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「溌剌と演じられるうちに」中村吉右衛門主演『鬼平犯科帳』あと2作でフィナーレ

鬼平犯科帳「山吹屋お勝」(2005.2.8放送)

 連続ドラマ、スペシャルドラマとして放送されてきた中村吉右衛門主演の人気時代劇『鬼平犯科帳』が、あと2作の放送をもってフィナーレを飾ることが明らかになった。

 江戸時代後期、盗賊・凶賊たちから「鬼の平蔵」と恐れられた、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵を描いた池波正太郎の「鬼平犯科帳」(文春文庫刊)。この人気時代小説を原作に、1989年7月に中村吉右衛門主演でドラマがスタートしてから、2001年5月まで連続ドラマとして全137本、単発のスペシャルドラマとして11本、計148本が放送されてきた。時代劇ファンのみならず、多くの視聴者を魅了した『鬼平』が、今年12月18日(金)放送の『鬼平犯科帳スペシャル 浅草・御厩河岸』(シリーズ149本目)、そして来年2016年夏に撮影予定、2016年末から2017年初頭に放送予定の『鬼平犯科帳スペシャル』(前後編2本/シリーズ150本目)をもって終了する。

 今回の決定は、ドラマ『鬼平犯科帳』の制作にあたって、これまで「原作にないものはやってくれるな」という原作者・池波正太郎の遺言を守り、映像化可能と思われる作品をすべて使用した後は、複数の原作を組み合わせたり、過去に1時間ドラマとして放送した内容にアレンジを加え、2時間のスペシャルドラマとして放送したりという工夫を重ねてきたものの、近年ではその作業も限界を迎えてきていたことが大きな要因となっているという。

 また、来年2016年夏に撮影予定、2016年末から2017年初頭に放送予定の『鬼平犯科帳スペシャル』(前後編2本)が、シリーズ150本目という大きな節目にあたること、さらには中村吉右衛門主演の『鬼平犯科帳』を理想的な形で終了し、有終の美を飾りたいという思いが決定を後押しした。

 中村吉右衛門は「長いようで短かったです。多くの役者さんに出演していただいて、感謝しております」と語り、「原作に描かれているような人物のまま演じられたらいいなと、常々思いながら演らせていただいておりました」と。

 また、これまでのシリーズの中で、最も印象に残っている作品について、1989年7月放送の第一シリーズ・第一話『暗剣白梅香』を挙げ、「長谷川平蔵は、自ら行動する人物として描かれています。まだ若かったのですが、体力の限界まで使い切った作品です。その思いが強く残っております」と語った。

 亡くなって今年で25年となる原作の池波正太郎については「実父の八代目松本幸四郎の『鬼平犯科帳』に、平蔵の息子・辰蔵役で出演させていただいた際に、先生にご指導いただきました。その後、40歳になった時に、『鬼平犯科帳』のお話をいただいたのですが、まだ年齢的に若かったですし、どうしても実父・八代目松本幸四郎の『鬼平犯科帳』のイメージが強かったもので、今考えると本当に失礼な話なのですが“できません”とお断りをしてしまいました。それでも5年もお待ちいただいて、45歳の時に改めてお話しをいただき、長谷川平蔵も45歳で火付盗賊改方に就任したこともあり、やらせていただいた次第です。放送が終わって池波先生に“どうでしたか?”とお電話をさせていただいた際には、先生から“いいよ、良かったよ”とおっしゃっていただきました。私のことを大変気遣って下さって本当にありがたかったなぁと、いつも思い出します」と振り返り、もし池波先生がお声をかけてくださるとすれば?との問いに「“ご苦労さま”と言ってくださるのではないでしょうか」と語った。

■中村吉右衛門 あいさつ文

平素より格別の御贔屓をいただき、誠にありがとうございます。

この度、27年に渡り制作されて参りました『鬼平犯科帳』が、来年の撮影、放送をもってフィナーレを迎えさせていただくことを、ここに御報告申し上げます。平成の年号とともに産声をあげました当ドラマシリーズでございますが、ここまで長きに渡り、沢山の作品をお送り出来ましたのも、ひとえに多くの皆様から厚いご声援を賜ったからこそでございます。心より厚く御礼申し上げます。

思えば、物語の長谷川平蔵の年齢と同じ45歳で原作者の池波正太郎先生から作品をお預かりして四半世紀、大変魅力的な“鬼の長谷川平蔵”という役に、真摯に、そして一所懸命に向き合って参りました。私が常に意識しておりましたのは、原作で描かれる平蔵自身の行動力、生き生きと切れのある立ち回り、市中を駆け巡る軽やかさ、そして静かな中に見せる人情味でございます。それこそが、“鬼平犯科帳の真髄”との考えだからこそでございます。鬼平を溌剌と演じられるうちにフィナーレを迎えるのが最善と思い、来年の撮影で記念の150作となるのを期に決断致した次第です。

これまでを振り返りますと、本当に様々な場面が思いだされますが、江戸家猫八師匠や高橋悦史さん、真田健一郎さん、蟹江敬三さんなど、27年の間に鬼籍に入った大切なキャストやスタッフもおり、改めて月日の流れを感じます。長きに渡り鬼平犯科帳を演じてこられたのも、視聴者の皆様のご声援、キャストやスタッフの皆様のご協力、フジテレビ並びに松竹の関係者の皆様のご尽力があってこそでございます。改めて感謝申し上げるとともに深く御礼申し上げます。

来る12月18日の放送を含めて残り2作。有終の美を迎えられるよう、これからも精進して参ります。ありがとうございました。

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