係によしひろからは「カンヌ(受賞)の監督にですよ!(笑)」とツッコミが入った。

『淵に立つ』について聞かれ、しりあがりは「大好きですが、嫌な気持ちになりますよね(笑)」とコメント。同じく監督の作品が好きなよしひろも「言葉を許していただけるのであれば、深田監督の作品はすべてド変態だなと思っております(笑)。監督はすごくいい人なのですが、映画はドSですよね。今回の作品ではインドネシア語と英語が話せるおディーンさんがしゃべらないなんて(笑)。こんなドSなことありますか!」と今回の作品にもツッコミが。これを受けて深田監督は、「ディーンさんにしゃべらせないなんてぜいたくだと葛藤しながら、会見のシーンも中国語をもっと増やそうかと思ったんですが、結局インドネシア語と英語のみにしましたね」と明かした。

また、ディーンと同じく本作に出演する太賀、鶴田真由の語学についても聞かれ、深田監督は「太賀さん・鶴田さんには2か月インドネシア語を勉強してもらい、鶴田さんはうまくなりすぎないように気を付けてもらい、太賀さんはネイティブに見えるようにしていただきました。また、太賀さんはリアクションがうまくて、ちょっとしたしぐさも現地の人も認めるくらい自然で、現地のキャストとも仲良くなっていたので、リアルなリアクションが撮れたと思います」と絶賛。それを聞いたしりあがりも「僕も太賀さんが現地の人に見えました、演技っぽくなく、そのおかげで作品がよりリアルに見ましたね」と語り、会場の観客も納得の様子だった。

本作の撮影はほぼノーアドリブで、太賀とアディパティ・ドルケンのハンドシェイクを太賀からの提案で追加し、映画後半のシーンで歌も追加したそう。この裏話について、しりあがりは「その若い子の意見など、どんどん取り入れて追加するのが、素晴らしいですね」とコメント。歌を追加した経緯について深田監督は「インドネシア人スタッフは休憩の度に歌っていて、それがどんどん広がり、みんなで合唱するんですが、日本人スタッフはみんなが歌詞を知っているような歌がなくて、(長渕剛さんの)『乾杯』を歌ったりしてましたね。一生懸命iPhone で歌詞を探しながら(笑)」と明かし、撮影も朗らかな雰囲気だったが伝わってきた。

続いてSNSでの反応に対して話を振られ、深田監督は「今回SNSのキャンペーンで「#海を駆けてきた」のハッシュタグで感想が見れるので、見てしまいますね。あまり深追いすると地雷を踏んでしまうので、ほどほどで」と、実際SNSでも、多くのコメントに反応し、観客の感想が気になってしまう様子。よしひろからも「みなさんもツイートしていただければ、(この日風邪で声の枯れ気味だった深田監督に対し)声の枯れていないネット上の深田監督が降臨しますよ!」と告知をした。

最後にも撮影裏話で、最後の海を駆けたシーンでキャスト4人が同時に海に落ちるシーンについて「橋を走っていたあと、本当に落ちるリアクションがほしかったので、(バラエティ番組の)落とし穴みたいに一気に下を開けて4人同時に落としましたね(笑)」と笑顔の深田監督に、しりあがりとよしひろからは「人が悪い~」と突っ込みつつも、だからリアルさがあると納得の様子だった。これに対し、深田監督は「映画はいかにうまくウソをつくか、だと思うので、このぐらいがちょうどいいんじゃないでしょうか」と映画についての持論を展開していた。

映画『海を駆ける』は、現在公開中。

<作品情報>
映画『海を駆ける』 テアトル新宿、有楽町スバル座ほかで公開中
■ストーリー
インドネシア、バンダ・アチェの海岸で倒れている謎の男が発見される。片言の日本語やインドネシア語を話すが正体は不明。その謎の男にラウ(=インドネシア語で「海」)と名付けて預かることになった、災害復興の仕事をしている貴子と息子のタカシたち。その周辺で謎の男・ラウはさまざまな不思議な奇跡と事件を巻き起こしていく―果たしてラウは何者なのか…。
■キャスト
ディーン・フジオカ 太賀 阿部純子 アディパティ・ドルケン セカール・サリ 鶴田真由
【スタッフ】
監督・脚本・編集:深田晃司
■公式ホームページ
http://umikake.jp/

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