玉木宏「5時間近い映画だと思って観てほしい」『連続ドラマW 盗まれた顔』

ドラマ
2018年12月11日

「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」第1話完成披露試写会 2019年1月5日(土)スタートの「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」の第1話完成披露試写会が行われ、主演の玉木宏、共演の内田理央、町田啓太、渋川清彦、伊藤歩、武正晴監督、原作者・羽田圭介が参加した。

 本作は、芥川賞作家・羽田圭介原作を初の連続ドラマ化。主演・玉木宏が、指名手配書の写真から何百人という顔の特徴を脳に焼き付け、駅や繁華街を歩いて容疑者を捜し出す“見当たり捜査員”を演じる。

 主人公の見当たり捜査員・白戸崇正を演じる玉木は「仕事もプライベートも境界線がなくて、人の顔ばかり見ている大変な仕事」と初めて演じる見当たり捜査員の苦労を実感しつつ「撮影もたくさんのエキストラの方々に参加していいただき、人の顔の海に溺れながら撮影した記憶がある」と振り返った。

 白戸の部下の見当たり捜査員・安藤香苗役の内田は「刑事役と聞いてかっちりしているキャラクターかと思いきや、ヒールをはいてミニスカという格好。しかもその格好でアクションをする」と。柔道にも初挑戦し「小さい頃からアニメなどで戦う女の子に憧れたけれど、実際にやると本当に大変!なったものじゃないなと」と語った。

 白戸の部下の見当たり捜査員・谷遼平役の町田は「見当たり捜査は体力勝負ということもあり、とにかく食べるシーンが多い!朝から焼き肉、中華、豚足、パンケーキもあった。豚足には初めてかぶりつきました。しっかりした豚足で、こんな感じなんだと驚いた」と明かし「撮影で焼き肉を食べた日は、その後にプライベートで玉木さんと焼き肉を食べに行きました」と裏話を披露した。

 謎の死を遂げたはずの須波通役の渋川は「顔を隠していたので、あまりよく分からないと思いますよ。顔を盗まれていますから…」と作品にちなんだコメント。白戸の恋人・千春役の伊藤は「劇中で猫がいるシーンがありますが、玉木さんの猫のあやし方が不器用でびっくり。距離をとりつつ『お~い、お~い』みたいな」と玉木の意外な一面を明かすと、当の玉木は「実は猫アレルギー。でもなぜか猫に触れる役が多い。普段は怖くて近寄れない。かわいいんだけどその一線を越えることができない」と明かした。

 そんな和やかエピソードの一方で、撮影時は酷暑だったという。武監督は「撮影の思い出といえば、酷暑をどう乗り越えるか。まさに熱中症の夏の思い出」と笑わせつつも「平成も終わり、オリンピックが始まるいいタイミングなので、東京の風景を撮ろうと意識した。東京の実名の場所で展開する原作のストーリーが気に入っていた」と本作の裏テーマに言及した。

 原作者の羽田は「小説以上の生々しさがある」と映像化に太鼓判を押し「2007年に就活でららぽーとに来たけれど、落ちた。そこから原作を書いて、映像化されて、11年前のあの日にエントリーシートで落とされた企業で試写会をやるなんて」と喜びをかみしめた。

 また「記憶」という作品のキーワードにちなんで「2018年の一番の思い出」を聞かれた玉木は「今年の初めにアイスランドに一人旅をしたこと。氷上でスノーモービルをしたり、大自然の中で遊びました。景色も含めて日本と規模が違う。すごくいい景色でした」と。

 内田は親知らずを抜いたことを挙げて「そうしたら驚くくらいに腫れてしまって。ちょうど母親と北海道旅行だったので、ウニくらいしかすすることができずに帰ってきた。それが今年一番の記憶」と語った。

 町田は「玉木さんに申し訳ないことをした」と恐縮の表情で「玉木さんと飲みに行ったときに数年ぶりにトイレでグロッキー状態に。直前まで『全然大丈夫!』と言っていたのに、秒速でトイレで寝るという…。気づいたらドアをノックされて、玉木さんのいい声で『町田君、大丈夫?』と、笑いの入った声で言われた」と不覚の事態を告白。町田が「楽しくてついテンションが上がってしまって…」と弁解すると、玉木は「元気だったのに、急にダメな人になった。…写真に収めてあるよ(笑)」と証拠をちらつかせ、町田を「え?怖い!」と怯えさせた。

 渋川は「今年は公開作が多くて、舞台あいさつをたくさんした。感慨深い」と感謝。伊藤は「今年は台風が多く、被災地にボランティアに行ったときの記憶が印象的」と語った。

 武監督は「今年は撮影で半分以上自分の家にいなかった。自分の作った作品を上映したりするときに撮影時の記憶が蘇りますね」と語り、羽田は「小説の宣伝のために始めた朗読YouTubeの再生数が全然なかったこと。60万円くらいかけて機材をそろえたのに…」とボヤいた。

 最後に玉木は「羽田先生が生み出したものを、武監督が熱い熱量で作り上げた作品。5時間近い映画だと思って観てほしい。特に連続ドラマWはそれくらい集中して観てもらえるクオリティを持った枠。放送時もテレビでじっくりと観てほしい」と呼びかけた。

「連続ドラマW 盗まれた顔~ミアタリ捜査班~」
WOWOW
2019年1月5日(土)放送スタート
毎週土曜 後10・00(全5話・第1話無料放送)

<ストーリー>
警視庁捜査共助課で、自ら記憶した指名手配犯の顔だけを頼りに潜伏する容疑者を捕まえる“見当たり捜査員”の白戸崇正(玉木宏)。彼は抜群の記憶力と相貌識別力を持ち、 3000人の顔を記憶している。元制服警官で白戸に抜擢された新人捜査員の安藤香苗(内田理央)、スランプ気味で不逮捕記録を更新中の谷遼平(町田啓太)とともに繁華街を行き交う群衆の中から指名手配犯を捜し続けていた。
そんなある日、白戸は群衆の中に「見つかるはずのない顔」を見てしまう。 4年前に謎の死を遂げた先輩刑事・須波通(渋川清彦)。須波は“見当たり捜査員”として優秀な刑事で、白戸が慕っていた人物だった。見間違いだと否定しようとしていたが、そんな中、白戸は須波にまつわる妙な噂を耳にする。しかし須波について調べるうち、公安や中国マフィアが動きだし、いつしか白戸は命をも狙われることになる。さらに、同棲している恋人の千春(伊藤歩)も不可解な言動を取り始め、白戸は次第に疑心暗鬼になっていく…。

原作:羽田圭介『盗まれた顔』(幻冬舎文庫)
脚本:足立紳(『百円の恋』『14の夜』)
監督:武正晴(『百円の恋』『銃』)
音楽:海田庄吾(『百円の恋』『ビジランテ』)

出演:玉木宏、内田理央、町田啓太、丸山智己、渋川清彦/中村ゆり、眞島秀和、友近、山崎樹範/伊藤歩

番組特設サイト:https://www.wowow.co.jp/dramaw/kao/