松井玲奈インタビュー「何も考えずにとにかく笑ってほしい」ドラマ『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』に主演

特集・インタビュー
2016年03月25日

神奈川県厚木市にある風変わりなサービスと設備のコインランドリーを舞台にした、シチュエーションコメディが放送中。そのランドリーのアルバイト店員・南雲凪を演じる松井玲奈さんは、本作が連続ドラマ初主演作となった。SKE48卒業後、精力的に女優として活動する松井さんに、本作の魅力を聞きました!

滝藤さんは親しみやすくて一緒にいて楽しい時間を過ごせる方です!

『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』

――本作が連続ドラマ初主演となりました。撮影はいかがでしたか?

初めて連続ドラマの主演をさせてもらったんですけど、共演者の方たちがベテランの方ばかりだったので、本来であれば主演としてしっかり自覚を持っていなくちゃいけないんだよなぁと思いながら、皆さんのすごさに圧倒されていました。でも撮影が毎回とっても勉強になってすごく楽しかったです。

――滝藤賢一さんとの共演と知ったときの率直な気持ちは?

滝藤さんと一緒にできるって聞いたときは、最初ドッキリかと思って。本当にいろんな作品に出ているので忙しいと思うし、2人のスケジュールが合ったらって言われていたので、スケジュールが合うのか不安もあったんですよね。自分が見ていた作品の中の滝藤さんはちょっと怖いような役柄が多かったので実際はどういう方なんだろうって思っていたら普段はチャーミングな方というか、普段から面白くていろんな冗談を言いながら現場を和ませてくれる方で、とっても親しみやすくて一緒にいて楽しい時間を過ごせる方でした。

――お2人の掛け合いのシーンが印象的だったんですが、撮影のときはどんな雰囲気でしたか?

滝藤さんは本当に今まで出会った人の中でもかなりお芝居の引き出しが多い方だなって思いました。同じ台本を読んで同じように現場に入ってきても、自分が想像していたものの10倍も20倍も違う切り口でお芝居をされていたので、それに対して自分がどういうふうに合わせていくのか、どうやって会話をするのかを作っていくのが現場ではすごく楽しい作業でしたね。ただ、お互いに言い合うシーンも多くて、普段は日常生活の中で人から大きい声で何かを言われることがあまりないので、結構リハーサルのときはひるんだりしてせりふが出てこないこともあって、待ち時間も掛け合い部分の練習をしたりしながら過ごしていました。それぞれが自分の集中できるスペースでせりふを確認したりとか、体もすごく使う作品だったのでストレッチしたり。

――撮影中に苦労したことは?

全4話なんですけど普通のドラマの8話分ぐらいって言っても過言じゃないぐらい1人ひとりのせりふ量が多い作品なので、せりふを覚えることと会話劇として成立させなくちゃいけないことですね。それに、飯塚健監督の撮り方が独特で今回はあまりカット割りをしない長回しで撮るっていうのが多かったんです。最初の冒頭のシーンは多分5分間ぐらいはずっと回しっぱなしで撮ったりしたので、ちょっと舞台にも似たような緊張感のある中で撮影っていうのがすごく難しくもあり楽しくもありました。1話にあった会社の中で年賀状を出すためにA、B、Cの候補を選ぶシーンは、撮影が結構夜遅くてみんなせりふが多いし、掛け合いもあるしでテンションがおかしくて。「ここは1発で決めよう!」って言っていたんで、その日は朝から滝藤さん、角田さんと3人で何度も練習をしていたんです。でもその練習をしていたのがあまり良くなかったみたいで、それぞれがNGを繰り返してしまって大変でした(笑)。だんだん面白くなってきちゃって私が締めのせりふで笑っちゃうこともあって本当に難しかったです。

芸人さんのネタを研究しました

『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』

――コメディを演じる上で心がけたことは?

プライベートでは、私は面白くない人間なので「どうしたら面白くできるのか」っていうのがすごくネックで。なので、芸人さんの動画を見たり、監督からも「このせりふはあの芸人さんのこういうイメージ」っていうのを教えてもらったのでその芸人さんのネタを研究したりしました。どんな作品でもそうなんですが、自分が思っている何倍もやらないと画面には気持ちとか表情として乗らないんだなっていうのをすごく感じていて、特にコメディだと喜怒哀楽の差が激しければ激しいほど面白いと思うので試行錯誤しながらやっていました。

――研究した芸人さんはどなたですか?

飯塚監督には「ナイツさんの漫才を見て」って言われました。ただ、どんな内容のものだったのかは秘密です(笑)。監督のイメージを教えてもらったことが分かりやすかったので、そこから作品にちょっとずつ自分なりに盛り込むことができました。

――ドラマの中でアイロンがけをしていますが、松井さんは普段からやられますか?

普段はスチームアイロンでやることが多かったので、実際にアイロン台を使って重たいアイロンを持ってTシャツにアイロンをかけるっていうのは、たぶん小学校の家庭科の授業以来でした。なので、この動かし方であっているのかっていうのをスタッフさんたちと研究しながらやっていました。ドラマの撮影中にTシャツの早いたたみ方を教えてもらったので、今はTシャツをたたむのが楽しみになっています。

――松井さんが感じた各話の見どころやお薦めのポイントを教えてください。

どのお話でも必ずちょっとしたもやもやを抱えている人たちがランドリーに来るんです。で、その人たちの悩みを完全に解決するわけじゃないんですけど、打ち明けたり一緒に過ごしたりすることで少しでもプラスに持っていくっていうのがこのドラマのテーマで、そこに登場する個性の強いキャラクターが一番の見どころかなって思います。それぞれのキャラクターが抱えているもやもやに対しての劇中劇が必ずあるので、同じランドリーっていうお店の中でどう場面が変わっていくのか、みんながどういった話を持ってくるのかを楽しんでもらいたいですね。

――身近にいたら嬉しいなっていうキャラクターと逆にこんな人嫌だなって思うキャラクターはいますか?

私は、どのキャラクターも好きです。それぞれの話で出てくるキャラクターは1話ゲストってわけじゃなくて、1話で登場した角田さん演じる山田も1話ではメインですけど3話、4話でも登場するんです。年齢もバラバラだし境遇も違う人が集まった空気感がすごく好きだったので、みんながそろったときの撮影がすごく楽しくて。撮影中にはちょっとした細かいアドリブもあって、こういう人間関係が日常にあったら楽しいだろうなって思いました。

この作品に出てくるひと言で前向きな気持ちになってもらえたら

――松井さん自身が嫌なことやもやもやを忘れられる場所はどこですか?

映画館に行くと嫌なことを忘れられますね。家で見るより映画館で見る方が作品に集中できる環境だなって思うので。そこでいい作品に出会うとその作品のことで頭がいっぱいになるので、嫌なこととか悩んでいたことも「何で悩んでたんだっけ?」って気持ちになります(笑)。

――今回、連ドラ初主演やSKE48卒業後初めての歌手活動だったりと松井さん自身も新しいことに挑戦されていますが、4月から新生活を送る方にエールをお願いします。

この作品自体が新しいことを始めたりだとか、日常の中にあるもやもやをどうやってプラスに持っていくかを扱った作品なので、これを見て作品に出てくるひと言にちょっとでも前向きな気持ちになってもらえたらうれしいです。笑える作品なので何も考えずにとにかく笑ってもらいたいです。

 

PROFILE

松井玲奈|TV LIFE Webインタビュー

松井玲奈
●まつい・れな…1991年7月27日生まれ。愛知県出身。0型。女性アイドルグループ・SKE48、乃木坂46元メンバー。SKE48卒業後、女優活動を本格化。ドラマ『刑事バレリーノ』『ニーチェ先生』『フラジャイル』『初恋芸人』、ニッポン放送『ミュ~コミプラス』(毎週(月))、雑誌「CLASSY」「ストリートジャック」「SPA!」などに数多くのメディアに出演。女優、タレント、モデルなど多方面で活躍中。

オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/rena-matsui-official/

 

作品情報

『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』

『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』

 神奈川県厚木市になるコインランドリーを舞台に、さまざまな人たちがランドリーに集まり、織り成すシチュエーションコメディ。ランドリーのバイトを松井玲奈、ランドリーのオーナー兼店長を滝藤賢一が演じる。各話で登場するキャストも、角田晃広(東京03)、山田真歩、岸井ゆきの、三浦俊輔、ベンガルなど、曲者ぞろいの多彩な役者陣が顔をそろえる。『荒川アンダーザブリッジ』『風俗行ったら人生変わったwww』の飯塚健が監督を務める。

第3話(MBS 3/27(日)、TBS 3/29(火))
凪(松井)とオーナー(滝藤)は最近週2回のペースでセーラー服を洗いに来る女の子・弥生(岸井ゆきの)が気になっていた。事情を聞くと、弥生の過去に「ある理由」があった。

最終話(MBS 4/3(日)、TBS 4/5(火))
かまってちゃんの劇団員・平野(三浦俊輔)がやって来たことでざわざわしているランドリー茅ヶ崎。平野はここで悩みを聞いてもらえるとの噂を聞きつけ、足を運んでいると言う。

監督・脚本:飯塚健
出演:松井玲奈、滝藤賢一ほか
TBS 毎週(火)深1・11~1・41
MBS 毎週(日)深0・50~1・20

(C)2016「ランドリー茅ヶ崎」の会員・MBS

●text/橋場晴香