【インタビュー】「宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION」宇宙刑事エステバン・セイギ役で出演!馬場良馬インタビュー

特集・インタビュー
2014年10月09日

10月10日(金)に発売されるのDVD「宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION」で宇宙刑事エステバン・セイギ役の馬場良馬さんにお話を伺いました。

熱い硬派なところこそが“ザ・宇宙刑事”

――「宇宙刑事シャリバン」は馬場さんが生まれる前の作品ですが、ご存知でしたか。

リアルタイムでは見てなかったのですが、幼なじみのお兄ちゃんがキンピカの赤いシャリバンの人形を持っていて。先輩が持っているものって憧れるじゃないですか。それがすごく鮮明に印象に残っていて、かっこよかったなというのがありました。そして、大人になり『特命戦隊ゴーバスターズ』に出演してヒーローになった時に、「あの人形シャリバンだったんだ」と分かりました。そして、今回シャリバンの撮影に参加できることになって…本当に小さいことなんですけど、自分の中ではすごく縁があったのかなって思いました。

――宇宙刑事がVシネマで復活しましたが、“Vシネマならでは”と感じた部分はありましたか。

今回Vシネマなので、血まみれのシーンとか信じられないくらい血まみれなんですね。今回のメイクさんが特殊メイク大好きで、傷だらけにしている時に「やっぱりね、鼻血がかっこいいと思うんだよね」とすごく語りながらやっていたので、そういうところは子供は大丈夫かなって思いはありますけど…そもそも30年前はすごく怖いイメージなんですよね。敵とかも不気味なボスがいて、こういうものを子供が見ていたんだなと思いました。でも、子供の時にそういう衝撃的なのって大人になっても忘れなくて、それが良い意味でも悪い意味でも素敵なことだと思うんです。そういうふうに今回のシャリバンも血まみれで気持ち悪いって思っても、それが成長していくうちに子供の時にあんなの見たなって、良い意味でトラウマになってくれればいいと思いますね。

――劇中で日向快が宇宙刑事について考えるシーンがありますが、馬場さんが思う理想の宇宙刑事を教えてください。

ギャバン、シャリバン、シャイダーというイメージが強いので、僕の中では宇宙刑事は、今の戦隊やライダーよりも熱い心があるというか、今の時代だとちょっとうざがられるような…でもそれがすごくポリシーというか、ぶれない真っすぐな感じだとはすごく思いますね。初代と2代目でキャラクターは違うけど、熱い硬派なところがあるので、それが“ザ・宇宙刑事”なんじゃないかと思います。古き良き懐かしいものではあるけれども、逆に今の時代だと新鮮なところが宇宙刑事の良さだと思います。

伊賀電は子供のときに見ていたヒーロー像

――馬場さんが演じるセイギはどういうキャラクターですか。

オリジナルから30年後にやっている『宇宙刑事 NEXT GENERATION』だからこそ、生まれたキャラクターではないかと思いますね。セイギは、お調子者でちょっとへらへらしている。でも、僕の中で宇宙刑事ってちょっと熱いものがあったりして…エステバンになったときはそこにプラス熱いものをきちんと持って、セイギとしてのエステバンを演じました。

――セイギはご自身と似ているところはありますか。

そうですね。僕はすごく真面目で…(スタッフ爆笑)。そこ笑うとこじゃないです(笑)。でも、僕も基本的にはおちゃらけたり楽しいことは好きなので、そういう部分は似ているかな。

――セイギ以外で好きなキャラクターはいますか?

男としてですか?好きなキャラは…やっぱり、初代シャリバンの伊賀電ですかね。今の2代目の人たちも“宇宙刑事とはなんだ?”という時に「熱い硬派な心を持っている」って入ったんですけど、やっぱりオリジナルの人って違うんですよね。一緒にお芝居したのは1シーンぐらいで、僕たちが説教されるシーンだったからかもしれないですけど、古き良きって言ったら失礼かもしれないけど、オリジナルのヒーロー、僕たちが子供のときに見ていたヒーロー像が目の前にいるって感じでした。すごく熱いんですよ。お芝居も熱くて…今のお芝居ではあんまりないじゃないですか。どれだけ自然に、ナチュラルにやるかってところで、熱いお芝居を見たときにすごく「おぉ」って思うんですけど、やっぱりそこに嘘がないから、説得力があるし。スクリーンというか画面を通して見せてもらった時に、ヒーローとして存在するってこういうことなんだなって目の前で見させていただいた感じだったので、ああいうこともできるっていうのはすごく大切だし、ただただ熱かったです。でも、それがかっこいいし、やってみたいなって思いますね。

僕たちが熱いお芝居をやる時って、熱くしようとして薄っぺらな演技になりがちじゃないですか。そういうことじゃなくて、本当に心から純粋に真っすぐに、心の底からそのメッセージを届けるみたいなところに嘘がないから、最初は一歩引いちゃうんですけど、結局は心が掴まれる。それが僕たちが見ていた時のヒーローの在り方だったなと思いますね。だから、かっこいいです。

――「男として」とおっしゃったので、アイリーンと答えるのかと思いました(笑)。

そう!男としてはですね(笑)!いやー、でもね、アイリーンさんのツンツンした感じも好きですけど、シシーさんのあのけなげな感じも嫌いじゃない。うーん、どちらか1人は選べないですね…日替わりでお願いします(笑)。

――3枚目的なシーンとシリアスなシーンを演じるときに意識したことはありますか?

自分とかけ離れた役を演じる時は、少しずつそのキャラクターに寄せていく時もあるし、逆に真逆すぎるからスイッチみたいな感じで向こうにいける時もあるし…それは実際に本を読んで、そのキャラを演じようとしてみて、どっちができるか気づきますね。

――次に挑戦したい役柄を教えてください。

正真正銘の悪役ですかね。悪いところからもっと悪く…それは役者としてやりがいがすごくあるんじゃないかなと思います。悪い役をやらせたら、もうやばいですよ(笑)。

オリジナルへの愛がみんな強かった

――坂本浩一監督の演出はいかがでしたか?

戦隊の撮影の時は、一緒にお仕事をしたという感覚があんまりなかったんです。だから、今回、坂本監督とがっつり仕事ができたことはうれしかったです。監督にアクションをつけていただいたのもすごく光栄だし、うれしかった思い出ですね。監督もシャリバンに対しての思いがすごく強かったのもあるし、監督ならではの気さくな砕けた感じもすごく楽しくて、素敵な人だなと思いました。坂本監督といえば、お色気シーンが多いイメージですよね。今回、アイリーンが蹴りでパンチラをするシーンがあるんです。でも、あれは元々なかったんです。でも、演じる矢吹春奈さんが「どうせキックしてパンツが見えそうになるんだったら、パンツを気にして蹴るより、見せちゃおう!パンチラシーンとして作っちゃおう!」みたいな感じで生まれたんです。そういう意味では、あんまりお色気はなかったですね。

――共演者の印象はどうでしたか。

同世代が多かったですね。僕が男の中では最年少かな。戦隊では「おっさん、おっさん!」って呼ばれていた僕が、今回のVシネマでは、若手枠ですよね(笑)。同年代の人が多く、共通の価値観とか認識とか多かったので、すごく楽しかったし、気さくな感じが居心地良かったですね。でも、オリジナルへの愛というのがみんな強くて、監督もシャリバンを作るにあたって「オリジナルのシャリバンがハードな路線であるからハードなものを撮りたい。だから、セイギの芝居もお調子者でチャラチャラし、すごく戦隊的な芝居になりがちになっちゃうかもしれないけど、できるだけ大人向けの芝居をしてほしい」と言われたりしました。

あとは、30年前の主役をやられていた渡さんがいらっしゃることによって、渡さんから「30年前のシャリバンはこうだった」という思いを直接ご本人から聞けたりして、すごくシャリバンへの愛がある人方だなと思いました。宇宙刑事がシャリバンとして作品ができることはすごくうれしいし、これがこうして一回きりじゃなくて、次につながるような作品になるために一生懸命頑張れました。今回のシャリバンの出来の良し悪しはお前にかかっているからなと釘を刺されたり…。和やかに気さくにやっている中でも、シャリバンへの思いだったり真剣なものをみんなが持っているなという現場でした。短い撮影期間ではあったんですけど、1年間戦隊をやってきたホーム的な愛というのに似たようなものが、この現場にもあったので楽しかったです。

――居心地が良い現場だったんですね。

同世代や元々特撮をやっていた人も多かったので、スタッフも顔見知りが多かったんです。僕と三浦力君も今回初対面だったんですけど、時期は違うけど1年間戦隊やってきたというところで、共通認識があるからこそ、すぐ打ち解けられました。朝から夜遅くまでの撮影なので、夜遅いピリピリする時でも、一番疲れているはずの坂本監督がすごく場を和ませてくれるので、いい現場でした。

お気に入りは“パンチラのシーン”

――お気に入りのシーンがあったら、教えてください。

パンチラのシーンです(笑)!最初に矢吹さんから「アイリーンって何色のパンツはいていると思う?」と聞かれて「急にどうしたんですか?」って言ったら、「アクションシーンでパンツが見えそうだから、なんならパンツ見せようかなって思って」と。「じゃあ、アイリーンだったら赤か紫じゃないですか」と言うと、矢吹さんが「どっちどっち?」と聞くので「じゃあ、紫で」と(笑)。

こうして票をとった結果、票が割れて…三浦君は「白」って言って、「やっぱり!意外にアイリーンはね…」っていう話で盛り上がったんですけど、白だとスーツが灰色っぽい感じなので、見えても「あれっ?見えた?見えてない?」って。それもいいけど、どうせだったらちゃんと分かったほうが本人的にもいやらしさが出ないからって言って、結局赤になったんです。撮影の時は、僕と三浦君の2人で「パンチラパンチラ…よしっ!今日の撮影頑張れる」ってやってました(笑)。

――最後にこの作品の見どころを教えてください。

今回はVシネマなので、血だらけとかありますがVシネマだからこそ、いい意味でやりたい放題できるし、パンチラもできるし(笑)。芝居も子供向けヒーローではあるけど、芝居的には一作品として、子供向けと考えずにできたので、すごくありがたかったですね。シャリバンのオリジナルを観ていた人たち…30年前の子供はもちろん、今の子供にも向けて作っているので、すごくたくさんの方々に見ていただきたいですね。30年前に観ていなくても、単純に今観ても、シャリバンのキャラクターってすごい若くてかっこいいなって思うし、すごくたくさんの方が見て楽しんでいただけるような作品作りをしてきたので、いろんな方に受け入れられたらいいなと思います。

それが大きな波になれば、宇宙刑事シリーズなのか、メタルヒーローなのか、こうやってVシネマなのか、映画なのかっていうのは分からないですけど、また次につながるんじゃないかと思います。そうなればぜひ宇宙刑事エステバンのスピンオフもできたらいいな。そういった意味でもたくさんの人々に観ていただけたらなって思います。

 

PROFILE

馬場良馬
2008 年、ドラマ「東京ゴーストトリップ」で本格的俳優デビュー。
ミュージカル「テニスの王子様」に出演以降、舞台や映画で活躍。2011年には、主演映画「クレイジズム」(窪田将治監督)がモントリオール世界映画祭Focus on World Cinema部門に正式出品される。
2012年、スーパー戦隊シリーズ「特命戦隊ゴーバスターズ」にブルーバスター岩崎リュウジ役で出演。10月には舞台「里見八犬伝」が控えている。


作品情報

「宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION」DVD&Blu-ray 10月10日(金)発売

●レンタル:DVD&Blu-rayリリース
映像特典(予定):予告、データ&デザイン画ファイル、ポスタービジュアル 

●セル
DVD通常版
価格:4,500円+税
映像特典(予定):予告、データ&デザイン画ファイル、ポスタービジュアル
本編50分(予定)
Blu-ray通常版
価格:5,500円+税
映像特典(予定):予告、データ&デザイン画ファイル、ポスタービジュアル
その他特典:オーディオコメンタリー
本編50分(予定)

Blu-ray特別限定版(初回生産限定)
「宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION 赤射版」 
価格: 8,800円+税    
・本編ディスク⇒ Blu-ray通常版と同じ内容
・ボーナスディスク(Blu-ray)⇒ 内容:製作記者発表、メイキング赤射せよ!(仮)、他
・封入特典(予定)☆赤射CD ☆赤射ブックレット 
☆宇宙刑事 NEXT GENERATION BOX ⇒「宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION」とセット収納できるBOX

発売:東映ビデオ 販売:東映ビデオ 
(c)2014 東映ビデオ・テレビ朝日・日本コロムビア・東映AG・東映

『宇宙刑事シャリバン』とは…
『宇宙刑事ギャバン』に次ぐ「宇宙刑事シリーズ」三部作の第2弾として1983年に放送開始。前作に比べ、よりハードかつシリアスな作風が特徴である。今回、30年ぶりに2代目シャリバンを主人公とした「宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION」がVシネマとして、復活。

 

●text/遠藤綾野 photo/門脇弥沙