【高校サッカーレポート】國學院久我山(東京B)×那覇西(沖縄) 日本のバルサ!?
2009年1月3日(土) 21時13分
第87回全国高校サッカー選手権大会 3回戦
1月3日(土)/12:05キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客5253人/試合時間80分
國學院久我山 7-1 那覇西(前半4-0、後半3-1)
■得点者
(國學院久我山)田邊3、川久保3、松村
(那覇西)仲田

日本のバルセロナ!? 見て、やって楽しいサッカー

昨日の2回戦で松山北に7−1で大勝した國學院久我山は、一夜明けた今日、全く同じスコアで那覇西を破ってみせた。2試合で14ゴール。(10)田邊草民と(11)川久保悟は2人で仲良くハットトリックを達成した。

國學院久我山は立ち上がりから積極的に仕掛けていく。キックオフプレーで(8)森藤一平が左からクロスを上げる。その2分後、(18)松村和磨のパスで左サイドの裏を取った(8)森藤が今度はグラウンダーのボールをゴール前へ。これをファーサイドで(10)田邊がつめた。

21分、(11)川久保が(18)松村とのワンツーから2点目を決めると、27分には(7)松田浩太のクイックリスタートから(10)田邊→(11)川久保とつながり3点目。次々と那覇西のゴールネットが揺れていく。32分には(18)松村のゴールで4−0。

後半は10分に那覇西(10)仲田一斗のシュートで1点を返されたが、5分後に(10)田邊のゴールで再び4点差にすると、22分にはゴール前のクロスボールをDF とGKがお見合いしたところを(10)田邊がかっさらって6点目。締めくくりは(10)田邊と(11)川久保のダブルワンツーから、(11)川久保がシュートを突き刺した。

バルセロナみたいだ。

國學院久我山のゴールラッシュをスタンドでながめながら、漠然とだがそんなことを思っていた。ピッチを広く使ってボールを回して、ワンツーやドリブル突破でアタッキングサードを攻略する。そういったチームとしてのスタイルはもちろん、選手の個性もバルセロナと微妙に重なるのだ。

戦術眼とキック精度が光るボランチ(7)松田は昨シーズンまでいたデコそのものだし、彼の相棒の(9)石尾潤は攻撃時にゴール前まで上がるところがシャビ似。ドリブルも汗をかく仕事もできる左の(8)森藤はイニエスタか。となれば、右から破壊的ドリブルを繰り出す(10)田邊はメッシになるだろう(昨日のレポートで久保っぽいと書いたばっかりだが……)。

まーとにかく、國學院久我山のサッカーは出色のオモシロさなのである。チームのカラーとしては高校サッカーというよりはクラブ寄り。李済華監督が「クラブユース出身の選手が多いので洗練されている」というように、個人技を出すところとパスをつなぐころの判断がしっかりしている。各選手の「止める・蹴る」の基本的な技術が高いため、相手に寄せられても奪われないので、相手は疲労とストレスばかりが溜まっていく。

「FC東京入団ということでソータン(田邊)が注目されているが、ソータンが10人いても勝てない。汗をかける選手がいなければソータンみたいな選手も生きない。運動量が出せる選手がある程度そろったんじゃないかな」と李監督。(7)松田、(9)石尾潤、(8)森藤など走れてうまい選手が中盤にいるところが、このチームの最大のストロングポイントといっていい。

とはいえ、ここまでは「組み合わせに恵まれただけ」という意地悪な見方ができなくもない。自分たちより実力的に下のチームに大勝しただけじゃないかと。全国トップクラスのチームと戦ったときに彼らがどれだけできるのか。そういう点では、1月5日の準々決勝・前橋育英戦が正念場になるだろう。

李監督「月並みですけど自分たちのサッカーをやるだけです」と語る。やっている人が楽しい、見ている人も楽しい、そんな國學院久我山のエキサイティングなサッカーが、名門校&ベスト8の壁を突き破ることができるのか注目したい。

國學院久我山・李済華監督
「2試合連続の7点というのは? 難しいところだけど、点数を取るなといえないしね……(笑)。お客さんは喜んでくれたのでいいんじゃないですか。これを本人たちがどうとらえるかだと思う。春先は4、5点だったのが、7点ぐらいまで来たのかな。戦術理解度も高まってきている。サッカーでいちばん楽しいのは、点を取るところと、相手を抜くこと。ボールを持ったときに相手1人抜けないのでは前の選手としては無理でしょう。相手を抜けないのはGKとCBだけという感じになってきている。(準々決勝について)私たちは相手を研究するということはほとんどやらない。月並みですけど、自分たちのサッカーをやるだけです」

那覇西・松田邦貴監督
「相手の攻撃は素晴らしかったですね。ボールにプレッシャーをかけられなかった。立ち上がりに失点したことで気落ちしたところはある。ただ、逆にいえば時間はまだあったと思うんですが……。國學院久我山はスキルが高くて、ああいうチームとやれたのはよかった。ただうまいだけじゃなくて、泥くさいこともやる。洗練されているというか、質が高い」

取材・文:北健一郎(ストライカーDX編集部)
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