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【高校サッカーレポート】國學院久我山(東京B)×松山北(愛媛) 美しい7ゴール

2009年1月2日(金) 22時14分 第87回全国高校サッカー選手権大会 2回戦
1月2日(金)/12:05キックオフ/東京都・西が丘サッカー場/観客4211人/試合時間80分
國學院久我山 7-1 松山北(前半2-1、後半5-0)
■得点者
(國學院久我山)川久保2、田邊、松村、森藤、石尾、河村
(松山北)続木

久我山、美しく7ゴール、1・2年軍団松山北も健闘

 1回戦で佐賀東が7−0で東海学園を下した西が丘サッカー場で、またしても大量得点試合が生まれた。「地元」東京B代表の國學院久我山が、大応援団の前で素晴らしいサッカーを見せて、松山北に勝利した。

 「エキサイティングなサッカーを見せたい」──全国大会出場を決めたときに語った、國學院久我山を率いる李斉華監督の言葉だ。李監督が思い描くのは、高いスキルをベースにパスワークと個人技をミックスさせてゴールに迫っていく、攻撃志向の高いサッカーである。そんなサッカーを全国の舞台で見せることが大きなテーマだった。

 プラス、李監督の中には「勝たなければいけない」という気持ちもあった。1回戦で東京A代表の帝京が広島皆実にPK負けを喫した。「東京のチームがどっちも1回戦敗退なんてなったら、枠を減らされちゃうかもしれないでしょ(苦笑)」。

 東京はこの大会の中で「2枠」が与えられている唯一の地域だ。しかし、昨今はJクラブのユースに優秀な人材を取られることや、各学校に戦力が分散することが響いて、期待を受けながら早い段階で姿を消すことが多かった。過去5年での最高成績は前回大会で「都立旋風」を巻き起こした三鷹のベスト8である。

 今日の2回戦から登場した國學院久我山には、自分たちのサッカーを見せることはもちろん、東京の強さを見せるという2つのミッションが課されていたのだ。

 序盤こそ松山北の縦に早い攻撃に何度かピンチを招いた國學院久我山だったが、「ほとんどボールを取られない」と李監督も絶対の信頼を置くボランチの(7)松田浩太を中心に、次第にゲームの主導権を握っていく。

 12分、FC東京入団内定の(10)田邊草民が(11)川久保悟とのワンツーでDFラインを突破して、GKとの1対1を落ち着いて決めて待望の先制点をゲットした。

 数多くのタレントをそろえるチームの中にあっても(10)田邊は“特別な選手”だ。右サイドの高い位置でボールを持てば、緩急の変化をつけたドリブルで対面する相手をズタズタにする。左足の強烈なシュート、独特のリズム感、シャツのすそをペロンと出すところが、広島の“ドラゴン”こと久保竜彦っぽい。

 ただし、(10)田邊は守備にはほとんど参加しないため、守備時には他の選手へのしわ寄せがくる。それについては李監督は百も承知。「(10)田邊には守備はしなくてもいいから、1ゴール1アシストしてくれといっている」と彼の攻撃力を最大限に引き出すことを最優先している。

 1点を取られた松山北も反撃に出る。このチームは3年生がDFの(10)兵頭陸ただ1人。県内有数の進学校のため、13人いた3年生は、受験勉強のために夏のインターハイ終了後にほとんどが引退。唯一残った(10)兵頭は兵頭龍哉監督の実の息子でもある。まさしく「親子二人三脚」でチームをここまで引っ張ってきた。

 その松山北の集大成となったのが32分のプレーだ。(11)玉井聡がドリブルで仕掛けて敵を引き寄ると、CBの裏のスペースに走り込んだ右MFの(6)続木崇浩へスルーパス。(6)続木がGKの股を抜くシュートを決めて同点に追いつくと、松山北ベンチは優勝したかのように大喜びしていた。

 ただし、兵頭監督が「1点取って久我山を本気にさせちゃった」と苦笑いしたように、「フワフワした感じだった」(李監督)國學院久我山からこの失点以降、素早いプレスを受け、仕掛けの連動性もグンと高められてしまった。特に後半は、(7)松田を中心としたボール回しでスタミナを奪われ、足が止まったところを狙われて5失点を喫してしまった。

 松山北の46年ぶり2回目の高校選手権は終わった。それでも、「高校サッカーに関わって初めて『またやろう』という気になった」と兵頭監督は前向きに語った。来年以降も「基本的には3年生はインターハイで引退」となるが、全国の舞台で得た財産を新しいチームに還元することができれば、次の出場は「何十年ぶり」にはならないはずだ。

國學院久我山・李斉華監督
「ある程度点数は取れるんじゃないかと思っていた。チームの課題は緊張感がないこと。今日も立ち上がりはフワフワしていた感じだった。これはいつものことなんですが。後半はよかったんじゃないか。高校サッカーにはたくさんの人が見に来てくれるので、いいサッカーを見せたい。『ああいうサッカーをしたい』と子供たちにあこがれられるようなチームになりたい。僕たちは高校選手権で1回しか勝ったことがない学校ですから、目標は一つ一つ頑張るとしかいいようがありません」

松山北・兵頭龍哉監督
「1点取って久我山を本気にさせちゃった(苦笑)。1-7という点数通りの差があったと思います。1学年違うというだけの差ではなかった。ミーティングでは声を出すこと、走ることを最後までやろうと話していた。走るのは相手にほんろうされてできなかったけど、最後まで(兵頭)陸などが声を出してくれた。高校選手権に出場したことで『松山北』という名前が残るのは喜ばしいこと。愛媛のサッカーをしている子どもたちは、松山北みたいな学校でも全国に出られるんだと思ってくれたはず。それは愛媛サッカーのいろいろな活性化につながる」

取材・文:北健一郎(ストライカーDX編集部)


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