長谷川博己「期待していただいて構いません!」大河『麒麟がくる』新キャスト発表

ドラマ
2019年06月17日

大河ドラマ『麒麟がくる』出演者発表会見 2020年大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合ほか)の新たな出演者発表会見が行われ、主演の長谷川博己、新たに出演が決まった木村文乃、南果歩、村田雄浩、徳重聡、片岡愛之助、檀れい、佐々木蔵之介、滝藤賢一、谷原章介、眞島秀和、吉田鋼太郎が登壇した。

 主人公・明智光秀の妻・煕子(ひろこ)役を演じる木村は「戦国時代を強くたくましく生きられてる方たちにやさしく寄り添って、ほっと一息できるような、そんなやさしいあったかい人でいられたらなと思います」と語った。

 斎藤道三の側室・深芳野役の南は「今回このように戦国オールスターキャストの一員としてこの場に立たせていただいていることがすごくうれしいです。もちろん戦国の世は男の社会でもあったわけですが、そのそばで女性たちがどのように生きたかもぜひ見ていただきたいと思っております」と意気込んだ。また、2020年のオリンピックイヤーに放送されることから「この大河ドラマでもっともっとテレビを熱くして、2020年を皆さんの心に残る年にしていきたいと思います。余談ですが、私1964年東京オリンピック生まれなので、それも含めて東京オリンピックの年に頑張りたいと思います」と。

 斎藤道三の有力家臣の一人・稲葉良通(一鉄)役を演じる村田は「稲葉良通という人は、後々一鉄という名前になって頑固一徹のもとになった名前だっていう話を聞いたので、ぜひぜひドラマの中でどういう一鉄さを見せていくかっていうのが勝負だと思っているので、頑固一徹で真っすぐなわりにはいろいろな武将に手を変え、品を変えコロコロ変えて行ったりしてるんで、その意味もこれから調べていきたいなと。まあそうは言ってもどこまで描かれるかっていう話なんですけども。普段いい加減に生きているんで、ドラマの中くらいはしっかりと頑固一徹、男らしく生きていきたいと思います」と。

 光秀に寄り添う明智家の家臣・藤田伝吾役の徳重は「私がやらせていただく大河ドラマは、ドラマや映画でほとんど描かれてきていない人だと思うので、私が演じた藤田伝吾が世の中のイメージになってもおかしくはないと思うので、責任感を持っていやってまいりたいと思います」と。

 強大な軍事力を持つ有力戦国大名・今川義元役を演じる片岡は「今川義元を務めさせていただいて本当にうれしく思います。と申しますのは、せんだって『まんぷく』で長谷川さんとはご一緒させていただいておりまして。その折ご飯行ったりして『麒麟がくる』出られたりしたらいいよね、一緒にお芝居できたらいいよねなんてお話ししていたらこのお芝居のお話を頂きまして、非常にうれしく思っております。どうして僕に今川義元の役が来たんだろうなとプロデューサーの方とお話ししておりましたら、長谷川さんと並ぶと『まんぷく』感が出るので、できるだけ一緒にならないからこの役になったんじゃないかなと、冗談かもしれないですが、おっしゃっていました。今川義元というのは今までと違った感じでございまして。本当に強かった戦国武将ということを全面的に出したいとおっしゃられていたので、わたくしも非常に楽しみにいたしております」と。

 織田信長とその弟・信勝の母、土田御前役の檀は「織田信長の母でありながら、信長を愛することなく、弟の信勝のほうをかわいがるという冷たい母の役です。信長の心に少しでも暗い影を落とすことになりますよう、精いっぱい努めたいと思います」と柔らかい雰囲気で語った。

 のちの豊臣秀吉となる藤吉郎役・佐々木は「大河に出演させていただくのは2回目で、13年前『風林火山』でこれも戦国の時代でした。1年もかけて一つの役に向き合える、もがけるというのは役者にとってとても幸せなことで、視聴者の方が豊かな1年を過ごせればと思います。昨日大河の豊臣秀吉の役をやられた方をちょっと見てみようと調べると、先輩方がたくさんおりましてですね。歯が痛くなりました。前回の記者発表の時に光秀は死なない気がするとおっしゃっていましたけども、そうはいくまいと思っております」と。

 室町幕府最後の将軍・足利義昭役を演じる滝藤は「大河は『龍馬伝』以来の10年ぶりになります。先ほど脚本家の池端先生とお話しさせていただいたんですけど。池端先生が足利義昭とても思い入れがあると、すごい役だとおっしゃられたので、もはやプレッシャーしかありません。僕は撮影には参加させてもらってないんですけど、4K撮影でとても大変だと。もちろんいいものを作るために4Kで作ってらっしゃるんですが、とても大変で時間がかかってるとおっしゃっていたので、僕が参加するころには改善していることを願うばかりです(笑)」と話し、会場を笑わせた。

 また、主演の長谷川について「今日初めてお会いしたんですけど、とてもすてきな俳優さんだなと拝見しておりましたし、同い年なので今から長谷川さんとセッションできるのがとても楽しみでなりません」と期待の言葉をかけた。

 将軍足利義輝・義昭に仕える家臣の三淵藤英役を演じる谷原は「乱世の時代いかに戦を避け、平和な時代を築くために終始奔走し駆けずり回る役だと思っております。そんな中、光秀と一緒に歩みます。頑張って撮影していきたいと思うので、皆さんよろしくお願いします」と。

 光秀の生涯の盟友である細川藤孝役・眞島は「そうそうたる役者陣の一員に立たせていただけることを大変光栄に思っております。細川藤孝という人は一流の文化人の側面もあるということで、自分にとってはまた一段とハードルの高い役柄だなと思っておりますが、最後まで一生懸命勤め上げたいなと思っております」と語った。

 若き光秀に影響を与え、戦国三大梟雄の一人・松永久秀役を演じる吉田は「僕自身が歴史好きで、戦国が特に好きなんですね。どうして信長を裏切ったのか、どうして信長を討とうと思ったのかっていうのが本当に謎に包まれているし、そういう事実があったとしても、光秀の心情がどうしてそうなったのかってところや、長谷川君が信長を裏切る光秀をどういう風に演じていくのかっていうのが、出演者なんだけども見る側としての興味があります」と長谷川への期待を語った。

 自身の役については「突出した歴史の有名な人たちに比べれば知名度は低いんですけど、なかなかあくの強い、個性の強い、最後まで信長に盾を突くっていう気骨のある人の役で。あんまり戦国時代の中で登場してこない、クローズアップされない、いろんな人が演じていないので、そういう意味ではいろんなことが試せるのではないかと。またコアなファンもいると思うので、その方々の期待を裏切らないように、さらに上をいくように松永を作らないといけない、そういう風に思っております」と役への愛を語った。

 長谷川は「撮影も3週目に入りますが、白熱しております。とにかく素晴らしいキャストの皆さんに集まっていただきまして、今までなじみの深い方もいらっしゃいますし、共演初めての方で日ごろから仲良くしていただいてる方もいらっしゃいますが、すごく楽しいです。戦国時代というのは、泥がかかったり、血のりがあったり、甲冑を着たりで大変です。夫婦円満でラーメン作っていた時代が懐かしいなとすごく思っている3週目でございます。チームで一丸となって頑張っていきたいと思っています。すごく現場は楽しいです。これからも頑張りますのでよろしくお願いします」と笑顔を見せた。

 木村は、光秀を支える妻・煕子を演じるあたり「長谷川さんとご一緒させていただくのは2度目になるんですよね。1度目の時も今回も、決してハッピーエンドというわけではないので、それまでの時間を大変ご多忙なご様子なので、役者としても役としても、そばにいて支えることができたらなと思ってます」と。

 それに対し長谷川も「(前に共演したのは)13年くらいですかね?その時も夫婦になりましたよね。離婚しましたよね。役の中で今回はすごく円満な関係なのでうれしいです。木村さんはますます女優としてのオーラが出てきて、今回ご一緒させていただけるのは楽しみです」と。

 秀吉をどのように演じたいかと聞かれた佐々木は「どう演じるかは分かんないですね。そうですね、私は…申年、です(笑)。そして、私の京都の実家がですね、豊臣秀吉の自宅内、大きな屋敷の、そのわずかな敷地に家があります。そういう深い縁がございまして。そこで何とか役を作ろうかなと思っています(笑)。今私、藤吉郎役なんです。名字がないんですよね。ここから光秀さんとも同志でありライバルになっていく、その過程で光秀さん、そして周りの皆さんと一緒に作っていけて、助けていただけたらと思います。ご縁と周りの方々と作っていこうと思います」と。

 主人公・明智光秀のイメージと、作品に対する楽しみにしていることを聞かれた新キャストは「皆さんご存じのように長谷川さんで、それはもう素晴らしい光秀になると思います!僕も楽しみでなりません」(滝藤)、「本能寺の変で信長を討った光秀。そこにスポットが当たって、今回1年間大河の物語として描かれるというのは、本当に私自身としても国民の皆さんもすごく楽しみにしてると思います。ダークなイメージがあると思うんですけど、その光秀を爽やかな長谷川さんがどのように演じるのか、すごく私も楽しみにしてます」(檀)と長谷川への期待が多く上がった。

 それを聞いた長谷川は「そんな期待をかけられるとプレッシャーですね。でも今そう言われて、少し何となく明智の気持ちが分かったような気がします。やっぱりいろいろな重圧の多かった人だと思いますし、今僕もなぜあんなことしたのか、ずーっと毎日考えてるような状況なんですけど。本当に期待していただいて構いません。すごいものを見せられると自信をもって言います。見せます!」と熱く語った。

 さらに、本作の語りが、2020年5月に13代目市川團十郎白猿を襲名する市川海老蔵に決定。起用理由を制作統括の落合将は「今回、2020年ですし、若々しいエネルギッシュな語りが欲しいということで、私や演出などと話しまして、そこでしっかりとした歌舞伎俳優の海老蔵さんならエネルギッシュな語りと披露してくれるんじゃないかなという風に思いまして。語りをCMなどでやっていまして、それを聞いたうえで、歌舞伎俳優ならではのシュッとした語り口がすごく重厚なドラマに合うんじゃないかとお願いしたら、まさかの引き受けてくれて。お忙しい時にダメ元で聞いたんですけど、お引き受けいただいて大変うれしい限りです」と明かした。