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アニメ史に残る名作『アイアン・ジャイアント』に託された監督の思いとは

91182_01_r 1999年に製作・公開され、アニー賞9部門に輝いた『アイアン・ジャイアント』に幻の2シーンを追加収録、さらにリマスターを施した『【初回限定生産】アイアン・ジャイアント シグネチャー・エディション』を12月7日(水)発売。公開から17年たった現在も色あせない名作『アイアン・ジャイアント』の作品の魅力や、人気の秘密を映画評論家・町山智浩が解説。

『アイアン・ジャイアント』は『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』『トゥモローランド』などの監督、ブラッド・バードの長編デビュー作。1957年、ソ連の人工衛星スプートニクの打ち上げ成功によって、アメリカ人たちが核攻撃の恐怖におびえたころ、迷子の巨大ロボットとホーガス少年が友情を結ぶ。
『アイアン・ジャイアント』は興行的には成功しなかったが、映画ファンの間でカルト的な人気を呼び、雑誌「映画秘宝」の年間ベストテンでは4位にランキングされた。
 アメリカでも2002年から繰り返しテレビ放送されて感動した人々を増やしていき、今ではアニメ史上の名作の1つに数えられている。
 今回、シグネチャー・バージョンとして、当初入るはずだった2つのシーンが新たに追加された。1つはダイナーでウエイトレスとして働くホーガスの母と、ホーガスの理解者であるビートニクスのディーンが語らう場面。それに、アイアン・ジャイアントの夢だ。鹿殺しを見た晩、ジャイアントは夢を見る。それを今のテレビで受信してブラウン管に映し出す。ジャイアントがほかのロボット兵とともにどこかの惑星を侵略し、核爆弾で滅ぼす。それはただの悪夢ではない。ジャイアントの過去の記憶だ。このシーンが復活したことで、ジャイアントがクライマックスで核ミサイルに突っ込んでいく意味がさらに深くなる。それは彼が犯した罪の償いだったのだから。
 戦争の道具として作られたジャイアントだが、ホーガスが読ませてくれたコミック・ブックのスーパーマンのように人々の役に立ちたいと願う。なりたいものになる、というテーマは、その後のブラッド・バードの作品にも共通する。『Mr.インクレディブル』はスーパーヒーローが法律で禁じられても、やはりヒーローとして戦う。『レミーのおいしいレストラン』のレミーはドブネズミだが、料理が大好きで一流のシェフになる夢をあきらめない。
 バードは大作『トゥモローランド』で失敗したが、次作『Mr.インクレディブル2(原題)』で必ずや復活するだろう。アイアン・ジャイアントが帰ってきたように。

12月7日(水)発売
【初回限定生産】アイアン・ジャイアント シグネチャー・エディションBlu-ray スペシャル・セット
4990円+税

©1999 THE IRON GIANT and all related characters elements are trademarks of Warner Bros. Entertainment Inc.

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