TEAM NACS SOLO PROJECT 戸次重幸『MONSTER MATES』のゲネプロ＆囲み取材が行われ、本郷奏多、青柳翔、前野朋哉、戸次重幸、吉沢悠が登壇した。
5年ぶりとなる戸次重幸のSOLO PROJECT第4弾。今作は、戸次が作・演出・出演に挑戦し、4名のキャストを迎えてワンシチュエーションの5人芝居で送るサスペンスコメディとなっている。
物語の舞台は、精神科医・坂上寛人（青柳）の部屋。居候である三波秀和（本郷）、同じマンションに住む、坂上の元患者でもある鮮魚店店主・今野正志（前野）、今野の借金の取り立てに現れたヤクザの桐谷憲次（戸次）。さまざまな事情で4人が坂上宅に会したとき、謎の男・Q（吉沢）が突然現れる。そして、Qは三波に「あなたは不老不死になりました」と告げる。そのひと言で、彼らの正常な日常は崩れ始めた。不老不死をめぐる男たちの醜い争いの結末は――。
3年前から構想していたという戸次は「初稿みたいなのは3年前に出来て、今の台本の土台になったのは、そこから1年後。土台が出来たタイミングで（イラスト版メインビジュアルを担当した）藤田（和日郎）先生に読んでいただき、アドバイスを頂いて書き直したのが、2年前ぐらいに出来上がりました」と。
そんな構想から稽古を経て、初日を迎えた戸次は「無から有を生む作業というか、頭の中にしかなかったものが実際に形となって出てくる過程が好きなので、稽古が本当に好きで。稽古51％、本番49％の比率で。なので、稽古が終わっちゃったので若干寂しいんですが（笑）、お客さんに楽しんでいただけるように頑張りたい。今の段階でやれるべきことは100％やった」と語った。
ほかの4人も「稽古が楽しかった」と口をそろえ、前野は「戸次さんは毎回『あそこよかったよ』とか、『ここがよかったよ、最高です！』ってすごく褒めてくれるので、ずっと気分がよかったです」と笑顔。本郷も「稽古に入る前に、戸次さんが『何かストレスがあったら右手を挙げてください。そうしたら僕が何とかして、ノーストレスの稽古場を提供しますので』とおっしゃっていただいて。それで緊張せずに稽古に入れたというか、素敵だなって。ただ、誰も手を挙げることがなかったので、それほど細かく全体に気を使ってくださった素敵な稽古場でした」と戸次演出を振り返った。
それを受けて戸次は「だから怖いんです。今まで手が挙がってないので、本番始まってから『なんで言ってくれなかったの？』っていうことが出て、手が挙がるんじゃないかって…」と不安な表情を見せるも、「それぐらい皆さんが前のめりでせりふを覚えてきてくださいましたし、いろいろと演出についてのアイデアもくれましたので、僕としてはおんぶにだっこな感じ。このメンバーでよかったなって、今既に思ってます」とキャストへの思いを明かした。
さらに4人をオファーした理由について、戸次が「笑顔が信用できない4人だったので。僕が視聴者として皆さんの作品を見ていて、本当に笑いたくて笑ってんのかな？みたいな、腹黒さを演技で感じたんです。そういったみんなの持っている役者としての、いい闇が魅力的だなと思って声を掛けさせていただきました」と明かすと、4人もは「うーん」と言いながら納得していない様子。
すると戸次が「この話は何度かみんなにしているので、納得済みだと思っています。だって、青柳君とか笑いながらも目が泳いでる時あるもんね？」と振ると、青柳が「明らかにこいつ（本当はそうとは）思ってないんだろ？って感じですよね」と笑った。
物語のテーマとなる“不老不死”になったらどうするか？と聞かれると「人命が危険な実験にも積極的に参加したり、危険なお仕事をやってみたい。…たぶんギャラがいいと思うので“不死”というのを使って生活したい」（前野）、「巨額の富を築けるように工夫したい」（青柳）という2人に対し、本郷は「ライオンを倒した人はいないと思うので、倒したい」と明かすと、吉沢も「じゃあ、僕はゾウにトライしたい」と語った。
最後に戸次が「この芝居に出てくるキャラクターは、皆さん以下の連中ばっかりです。なので、作品を見ながら存分に優越感に浸っていただきたい。サスペンスコメディということで、ちょっとおどろおどろしいですが、笑える箇所もあり楽しんでいただけると思います。ぜひ劇場に足を運んでください」とメッセージを送った。
TEAM NACS SOLO PROJECT 戸次重幸『MONSTER MATES』
東京・EX THEATER ROPPONGI
2月8日（金）～13日（水）
福岡・福岡国際会議場メインホール
2月16日（土）、17日（日）
北海道・道新ホール
2月22日（金）～24日（日）
大阪・森ノ宮ピロティホール
3月1日（金）～3日（日）
作・演出：戸次重幸
出演：本郷奏多、青柳翔、前野朋哉、戸次重幸、吉沢悠