阿部進之介「答えを出さないことを大切にした映画」『デイアンドナイト』公開

映画
2019年01月28日

映画「デイアンドナイト」初日舞台あいさつ
 映画「デイアンドナイト」の初日舞台あいさつが行われ、阿部進之介、安藤政信、清原果耶、藤井道人監督、山田孝之プロデューサーが登壇した。

 完成までの6年という長い道のりに阿部は「藤井監督と『どうしようか?』というところから始まり、孝之が入ってくれて、ゼロからみんなで話し合っていく中で、安藤さんや清原さん、そしてスタッフの皆が集まってくれた」と振り返り「ロケ地を決めたり、ゼロから作品を作る過程を経験したことで、自分にとって大切な作品という気持ちも芽生えた。道のりは長かったけれど、一つの作品を観客に届けるとはこういうことだと体感し、とても感無量」と語った。

 プロデューサーとして初めて映画を制作した山田は、ロケ地交渉、脚本開発、キャスティングなど映画制作実務に深く関わり「脚本の開発に時間を割いたし、脚本会議が終わって外に出たらもう朝だったということも思い出深い。秋田県に行って市長に会って話をしたり。でも撮影が始まるとあっという間に今日まで来たという感覚。感無量です」と。

 藤井監督も「準備期間は長かったけれど、ジェットコースターのような日々。自分の人生の中でもターニングポイントになる作品だとあらためて感じる」と感無量の表情を見せた。

映画「デイアンドナイト」初日舞台あいさつ
 児童養護施設のオーナー・北村役の安藤は「僕は映画俳優ですから、愛のあって尖ったセンスのある映画に出られたことがうれしい」と。さらに「ゼロから作るという苦悩を分かち合っていないから、孝之たちに比べたら自分は何もやっていません」と話すと、山田からすかさず本作PRのためにテレビ番組に出演したことを感謝された。

 主題歌も担当する清原は「月日をかけて作ってきたものの中に主題歌としても映画の力になれるのはうれしい」と。しかし「レコーディングの時はクヨクヨしっぱなし。声も出ないし、思ったように歌えなくて悩みました」と舞台裏を明かした。

 藤井監督は「この曲がエンディングで流れることによって、この映画を救ってくれたと思った」と話し、阿部に楽曲を聴かせた際には「泣きそうになっていたので…かわいいなぁと」と暴露。阿部は「清原さんが役として歌っているので、自分も演じた明石の気持ちになってしまって」と照れていた。

 俳優の山田がプロデューサーを務めたことについて、阿部は「役者がどうやったら役に集中できるかに重きを置いた配慮があって、それは役者の気持ちが理解できていないとできないこと。『自分だったら』ということを全部やってくれて、集中しやすい現場だった」と山田の気配りを明かし「役に入り込むことを知っている人間がプロデューサーとして現場にいてくれるだけで、それが心のよりどころになった」と感謝した。

 安藤も「現場にはほぼ毎日いてくれて、僕らの芝居も見ていてくれた。孝之は芝居のうまい人なので、見られるとプレッシャーもかかるけれど、それが力になって『もっとやってやるぞ!モニターで見ていてくれ!』というテンションになった」と語った。

 山田は「間近で俳優さんたちの本気の芝居を見て、とても感動しまして、俳優って素晴らしいな、カッコいいな、これからは自分ももっと自信を持って俳優だと言っていこうと思った」と。阿部は「僕の芝居が終わった帰り道に、『プロデューサーとして役者って素晴らしいと思った』と言ってくれてうれしかった」と明かした。

 最後に阿部は「答えを出さないことを大切にした映画です。なので、皆さんがそれぞれ感じたものが『デイアンドナイト』になる。人それぞれ見方によって感じ方は違うはずなので、大切な人とこの映画について話し合うきっかけになればうれしい」と。藤井監督も「大切な人と語り合えるような作品にしようと、丁寧に作り上げたつもり。たくさんの答えがある作品です」と語った。

「デイアンドナイト」
公開中

出演:阿部進之介
安藤政信 清原果耶
小西真奈美 佐津川愛美 深水元基 藤本涼 笠松将 池端レイナ
山中崇 淵上泰史 渡辺裕之 室井滋 田中哲司

企画・原案:阿部進之介
脚本:藤井道人・小寺和久・山田孝之
監督:藤井道人
プロデューサー:山田孝之・伊藤主税・岩崎雅公
制作プロダクション:and pictures inc.
制作協力:プラスディー・BABEL LABEL
配給:日活

公式サイト:http://day-and-night-movie.com

公式Twitter:@Day_and_Night_i

©2019「デイアンドナイト」製作委員会