黒猫“チビ”も公開をお祝い!「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」

映画
2019年05月11日

映画「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」 映画「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」の初日舞台あいさつが行われ、主演の倍賞千恵子、藤竜也、共演の市川実日子、小市慢太郎、西田尚美、小林聖太郎監督が登壇した。

 熟年離婚を決意する妻・有喜子役の倍賞は「藤さんとは29年前にテレビドラマで夫婦をやらせてもらって、本作で再び夫婦をやらせてもらいました。無口で頑固なお父さんですが、本当の藤さんは優しく素敵なお父さんです」と笑顔。

 藤が演じる亭主関白な夫・勝の靴下を有喜子が脱がして拾うというシーンでは「なかなか私がうまくいかず、何度もテストをしました。でも実生活ではあんな風になるのはイヤね~」と笑わせた。

 有喜子の夫・勝役の藤は「私も50年くらい亭主稼業をやっているけれど、夫婦は子供とは違って紙切れ一枚で赤の他人になってしまう。この映画を通してあらためて考えてゾッとしました。夫婦の絆はぜい弱。油断は禁物です」と話し「(藤の妻には)俺はあんたを失いたくない、という気持ちでいます。でも普段から無口なところは役と似ているかなぁ」と照れた表情を見せた。

 すかさず倍賞は「藤さんは奥様に優しい。いつも“ありがとう”と仰っていて、とても素敵。私も見習わなければと思った」と藤の愛妻ぶりを明かした。

 次女・菜穂子役の市川は、劇中の母娘像に「うらやましい親子関係」と目を細めて「お母さんが私のトレーナーを着て“似合う?”とおどけたポーズをとるシーンが好き。関係性が表れていると思った」と見どころを紹介。すると倍賞は「あのシーンではつい踊ってしまいました。彼女と芝居をすると自然とそういう形になる。彼女からアドバイスをもらってやってみたら、すごくうまくいった」と感謝。当の市川は「ウソッ!そんなこと私言いましたか!?」と恐縮した。

 長男・雅樹役の小市は、親子水入らずですき焼きをつつくシーンをお気に入りに挙げ、長女・祥子役の西田は「短い撮影だったのに、本当の家族のような気分になった。こたつとあの部屋の居心地が良くて。打ち上げで皆さんと再会した時は本当に“家族に再会”という感じがあった」と。小市も「倍賞さんと藤さんがしっかり母親、父親として存在してくれたからこそ、実家感があったと思う」と語った。

 夫婦の関係に波風を起こす志津子を、昨年5月に亡くなった星由里子が演じている。倍賞&藤とは初共演。死去に倍賞は「ものすごくビックリしました。撮影中もそんなことになるとは思わず…」と残念そうに語り「撮影中はきちんと背筋を正して、折々に鏡を見たり、メイクさんにも優しくて、スターとはこうあるべきだと思わされた。お芝居をやってもかみ合うし、セリフが立ち上がっていく感じがありましたね」と人柄をしのんだ。

 藤も「若大将の星さんだ!と、大スターとご一緒するときはミーハーになります」と憧れの存在との初共演を喜び「星さんの『何をそんなにカッコつけているの』というセリフは胸にきました。キャリアからくる重さを感じました」と。小林監督も「体調不良ということで打ち上げには欠席されましたが、打ち上げ中にわざわざお電話をいただきました。だから“まさか…”という気持ち。まだ実感がありません」と沈痛な思いを明かした。

 最後の写真撮影では母の日にちなんで、黒猫のチビをイメージしたぬいぐるみを囲んだカーネーション入りのフラワーボックスとチビ役のりんごも登場。武井家キャストが全員そろい、笑顔でイベントを締めくくった。

「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」
公開中

出演:倍賞千恵子、藤竜也、市川実日子、星由里子、佐藤流司、小林且弥、小市慢太郎、西田尚美、優希美青、濱田和馬、吉川友
監督:小林聖太郎
脚本:本調有香
音楽:小六禮次郎
原作:西炯子「お父さん、チビがいなくなりました」(小学館フラワーコミックスα刊)
配給:クロックワークス

公式サイト:chibi-movie.com

©2019 西炯子・小学館/「お父さん、チビがいなくなりました」製作委員会