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米国トップクリエイターたちもうならせる…ドラマ『リターンド』の魅力とは?

(c)2012 HAUT ET COURT TV

 国際エミー賞を受賞し、ハリウッドでもリメイクされた話題のフランスドラマ『リターンド/RETURNED』のDVDが、3月23日(水)にリリースされる。欧州ドラマの相次ぐ日本上陸にあたり、現在のドラマ市場についてのレポートが届いた。

「怖くてセクシー。少年ヴィクトルは悪い夢に出てきそうだ」。TVドラマ「リターンド/RETURNED(原題:Les Revenants)」について、巨匠スティーブン・キングは 、当時始めたばかりだったツイッターで早速つぶやいた。

『リターンド/RETURNED』はフランス製作のミステリードラマである。フランスの小さな町を舞台に、蘇ってきた死者と、それを迎え入れる人々の葛藤が描かれる。

 フランスを含むヨーロッパ系の作品は、見る者の感性によって感じ方が違ってくるような、曖昧な余韻を残す作品が多い。映画なら、アカデミー賞とカンヌ映画祭の受賞作を比べれば一目瞭然。万人が同じように感動できる、わかりやすさが第一の米国作品に対し、ヨーロッパ作品はアーティスティックで、見る者の感性に訴えかけるようなところがある。とりわけ、フランスが得意とするのは恋愛もので、セリフよりも「間」を重視し、人間の日常やエロスをリアルかつ詩的にとらえることに長けている。

『リターンド/RETURNED』もそうした流れをくんでいる。空気感のある映像は本作の見どころの一つで、リアルで繊細な演出が特徴だ。しかし、ミステリードラマとしてのエンターテイメント性も備えており、それはストーリーに表れている。謎が謎を呼ぶ展開は、ある意味「いま風」だが、ネタ出しと解答のテンポが良い。

 このスタイルの代表といえば『LOST』である。次から次へと投げかけられる謎に視聴者はクギづけになったが、張った伏線の量の割に、解明されるものが少なく、追いかけるのが大変という声もあった。

『リターンド/RETURNED』でそれはない。なぜなら、フランスのTV業界では、シーズンすべてのエピソードの脚本を書き終えてから撮影に入るのが条件だからである。米国では複数の脚本家を立て、脚本執筆と撮影が並行している。結末の細部が確定しないうちに作り始めてしまうので、ネタによっては整合性を欠く場合もあるというわけだ。

 本作製作のファブリス・ゴベールも、ほかの脚本家を交えてはいるものの、シーズンがまとまってから撮影に入っている。脚本にはこだわりがあるらしく、番組としての商業的成功より、ストーリーにとってベストの内容を常に模索しているという。

 小さな町の不思議な事件という設定は、『ツイン・ピークス』を彷彿とさせるが、ゴベール自身もシリーズのファンの一人であり、影響を受けたことを認めている。劇中に登場する「レイク・パブ」はロケ地にあったパブを改装せずにそのまま使用しているが、ゴベールは建物を一目見て、『ツイン・ピークス』を連想した。しかし、それとは違うドラマを作れる確信があったという。全体の雰囲気だけでなく登場人物も同じで、たとえばシモン(ピエール・ペリエ)は、オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」のイメージだ。

 番組は、米国で放送されると反響を呼んだ。『LOST』のプロデューサーを務めたカールトン・キューズによって米国版リメイク『ザ・リターン』も、すでに製作されている。近年、米国のクリエイターたちは海外作品に注目している。米国ドラマは質、量ともに充実し、いまや一つの頂点に達したといえるが、その先を求められている彼らは、米国外の作品からヒントを得ようとしている。つまり、米国のトップクリエイターたちをうならせる魅力が、本作にはあるということだ。

 フランスお得意の詩的な作風に、米国由来のエンターテイメント性。『リターンド/RETURNED』はそのハイブリッドといえるかもしれない。

【商品概要】
『リターンド/RETURNED』3月23日(水)リリース
・DVD-BOX 9,800 円(税抜)
・レンタルDVD①~④ (各巻2 話収録)

発売元・販売元:アミューズソフト

(c)2012 HAUT ET COURT TV

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