竹原ピストル「“おまえもちゃんとやれよ”って自分に言い聞かせているんです」Hulu『TOKYO BEAT FLICK』

特集・インタビュー
2018年04月13日

旬のアーティストがファンの前で番組オリジナルのセットリストで行うスペシャルライブ、Hulu配信の音楽番組『TOKYO BEAT FLICK』。その第5弾に竹原ピストルさんが登場!収録を終えた直後の竹原さんに、ライブの感想、そして曲作りへのこだわりなどを伺った。


僕がどれだけライブが大好きか。その思いを番組を通して感じてもらえれば

竹原ピストル◆今回はライブハウスにお客さんを迎えての収録でした。演奏を終えていかがでしたか?

緊張しましたね(苦笑)。そもそも僕は、“緊張しないステージがない”というタイプの人間で(笑)、それを逆に集中力に変換して本番に挑んでいるんです。でも、今回はカメラが入っていたこともあり、別の緊張感がありました。その一方で、客席を見ると知っているお客さんの姿もありましたし、皆さんが温かく見守ってくださいましたので、最後まで楽しくライブをすることができました。

◆今回のセットリストはどのように決められたのでしょう?

今回は偶然僕のライブを見る方もいると思うんです。ですので、初めて僕のことを知る人に、「竹原ピストルはこんなミュージシャンです」というのを分かってもらえるようなセットリストにしました。

◆竹原ピストルさんの楽曲には“生きていくための力強さ”や、それを応援する思いがたくさん詰まっているように思います。ライブを見る方に伝えたいのも、やはりそうしたメッセージなのでしょうか?

いえ、実はそうでもないんですよ。よく、僕のライブを涙を流しながら見てくださる方がいらっしゃいますが、決して泣かせたくて歌っているわけではないんですね。歌から何を感じていただくかはお客さん次第ですので、感動していただくのはもちろんうれしいのですが、僕が一番伝えたいのは、僕がどれだけライブが好きかということなんです。自分がいかに音楽が好きで、皆さんの前で歌うことをどれだけ楽しみにしてきたか―。まずはそれを伝えたいと思って、いつもステージに立っています。

◆そうなんですね。とはいえ今回のステージを拝見し、竹原さんの曲や歌声からたくさんの勇気やパワーをもらいました。

そう言っていただけるとうれしいですね。でも、僕自身の考えとしては、自分の歌で誰かの背中を押したいと考えるのは、すごくおこがましいことに思えるんです。そもそも僕は、そんなに立派な人間ではありませんから(笑)。どちらかというと、「俺も必死に生きてるから、一緒に頑張ってみる?」というぐらいの気持ちで歌っています。それに、確かに歌詞にいろんな葛藤や焦燥を描くことが多いのですが、その刃はすべて自分に向いていて。「そうやって“頑張って毎日を生きてやる!”って歌うからには、おまえもちゃんとやれよ!!」って、いつも自分に言い聞かせているんです。

◆だからこそ、自分に投影し、共感もし、心を揺さぶられる人が多いのかもしれませんね。

聞いてくださる方がそうした受け止め方をしていただいているのなら、本当にうれしいことですね。

◆ちなみに、いつも歌詞はどのようにして生まれることが多いのでしょう?

竹原ピストル何かしら気になる出来事があった時に事実とは違う展開を想像して、そこから膨らませていくことが多いです。例えば、“もし、あの時のあの人の言葉が少しでも違うものだったら、今は別の関係性が築けたかもしれない”と考えたりします。人間関係やコミュニケーションというのは、言葉の選び方ひとつでけんかにもなるし、笑い話にもなる。それが言葉の面白さであり、怖さでもあるので、言葉選びはいつも慎重に行っていますね。また、歌詞が生まれる瞬間というのは特別な時間ではなく、日々の中に埋もれていたりします。コンビニに買い物に行って帰ってくる間にも、感性を研ぎすませていれば、歌詞につながる“何か”を見つけることができますから。もちろん、だからといってそんなに簡単にできるものではなく、いつもすごく苦労していますよ。強い言葉を書くことが多いんですけど、僕だって普段はもっとおとなしくて、柔らかい時間も過ごしていますから(笑)。

◆(笑)。さて、4月4日にニューアルバム「GOOD LUCK TRACK」がリリースされました。ドラマ『バイプレイヤーズ ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』の主題歌「ゴミ箱から、ブルース」や、以前、音楽番組で披露して話題を集めた「Amazing Grace」なども収録されています。あらためて、今回はどのような一枚になったと感じていますか?

「いってくるぜ!」「頑張るぜ!」といった、何かの始まりに向かっていく楽曲が多く、狙ったわけではないのですが春にピッタリなアルバムになりました。自分でも驚くほどいいタイミングに出せたなと思っています(笑)。また、いつも年齢や性別を問わず、多くの方に楽しんでいただけるアルバムを目指して作っているのですが、今回は特にそれを強く感じます。きっと、どれか一曲は気に入っていただける楽曲があるはずですので、ぜひ一度聴いていただけたらと思います。そして6月からは全国を回るツアーもありますので、今回のライブ配信、そしてニューアルバムを聞いて、「竹原ピストルって、面白いやつだな」と思っていただけたら、ぜひお近くの会場まで遊びにきてください。いつでもお待ちしています。

 

■PROFILE

●たけはら・ぴすとる…1976年12月27日生まれ。千葉県出身。最新アルバム「GOOD LUCK TRACK」が発売中。6月14日(水)から全52公演の全国弾き語りツアーを開催。
 

■番組情報

TOKYO BEAT FLICK・第5弾
竹原ピストル

Hulu(https://www.happyon.jp/)で独占配信中

■Set-List
1.LIVE IN 和歌山
2.よー、そこの若いの
3.Forever Young
4.ぼくは限りない ~One for the show~
5.オーバー・ザ・オーバー
6.ゴミ箱から、ブルース
7.俺のアディダス ~人としての志~
8.ちぇっく!
9.Amazing Grace
10.カウント10
11.東京一年生
 
●photo/金井尭子 text/倉田モトキ