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佐藤浩市×内野聖陽インタビュー「佐一郎と同じように支えてもらった」スペシャルドラマ『LEADERS II』

佐藤浩市×内野聖陽インタビュー「佐一郎と同じように支えてもらった」スペシャルドラマ『LEADERS II』

戦後の日本を舞台に、初の国産車開発に人生を懸けた男たちの生きざまを描いたスペシャルドラマ『LEADERS』。2014年3月に放送され好評を博したこの作品が、国産車開発に邁進する愛知佐一郎と彼を支えた山崎亘たち販売店の交流の物語へと主軸を移して蘇る。本作で初共演を果たした佐藤浩市さんと内野聖陽さんが、過酷を極めた撮影秘話や大人の男としての在り方を語ってくれた。

スペシャルドラマ『LEADERS II』

◆最初に本作のオファーを受けたとき、どう思われましたか?

佐藤:正直、「またやるの?」と思いました。僕の場合、演じ終えた役は穴を掘って埋めてしまうんです。続編がありそうだと思ったらどこかに閉じ込めておくんですけど、佐一郎の場合は前作で死を迎えてましたから。

内野:もう埋めちゃってたんですか?(笑)

佐藤:完全に埋めちゃってました。まだ3年しか経っていなかったから、そこそこキレイでしたけども(笑)。半分冗談ですが、そんな感じで自分の中で区切りを付けた役だったから、どうしようと思ったんです。話としても一回、完結を迎えているわけですし。ただ、内野さんを筆頭に新しいキャストの方々の存在が、いい刺激になりまして。振り返ってみれば非常に楽しく演じることができたと思います。

内野:僕は前作を拝見していて、佐一郎さんの姿に男心をくすぐられまして。「カッコイイ!」と純粋に思ったんです。そんな男たちの一員になれると思うと、馬みたいに鼻息荒くして現場に入りました(笑)。途中から作品に入るというのは難しいときもあるんですけど、今回の場合は浩市さんがすべて分かっているという感じでいてくださったから、安心感がありまして。自然と佐一郎と山崎に近い関係性になれた気がします。

◆愛知佐一郎と山崎亘を演じる上で、どんなことを心がけましたか?

内野:このお話って男のロマンにあふれた話だと思うんです。その最たる人が佐一郎さんという人で、国産車を作るというロマンにあふれた人だったんですね。同じように山崎も国産車を売るという夢を抱いてはいたんですが、販売という立場からしたらある意味、リアリストでなければならないと考えていました。その辺りは佐一郎さんが最初に作った国産車を売るエピソードに出ていますね。「こんな車、6台しか売らねえよ」って。2人の関係性や信頼感を象徴しているようで、気に入っているシーンのひとつだったりします。

佐藤:僕は結局、演じる人は同じわけですし、役へのアプローチはさほど変わりませんでしたね。ただ、ご一緒する人は変わるわけで、相変わらず山崎努さん怖いなと思ったりしながら(笑)、僕自身がそういう状況を楽しんで演じられたところはあります。たぶん佐一郎もこんなふうに周りに支えられながら、国産車を作っていったんでしょうね。

スペシャルドラマ『LEADERS II』

◆日本各地や上海でも大規模なロケを行いましたが、印象的だったことはありますか?

内野:僕は今回、初めての上海ロケだったんですが、まず規模の大きさに驚きました。街中にチンチン電車が走っていたりして、昭和の名古屋の風情を完全に再現しているんです。そんな中、中国人のエキストラさんたちに囲まれて自分たちがいるというのが、何とも不思議な感じがして。またエキストラさんがやる気ないんですよ。

佐藤:中国のね、そうそう(笑)。

内野:いろんな作品に出ているからか、すっかり撮影に慣れきってるんですね。またそれを怒鳴り飛ばしている中国人のスタッフさんが怖いんです(笑)。国内のロケもやっぱりすごくて、本当にこんな工場をよく探してきたなとというところで撮影をさせていただいて。

佐藤:奈良の東大寺なんて普通、使わせてもらえないよね。そういう場所に行けて本来なら余韻に浸ったりもできるんでしょうけど、この作品はそんな余裕もなく。

内野:本当、よく新幹線に乗りましたね。最初のうちは窓から富士山を見えると感動していたのが、だんだん何の感慨もなくなり(笑)。

佐藤:移動に次ぐ移動、という感じで(笑)。キャストもスタッフもあれだけ大変な思いをしたんですから、それは絶対画に出てると思います。

◆本作はある意味、大人の男の生きざまを描いていますが、お2人が大人の男性として、また大人の役者として心掛けていることはありますか?

佐藤:不条理な言動を目の当たりにするとすぐ顔に出ちゃうタイプなんで、あまりイライラしないようにしてます(笑)。ただ、大人になり過ぎちゃうと今度は芝居がつまらなくなってしまうんですよ。だから虚の部分では大人にならず、実の部分はちゃんと大人でいるってことが、本来は正しいんでしょうね。

内野:その話、分かるところがあります。社会生活を営んでいると大人にならざるを得ないけど、僕もそういう自分が嫌だったりするんです。それよりはむしろやんちゃであったり、ちょっと子供っぽい意地悪さを大事にしたかったりする。やっぱり人間が見てみたいと思うのは人間の毒や闇、裏側ですし、それを表現するのが役者だと考えると、大人になり切らないことが大事なのかなと思ったりします。

スペシャルドラマ『LEADERS II』

◆この物語が平成の今、放送される意味をどのあたりに感じていますか?

内野:この物語が描かれた頃の日本は、アメリカ車が市場の90%を占めていました。だから佐一郎さんのような人たちは常に「アメリカに追いつけ追い越せ」という気持ちを持っていて、それを前に進むエネルギーに変えていたんです。情報やモノが溢れた現代は当時のアメリカのような分かりやすい敵はいないけども、よく探せば敵は見つかるし、それを弾き飛ばそうとする力に変えられるんじゃないかなと。まずドラマとしてワクワクするものではあるんですけど、どこかそんなことも示唆してくれる作品だと思います。

スペシャルドラマ『LEADERS II』佐藤:この作品は言うなれば“ちょんまげを結ってない時代劇”なんです。現代の人が武士の生きざまを本当の意味では理解できないように、佐一郎や山崎たちがどうしてここまで熱くなれるのかを理解するのは難しいんですね。でも、それでいいんです。生きているモチベーション、突き動かされるものが違うわけですから。ただ、まったく違う世界のものを見るのではなく、どうしてなんだろうって思いを投げかけ、自分自身にフィードバックしていいと思うんですね。これから先、どういう世界になるかも分かりませんし、自分には分からないことの意味を考えるのも大事な気がしています。

 

■PROFILE

佐藤浩市×内野聖陽インタビュー佐藤浩市●さとう・こういち…1960年12月10日生まれ。東京都出身。A型。最近の出演作にドラマスぺシャル『狙撃』『ハッピー・リタイアメント』、映画「64-ロクヨン-前編/後編」「続・深夜食堂」「起終点駅 ターミナル」など。6月3日(土)に公開を迎える映画「花戦さ」では、千利休を演じている。

内野聖陽●うちの・せいよう…1968年9月16日生まれ。神奈川県出身。AB型。最近の出演作に大河ドラマ『真田丸』、映画『海難1890』など。主演舞台「ハムレット」が4月9日(日)から東京芸術劇場・プレイハウスを皮切りに兵庫、高知、福岡、長野、愛知で公演。また映画「一茶」が2017年公開。

 

■作品情報

『LEADERS II』
TBS系 3月26日(日) 後9・00~11・24

出演:佐藤浩市 内野聖陽 東出昌大 吉田栄作 萩原聖人 えなりかずき 前田敦子 大泉洋 尾上菊之助 郷ひろみ 菅野美穂 山口智子 橋爪功 山﨑努 ほか
脚本:八津弘幸
演出:福澤克雄
プロデューサー:貴島誠一郎、伊與田英徳、川嶋龍太郎

<ストーリー>
自動車需要が高まる中、日本の自動車市場はフォードやGMといったアメリカ車に席巻されていた。山崎亘(内野)はGMの販売店を経営していたが、アメリカ流の販売方針を押し付けられることに嫌気が差す。そんな中、山崎は車の故障で立ち往生している愛知佐一郎(佐藤)と出会う。佐一郎は山崎にいずれは国産車を開発するつもりだと夢を語るが…。

 
●photo/干川 修 text/小山智久

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