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恒松祐里インタビュー「美波としているだけで、感情や言葉が出てきました」映画「凪待ち」

恒松祐里インタビュー「美波としているだけで、感情や言葉が出てきました」映画「凪待ち」

香取慎吾主演映画「凪待ち」で、香取演じる主人公・郁男の恋人・亜弓(西田尚美)の娘・美波を演じた恒松さん。今作への思い入れや香取さんとの撮影裏話のほか、今後の目標まで聞きました。

映画「凪待ち」恒松祐里インタビュー


美波としているだけで、感情や言葉が出てきました

◆恒松さんが演じた美波は、主人公の郁男と血のつながらない父娘のような絆がある役どころ。ご自身にとって10代最後に演じた役柄でもありますが、演じた感想を聞かせてください。

10代でいろんなお芝居を経験してきて、技術が不足している中でいろんな壁にぶち当たってきたんですが、ある1つの“壁”を乗り越えられたと思ったタイミングで「凪待ち」に出演させていただけたなと思っていて。これまでに学んだ部分を生かして“新人女優”というより、私なりに今までの技術を詰め込んで撮影に臨めたような感覚があります。

◆“壁”というのはどのような?

これまで“感情の芝居”が苦手だったんですが、「凪待ち」の少し前、映画「虹色デイズ」の撮影で役に入り込んでいたら、自然と涙が出たり怒りが出たりして。その時に“感情の芝居”を克服できた気がしたんです。ただその時は役に引っ張られすぎて、自分でコントロールすることができなくて。でも「凪待ち」では、感情を出しつつコントロールできる状況で撮影に臨めたかなと。小さい頃からこのお仕事をしてきて、「ここで泣けるかな」とか、「このせりふ、どうやって言おうかな」って考えることが多かったんですが、「凪待ち」では普通に美波としてその場にいるだけで感情が出てきたり、人との関わりの中で出てくる言葉や表情があったりしたので、そこは少し成長できたのかなと思っていて。だからこのタイミングで白石和彌監督と香取さんとご一緒できたのは、すごく大きなチャンスで、新たなステップアップになったと思います。

◆印象に残っているシーンはどこですか?

ラストの方の香取さんとおじいちゃん(吉澤健)と私、3人で歩くシーンですね。少し希望が見えるような温かいシーンなんですが、あそこは演じていた時も、本編で見た時も、すごくすてきなシーンだと思いました。石巻での撮影の最後の方でしたね。クランクアップは東京の家で、郁男と一緒にゲームをしている楽しいシーンで。笑顔でクランクアップできたのも印象的です。

◆郁男と美波は血のつながらない親子のようであり友達のようでもありますが、その関係性は演じていていかがでしたか。

2人ともお互いを家族のように思っているけど、お母さんの死によってそれが崩れ、それまで“仲が良ければいい”という関係だったものが、最後は本当の絆が求められてくるところがあって。美波が、お母さんを失った原因が郁男にあると知った時の2人のシーンでは、血がつながってないからこそ出てしまう言葉や表情、目つきがあったと思うんです。「あなたのこと、本当に恨みますから」っていう。それが、月日が経つにつれ、美波の感情にも変化が芽生えてくる。その変化は演じていて難しかったです。

◆ああいうシリアスなシーンの裏側はどんな感じなんでしょうか。

実は意外と楽しくやってるんですよ(笑)。私はとにかく泣くシーンが多かったので、ヘアメイクさんが6種類ぐらいの“うるおい系”のポケットティッシュを用意してくださってて。テストと本番の度に、ヘアメイクさんのところに涙と鼻水を直しに行くんですが「このティッシュはちょっと柔らかすぎますね」「これ、1位です!」っていう利きティッシュみたいなことをしてました(笑)。ずっと集中してると、集中力が途切れちゃうので、ちょっと巻き戻すというか。気持ちを一度元に戻して、また入るっていう風にしていましたね。

映画「凪待ち」恒松祐里インタビュー


アーティストの香取さん「生で見ちゃった!」って感動しました

◆一緒のシーンが多かった、香取さんの印象を教えてください。

香取さんは、試写で見た時すごく怖い顔、眉間にしわを寄せた恐ろしい顔とかをなさっていてびっくりしたんです。私がご一緒するシーンではずっと“優しい郁男”だったので。こんなに多様な表情をされるんだっていうのがすごく魅力的で、試写室で見ていてガツンと来ました。

◆撮影の合間はどんなお話を?

家でのシーンを撮っている時、紙とペンを持って絵を描かれてて。「何を描いてるんですか?」って聞いたら、「うーん、分かんない。何だと思う?」っておっしゃって。「ひまわりですか?」と聞いたら、「あ、ひまわりにも見えるね!」みたいな。何を描いてるか自分でも分からないのに描いてる、っていうアーティストとしての姿を「生で見ちゃった!」って感じがして感動しました。実は私も絵を描くのが好きで、寝る前にスケッチブックに日記がわりに描いたりするんです。香取さんには見せていませんが(笑)、勝手に仲間意識を持っていたので、芸術の話をしたりもしてました。

映画「凪待ち」恒松祐里インタビュー


みんなで稽古して一つの場面を作る、舞台にすごく興味があります

◆恒松さんは、プライベートで時間ができたら何をしていますか?

友達とご飯を食べたり、映画を見たり、本当に普通です(笑)。でも海外ドラマが昔から好きで、今は『フレンズ』という作品にハマっていて。暇な時は一日中見ていますね。

◆これからやってみたいお仕事は?

舞台に出てみたいという気持ちがすごくあります。小さい頃から好きなんですが、なかなか機会がなくて。役を掘り進めていく感じやみんなで稽古して一つの場面を作っていく感じにすごく興味があって、昔からやりたかったので、20代のうちにやりたいです。歌も好きで、いつかミュージカルに出られるように練習もしてるんですけど。一生のうちに1回は出たいです。ミュージカルにいつか出られるようにするために、歌の練習とかもしてるんです。コメディとかもやったことないので、やってみたいし。やったことがないことがたくさんあるので、開拓していきたいです。

◆最後に、映画を見てくれる方にメッセージをお願いします。

本作に登場する人たちはみんなすごく不器用で、本当に現実世界にいそうな人たちばかり。すごく真面目に人を描いている作品なので、大人の方には特に響く、深い作品だと思います。でも逆に、私の世代の方が見てどう感じるのか、どこに注目するのかも気になりますね。自分と照らし合わせたり、こういう生き方の人もいるんだと知って、何かを感じてもらえたらと思います。

 

■PROFILE

恒松祐里
●つねまつ・ゆり…1998年10月9日生まれ。東京都出身。B型。映画「3D彼女 リアルガール」「虹色デイズ」などに出演。映画「アイネクライネナハトムジーク」が9/20(金)公開。「酔うと化け物になる父がつらい」「殺さない彼と死なない彼女」が2019年公開予定。

■作品情報

映画「凪待ち」映画「凪待ち」
6月28日(金)公開

<STAFF&CAST>
監督:白石和彌
脚本:加藤正人
出演:香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー

<STORY>
毎日を無為に過ごしていた郁男(香取)は、恋人の亜弓(西田)とその娘・美波(恒松)と共に、亜弓の故郷である宮城県・石巻市で人生をやり直そうと決意。しかしある夜口論の末、郁男は亜弓を置き去りに。その後、亜弓は何者かに殺されてしまい…。
 
●photo/金井尭子 text/寺田渓音 hair&make/横山雷志郎 styling/杉浦優 衣装協力/Mhairi

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