吉田羊、佐野玲於からのサプライズに感激「泣きそうです」

映画
2018年10月23日

映画『ハナレイ・ベイ』 映画『ハナレイ・ベイ』の公開記念舞台あいさつが開催され、主演の吉田羊をはじめ、佐野玲於、村上虹郎、松永大司監督が登壇した。

 本作は、作家・村上春樹の短編作品『ハナレイ・ベイ』を映画化。ハワイのハナレイ・ベイで一人息子をサーフィン中の事故で亡くした主人公サチは、10年間、毎年息子の命日の頃にハナレイ・ベイを訪れ、ビーチの近くの大きな木の下で海を見つめ過ごしている。そんな時出会った若い日本人サーファーから“片脚の日本人サーファー”の存在を聞いた彼女は、自らの人生を変える一歩を踏み出すことを決意する。

 吉田は「撮影から約1年、こうして皆様にお披露目することができて感無量です」とあいさつ。吉田と親子役を演じた佐野も「素晴らしいスタッフの方々と仕事ができた作品が公開となり、一人でも多くの方に観ていただければと思います」と語った。

 本作の撮影にあたって、吉田は英語とピアノ、佐野と村上はサーフィンの習得に取り組んだ。吉田は「クランクインの1か月半前くらいに譜面が届き、当時やっていた舞台の合間をぬって1日8時間ほど練習していましたね。本編では2曲しか使われてないですが、課題曲が3曲あったので大変でした。英語のせりふも譜面と同じくらいの時期に届いて、(現地の外国人から)“うまいね”と言ってもらわなければならなかったので、発音重視で猛練習しました」と告白。

 佐野も「サーフィン未経験だったので、仕事前に4時から5時に家を出て1から2時間練習して仕事に行っていました。監督も一緒に海に入ってくれたりしましたね」と振り返った。

 また、ハナレイ・ベイで行われた撮影では『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ジュラシック・ワールド』などのハリウッド大作映画に携わっているスタッフが参加していたそうで、吉田は「午前中から撮影して調子が乗ってきたころにきっちりランチの時間が入る。生きるということを重視していて、それがまかり通る環境がうらましいですね」と日米の撮影スタイルの違いについて語った。

 映画のキャッチコピー〈人生で一番大切な人に会いたくなる映画〉から〈一番大切〉だなと思う人はいますかという質問が寄せられると、吉田は松永監督の名前を挙げ、「女優人生において、原点に立ち返る思いを経験させていただきました。またいつか監督から“吉田さんとやりたいです”と言っていただける女優になりたいなと思っています」と。

 本作について周りの人たちの反応を聞かれた佐野が名前を挙げたのは、所属事務所の代表であるHIRO。大の映画好きであるHIROから“感じるものがある”と言われたそうで「作品に参加して良かったと思った」とうれしそうに語った。

 村上は“佐野玲於”とコメントし、会場を笑わせつつ「大きい映画と小さい映画が二極化していく中で、佐野君や全く違うジャンルで活躍している(佐藤)魁と一緒に仕事できたことは大きかった」と語った。

 劇中で吉田演じるサチが語る〈女性とうまくやるための3箇条〉のように、〈異性にモテる3箇条〉を教えてくださいという質問に対しては、吉田が「自分の意見を持って話を聞く」「尊厳を傷つけない」「筋肉を褒める」の3つを回答。

 筋トレをしているある男性俳優を褒めたらうれしそうに話しだした経験があったとのことで、隣にいる佐野に吉田が「褒められるためにやっているの?」と冗談交じりに聞くと、佐野は笑顔で「ハイ!」と回答した。

 ここで、佐野から「実は、去年ハワイで撮影中に羊さんにプレゼントを買っていまして…と、アメジストのパワーストーンがサプライズで贈られ、佐野がプレゼントを購入した時の映像もスクリーンで映し出された。

 佐野が「羊さんを少しでも支えられればと思って選びました」とコメントすると、吉田は「本当にうれしいです。しかもアメジストは誕生石なので、泣きそうです」と大喜び。これに対してキャストや松永監督から「泣いたらそれがニュースの見出しになっちゃう」とツッコミが入った。

 最後に松永監督は「この映画があるということを一人でも多くの人に伝えてください。それに見合うだけのものは作ったつもりです」と。吉田は「私にとって女優としてのターニングポイントになった作品を、佐野君も村上君も大事に想っていることが今日の舞台あいさつであらためて分かって良かったです。作品を難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今日でなくとも、明日や1年後に、皆様の中で何かが染みていけばいいなと思います」とメッセージを送った。

映画『ハナレイ・ベイ』
公開中

原作:「ハナレイ・ベイ」(新潮文庫刊『東京奇譚集』)村上春樹著
脚本・監督・編集:松永大司
音楽:半野喜弘
出演:吉田羊、佐野玲於、村上虹郎、佐藤魁、栗原類
配給:HIGH BROW CINEMA

©2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会