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バレリーナ・上野水香「苦悩、努力、汗みどろな姿が分かる」N・ポートマンの夫ミルピエが手掛けるバレエ界の裏側に共感

93889_01_r 天才振付師と名高いバンジャマン・ミルピエに密着したドキュメンタリー映画「ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~」が、12月23日(金・祝)より全国順次公開。これを記念して、スペシャル・トークイベントが開催され、東京バレエ団プリンシパル・上野水香と舞踏評論家・岡見さえが登壇した。

 世界最高峰の芸術を提供し続けてきたバレエの殿堂“パリ・オペラ座”が舞台とした本作。ナタリー・ポートマンの夫としても知られ、史上最年少で“パリ・オペラ座”の芸術監督に就任した振付師・ミルピエの新作完成にいたる40日間に密着したドキュメンタリー映画となっている。公式プロデュース作品でしか成しえないオペラ座のバックステージを、スタイリッシュかつ圧巻の映像美で描く。

 ひと足早く映画を鑑賞したという上野は「芸術監督に就任したミルピエが、これまでのオペラ座を変えていこうと挑む姿、ダンサーたちと創作に励む苦悩や情熱が本当に印象に残った」と感慨深げに語り、岡見も「ミルピエがほとんどたった一人でオペラ座に立ち向かっていく人間ドラマ。ミルピエが新しく吹き込んだ風と共に、若手ダンサーたちの美しい演技が見どころ」と続いた。

 パリ・オペラ座の芸術監督は、オペラ座バレエ団のレパートリーや年間プログラムの企画、唯一試験による昇進でないエトワールダンサーの任命権などを持つ、極めて重要なポストとされる。岡見は「オペラ座に結びつきの強い人物や、高名なエトワール(最高位)が引退して職に就くことが多い中、ミルピエのようなアメリカでキャリアを積んだ、外部の人間が抜擢されるのは異例のこと。彼が学んできたアメリカ流バレエの考え方がもたらす”革新”を期待されたのでは」と分析。また“もしミルピエのような人物が監督になったら?”と尋ねられた上野は「踊り手にとってはありがたいかも。作品の中でとにかくミルピエはダンサーに対して愛情深い人物。少しでも調子の悪いダンサーがいれば体調を気づかったり、ダンサーたちの為に床を張り替えたり…」とコメント。

 階級にとらわれず、ミルピエ自身の審美眼により見いだされた若手ダンサーたちの名演が光る本作においての“一押しダンサー”について「オペラ座初の黒人ハーフダンサー、レティツィア・ガローニが印象的。恵まれた資質を持っていてもこれまでのオペラ座では前に立てなかったかもしれない彼女が、ミルピエによって『ラ・フィユ・マル・ガルデ』の主役に抜擢され、エレガントに踊りきるドラマティックさに感動」と語る上野。さらに、「誰と組みたいかなという目線で見ると、断然、背が高くて力強いユーゴ・マルシャン!」とラブコールを贈り、会場を湧かせた。

 最後に、上野は「バレエの世界はとても華やかで美しくて素敵だけれど、その裏でみんなダンサーたちは苦悩し、努力し、汗みどろになって舞台を作り上げていることがわかる作品。彼らの新しい作品に対する希望や不安の感情が入り乱れ大きなドラマになっている。観終わった後に、“情熱をもって生きていこう”と感じるはず!」とメッセージを送った。

映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』
12月23日(金・祝)Bunkamuraル・シネマ ほか全国順次ロードショー

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