• Twitterでツイートする
  • Facebookでシェアする
  • LINEで友達に教える

宮本亜門がDRUM TAO新作舞台『百花繚乱 日本ドラム絵巻』を語り尽くす

 DRUM TAO『百花繚乱 日本ドラム絵巻』の東京公演に先立ち、7月2日に本作舞台の構成・演出を手掛けた宮本亜門を囲んでの合同取材が行われた。本公演は5月10日より佐賀市文化会館を皮切りに全国公演がスタート。東京公演は天王洲・銀河劇場で7月16日から26日まで計16公演を予定している。

『百花繚乱 日本ドラム絵巻』は、世界で650万人を動員し、結成から22年を迎える「DRUM TAO」が、初めて外部から演出家を招いた新作舞台。合同取材では、宮本がDRUM TAOとコラボレーションすることになったいきさつ、舞台が出来上がるまでのことなどを熱く語った。また、本作が来年、NYオフブロードウェイでの公演が決定したことについても、意気込みを明かした。

――DRUM TAOの演出をすることになったいきさつは?

 実は海外に行ったとき、ポーランド、シンガポール、エジンバラなどでDRUM TAOの名前を見ていたのですが、日本のカンパニーだと思っていませんでした。その後、舞台を見せていただいて、東京にいて何回も公演が行われているのに知らなかったのを反省しました。エネルギッシュで、ショーとしてとても面白いものでした。ストイックな太鼓集団というよりも、おおらかで楽しい太鼓集団で、一曲一曲のイメージがふくらむようでした。ぜひ(演出を)というお話をその場でいただいたのですが、少し時間をいただいて、過去の作品も見せていただき、彼らの持っているイメージをつなげながらつくっていけたら、と思いました。私が強制するのではなく、TAOのもつ作品に合わせながら1つの作品にしていければと。
 僕は若いときから日本のものが好きで、日舞やお茶をやっていて、いつかそういうものを演出したいと思っていたのですが、なぜかミュージカルになってしまい、オペラなど西洋の論法を勉強しながらやってきたのですが、原点回帰をしたいという思いがちょうどあった時期でした。「金閣寺」や「耳無し芳一」など日本文学を取り上げてきたところで、このお話をいただきましたので、よしやろう、と。私の人生でこんなに早く決めて、こんなに早く稽古に入ったのは初めてでした(笑)。ちょうどスケジュールが合ってしまったんです。それで、阿蘇にあるTAOの稽古場に行くところから始めました。

――和太鼓の演出をするにあたって意識したポイントは?

 和太鼓がずっと好きでしたが、このTAOの魅力を壊したくない、というのがあって、ドラマを入れることがいいのかどうか、ずっと自問自答しました。元々TAOが持っていた太鼓の表現が面白かったんですが、いろいろな太鼓があって、音色は一色ではなく、人間の鼓動だったり、火山のマグマだったり、雷の音、せつなさ、水のしたたりなど、全部太鼓でできるんです。その情緒性を大切にしたいと思いました。
 台本を決める前に、まずTAOのメンバーにこれまでのどんな作品が好きかを聞きました。何人かから挙がったのが、東北の震災があった後の作品でした。被災地から来てくださいと言われたときにつくった作品で、人を勇気づけるとか、生きる活力を与えるとか、思いが入っていたので、これがやっぱり必要なんだ、と思いました。もっと元気を出していこう、と人間に活力を与えるものが太鼓にはあるんだ、と思ったんです。実際に、人間はここまで頑張れるんだ、とか、命を削ってやっているやつがいる、というのが必要なのではないか、それを大切にしたいと、最初に思いました。
 (この作品に)あえて天変地異という要素を入れたのは、日本がくり返してきた天変地異の時期にいま我々はちょうどいる。我々は自然のおかげで生きていられるし、つらいことがあろうとも、明日に向かっていけるんだ、という活力を出したいというのが、最初のイメージです。
 太鼓のエネルギー、いろいろな表現、いまの時代だからこその内容。セリフのないノンバーバルな舞台だから自由に解釈してもらえるように、これまでのTAOとは違う色を出したいというのが意識したところです。

――TAOは太鼓を叩くという動き、アクロバティックな動きなどはこれまでやってきたと思いますが、物語を見せる動きというのはどのようにつくっていったのでしょうか?

 太鼓を叩いているときの意味合いをプラスしていきました。例えば、自然の怒りみたいなものを表現するときは、自分たちがマグマになったように怒りを持って叩いてごらん、とか、親が死んだ後の少年の思いを思いながら叩いてみたら、とか、感情を入れていったんです。これまで(の作品で)はそういうことは一切なくて、譜面があって、そのリズムの中で強弱をつけたりして叩いていた。今回は、具体的な感情を入れ込むということを足がかりにしていきました。それがリンクしたときに、本人たちが思った以上に入り込んでいきました。

  • Twitterでツイートする
  • Facebookでシェアする
  • LINEで友達に教える