日本アカデミー賞で『おくりびと』が最優秀賞最多10部門受賞!
2009年2月21日(土) 0時37分
日本アカデミー賞協会が主催する、日本最大の映画イベント「2009(第32回)日本アカデミー賞」授賞式が20日(金)、東京・港区「グランドプリンスホテル新高輪」で開催された。賞の選出は、日本国内の映画関係者によって構成される日本アカデミー賞協会会員の投票で行われ、対象作品は07年12月1日から08年11月28日まで東京地区の商業映画劇場にて有料で初公開された映画。

グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール「崑崙」が会場となった「2009(第32回)日本アカデミー賞 授賞式」。開場は午後3時より、授賞式開会は午後4時から行われた。

約1500人を収容した授賞式会場はかなりの広さ。映画祭には定番のレッドカーペットを屋内に、壇上まで敷く演出は今回が初めてだろう。報道関係者・カメラマンまでスーツ、ネクタイ着用というドレスコードありで、招待客のドレスアップした女性たちが続々と来場、会場は一気に華やかなムードに包まれていく。

そしていよいよ監督や俳優、映画関係者がライトをいっぱいに浴びて登場。その中でも黄色い歓声が上がったのは松山ケンイチだった。協会の正賞ではないが、全国の映画ファンによって選ばれる「話題賞」と『デトロイト・メタル・シティ』で、優秀主演男優賞の松ケン人気はすごいと思いきや、発言も群を抜いて面白いというか、めちゃめちゃ率直な言葉で語るものだから、ついに危険発言まで飛び出し会場は苦笑(放送ではやはりカット…)。
彼に負けじと会場を沸かせていたのは、『クライマーズ・ハイ』で優秀主演男優賞、 『容疑者Xの献身』で優秀助演男優賞となった堤真一。男気ありつつ、まじめに語りつつも飾り気のない話術で、何度も会場の笑いを誘っていた。

そんなリラックスした雰囲気が醸し出されるのは、企画から何年もかけて映画に取り組み、難題を乗り越えながらひとつの映画をつくった映画人たちにとっては、アカデミー賞の受賞は“お疲れさま”のご褒美のようなものだからだろう。司会の樹木希林がふっともらした「本当にみんな、映画が好きなんです」にうなずいてしまう。

次々と最優秀賞が発表されるスリリングな時間はあっと言う間に過ぎ、気がつけば下馬評どおりの『おくりびと』が最優秀最多10部門受賞の快挙を成し遂げた。既に各賞を総なめにし、2月23日に決定するアメリカのアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた本作は、山形を舞台に“納棺師”の世界を描いた感動作。

滝田洋二郎監督は「あるとき現場が生き物のように動き出して気持ちよく撮れた。まだまだ撮り続けたい、映画の“おくりびと”でいたい」と語り、企画を持ちかけ、最優秀主演男優賞を獲得した本木雅弘は「すべてのバランスが奇跡的にうまくいって、重くなりがちなテーマを監督は上手に料理してくれました」と。そして本木の義母である樹木希林は「家には“おくりびと”がおりますので、安心して(おくりびと)されます」と粋な言葉を述べると、最優秀賞助演男優賞を獲得した山蕪wが「僕も予約しておきます」とニヤリ。本木は「心を込めて送らせていただきます」と見事に締めた。

既に次の映画に向かっているだろう彼らに再び期待し、素晴らしい作品を見せてほしいと願う。

最優秀賞はじめ各賞は以下のとおり。

〈最優秀作品賞〉
『おくりびと』
〈最優秀監督賞〉
滝田洋二郎『おくりびと』
〈最優秀脚本賞〉
小山薫堂『おくりびと』
〈最優秀主演男優賞〉
本木雅弘『おくりびと』
〈最優秀主演女優賞〉
木村多江『ぐるりのこと。』
〈最優秀助演男優賞〉
山ヵ努『おくりびと』
〈最優秀助演女優賞〉
余貴美子『おくりびと』
〈最優秀アニメーション作品賞〉
『崖の上のポニョ』
〈最優秀美術賞〉
小川富美夫『おくりびと』
〈最優秀撮影賞/照明賞〉
浜田毅/高屋齋『おくりびと』
〈最優秀録音賞〉
尾崎聡・小野寺修『おくりびと』
〈最優秀編集賞〉
川島章正『おくりびと』
〈最優秀音楽賞〉
久石譲『崖の上のポニョ』
〈最優秀外国作品賞〉
『ダークナイト』

〈新人賞〉
小池徹平『ホームレス中学生』
松田翔太『イキガミ』
アヤカ ウィルソン『パコと魔法の絵本』
長渕文音『三本木農業高校、馬術部〜盲目の馬と少女の実話〜』
福田沙紀『櫻の園−さくらのその−』
〈会長特別賞〉
市川崑[監督]
緒形拳[俳優]
〈協会特別賞〉
羽鳥博幸[操演]
鳴海聡[操演]
宮忠臣[ドッグトレーナー]
〈岡田茂賞〉
株式会社スタジオジブリ
〈話題賞〉
[作品部門]『容疑者Xの献身』
[俳優部門]松山ケンイチ『デトロイト・メタル・シティ』

(取材:TVLIFE映画担当・久保真由美)
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