村井良大&武田梨奈インタビュー 映画「ドクムシ」にW主演

特集・インタビュー
2016年04月04日

 村井良大さんと武田梨奈さんがW主演を務めるソリッドシチュエーションホラー映画「ドクムシ」(R15+)が、4月9日(土)~22日(金)の2週間限定で劇場上映される。原作は「E★エブリスタ」にネット小説として投稿された八頭道尾の「コドク~蠱毒~」で、後に「ドクムシ」のタイトルで合田蛍冬により漫画化もされ、大ヒットを記録。ある日突然学校内に監禁され、飢えと恐怖の中で理性を失ったレイジ(村井)やアカネ(武田)たち男女7人の壮絶な“デスゲーム”の行方は!? 小説、漫画とも異なるラストが用意された大注目の本作について、村井さんと武田さんにインタビューしました。

監督が耳元で…「ここで誘惑しないとあなたが死ぬ」

村井良大&武田梨奈インタビュー|TV LIFE Web

――完成した作品をご覧になって、いかがでしたか?

村井:恐ろしい話ではありますけど、その裏には痛烈なメッセージ性も隠されていて、きっといろんな視点で見られるんじゃないかなと思いますね。

武田:正直、見終わった後、決していい気分になれる作品ではないですよね(笑)。ただ、あの漫画をここまで実写で再現することができて、映画としてとても面白い作品になったと思います。この迫力や緊張感は、ぜひ映画館で体験してもらいたいです。

――村井さん演じるレイジ、生死が懸かった極限状態の中でどう行動すべきか葛藤を迫られるわけですが、どんなところを意識して演じられたのでしょうか?

村井:なるべく“普通”でいようということですかね。レイジというキャラクターは、この映画を見てくださるお客さんの目線と一番近いと思うんです。突然の出来事で何が何だか分からない、どうしていいのかも分からない。で、そんなときに“悪魔の手”が近づいてくるという…。

武田:アカネのことですね(笑)。

――女を武器に生き延びようとするアカネの大胆でしたたかな様を演じるのは、武田さんにとって大きなチャレンジだったのではないかと思いますが、いかがでしょう?

武田:レイジたち男性陣を誘惑するシーンは演じるのが本当に難しくて、今回私の一番の課題でした。監督も特にこだわっていたところだったので、「もっとこうしてほしい」「もっとああしてほしい」っていう要求がたくさんあって。何度も何度も、どのシーンよりも多く撮り直しをしたときもありました。それである日、私がパニックになったときがあったんですが、村井さんが優しくリードしてくださったんです。「きちゃいなよ」みたいに言ってくれて。

村井:もうちょっと言葉選んでもらっていい?「きちゃいなよ」だとまるで俺がチャラ男みたいだから(笑)。

武田:ああ、ごめんなさい(笑)。言い方はちょっと違ったんですけど、でも、そんなようなことを言ってくれて、本当に助けられました。

村井:あのとき、監督に耳元で何か言われてなかった? 何を言われてるんだろうなって思ってたんだよね。

武田「あなたは女子だから、ここで誘惑しないとあなたが死ぬんだからね」って。あと「今のテストの演技じゃ村井さんは全然誘惑されてなかったよ」っていうダメ出しもありましたね。

――村井さん、誘惑されてなかったんですか?

村井:いや、テストのときからメロメロでしたよ。

武田:あはは、恥ずかしい(笑)。

大胆告白!?「村井さんはお婿さんにしたい№1」

村井良大&武田梨奈インタビュー|TV LIFE Web

――そういったラブシーンも含め、撮影は大変だったと思うのですが、それを一緒に乗り切って今、お互いの印象ってどうですか?

武田:撮影期間はすごく短くて、朝から晩までみっちりでしたよね?

村井:1週間くらいで撮り切ったんです。だからちょうど、この「ドクムシ」という映画の劇中で流れる時間と同じくらい。閉鎖された空間の中で、太陽を見ることがどんどんなくなっていて、すごく不健康でしたね(笑)。そんな状況での撮影だったんですけど、彼女に関しては本当に「こんな天才いるんだな」って思いました。正直、勝てないなって。これは僕が口で説明するよりも映画を見てもらえたらみんな分かると思うんですけど、お芝居の奥深さが本当にすごいんです。普通の人とは持ってるモノが違いますね。

武田:こんなに褒められたら何と言っていいのか。でも、すごくうれしいです。村井さんは、例えばこっちが緊張していると、それをほぐしてくれるんですよ。誰に対しても、あからさまじゃなく、自然とこう…。

村井「きちゃいなよ」って?(笑)

武田(笑)。いえいえ、そんな言い方はしていませんでした! でも、そういう雰囲気で、すべてを受け止めてくださる方ですね。主役っていうのは、こういう人のことを言うんだなと思いました。私は人をまとめることも、「みんなで頑張ろう!」って先頭に立つようなこともできなくて、いつも自分のことだけに集中してしまうんです。で、作品が終わってから「ああ、私は何てみんなから支えられていたんだろう」ってやっと気づいて、感動する。村井さんは自分の役に入り込みつつも、ちゃんと周りが見えてるじゃないですか。

村井:だから俺、今回レイジ役だったのかな。レイジと似てるところあるよね。

武田:あー、確かにそうかもしれないです。村井さんも多分、ダマされやすいですよね?

村井:ははは(笑)。「ダマされやすそうだなー、こいつ」って思ってた?

武田:あ、いやいや、優しいってことですよ。優しすぎて、ダマされやすいタイプかと(笑)。

村井:優しすぎるかな、俺?

武田:はい、たたいても怒らなそうですし(笑)。でもそこが、すてきだなって思います。私的には、お婿さんにしたい№1です。

村井:えっ、それ本当!?

武田:はい!

――それはつまり、ダンナさんにしたい、ってことですか?

武田:あ、私じゃなくて、私に娘ができたら、お婿さんに来てほしいなって。

村井:何だ、娘婿のほうか(笑)。まあそりゃあそうだよね。たたいても怒らなそうな人、お姑さんからしたら最高だろうよ!

武田:こういう人、本当にいるんだなって思いました。「THE正統派」というか。

村井:褒められてるのかバカにされてるのか、よく分からないんだけど…(笑)。

――(笑)。撮影現場も、こんな和やかなムードだったんですか?

村井:和気あいあいとしてたよね。「ドクムシ」がホラーテイストの作品だからこそ、そっちのほうがいいんじゃないかとも思っていて。

武田:私は今まで年上の方と一緒の現場が多かったので、今回のように同年代のキャストで集まって撮影することってあまりない経験で、すごく楽しかったです。

――お芝居をするときとのスイッチの切り替えに苦労しませんでしたか?

村井:レイジたちは食料もろくにないまま学校内に閉じ込められていて、体力もどんどんなっていく。そういう状態に切り替えて演技するのは、確かに難しかったところですね。

武田:私も難しかったです。普通に歩けないとか、声を張れないとかっていうお芝居をしなければならなくて。

村井:監督からもその辺りに関してはよく言われました。「5日間くらい何も食べてない感じがしないので、もうちょっとお芝居を弱めに」とか。

2人が経験した人生最大のピンチとは?

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――では最後に、映画の内容にちなんで、お二人の“人生最大のピンチ”をお伺いしたいのですが。

村井:僕は、舞台をやらせていただいてるときに、とにかくたくさんダメ出しをされたことがあって。かなり追い込まれて、精神的にピンチでしたね。もう本当に気が滅入っちゃって…。

――それはどうやって乗り越えたんですか?

村井:乗り越えられたのかどうかは分からないけど、ただただガムシャラにやり続けてました。おかげでずいぶん鍛えられましたね。

武田:私は、アクションシーンの撮影でヌンチャクが思いっ切り目に当たってしまったときがあって。そんなに痛みもなかったし、腫れてもなかったから、大したことないと思ってたんですけど、当たったほうの目からだけ涙が止まらなくて、マネージャーさんから「念のため、絶対病院に行って」と強く言われたんです。で、翌日病院に行って診察してもらったら、お医者さんから「今日来てなかったら、失明してたよ」と言われて…。

村井:そんな危険な状態だったんだ!?

武田:目の中の何かが切れちゃってたみたいです。だから、マネージャーさんにはとても感謝しています。あのとき病院に行くように言われてなかったら今、目が見えてなかったかもしれない…。

――一度そういうけがを経験すると、恐怖心は芽生えないですか?

武田:やるしかないって思ってます。けがはもちろんしたくはないですけど、私はアクション作品出身だし、ここまで体を張れる女優は私しかいないと思ってるので。

 

PROFILE

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村井良大
●むらい・りょうた…1988年6月29日生まれ。東京都出身。O型。
映画「醒めながら見る夢」「ハンガーZ」、テレビ『仮面ライダーディケイド』『戦国鍋TV』、舞台「弱虫ペダル」「殺意の衝撃」などドラマ、映画、舞台などで活躍中。

武田梨奈
●たけだ・りな…1991年6月15日生まれ。神奈川県出身。AB型。
映画「ハイキック・ガール!」「祖谷物語―おくのひと―」「かぐらめ」「進撃の巨人」などに出演。4月12日スタート「重版出来!」(TBS系)をはじめ、ドラマ、映画、CMなどで活躍中。


作品情報

映画「ドクムシ」

「ドクムシ」
4月9日(土)~22日(金)2週間限定特別上映(R15+)
「niconico」ネットシネマ同時公開

スタッフ&キャスト
原作:合田蛍冬/八頭道尾(双葉社・E★エブリスタ)
監督:朝倉加葉子
キャスト:村井良大、武田梨奈、秋山真太郎、水上京香、宇治清高、野口真緒/駒木根隆介

ストーリー
 知らぬ間に謎の建物に閉じ込められた大学生のレイジ(村井)、キャバ嬢・アカネ(武田)ら、見ず知らずの7人。食料になりそうなものは何もなく、最後にたどりついた部屋で彼らの目に飛び込んできたのは、大きな寸銅鍋と肉切り包丁。そして7日間を静かにカウントダウンする時計。それらは7人を特定の場所に監禁して生き残った1人だけが助かるというネット上の都市伝説「蟲毒(ドクムシ)」を想起させるものだった。7人は過酷な環境に次第に理性を失い始める。

配給:松竹メディア事業部
製作:「ドクムシ」製作委員会

公式HP:http://dokumushi.jp
Twitter:@dokumushi_movie

(C)2016「ドクムシ」製作委員会 (C)合田蛍冬 八頭道尾/双葉社・E★エブリスタ

●photo/中村圭吾 text/甲斐 武
hair&make/吉田ナオキ(村井)、小松未季(武田)
styling/高橋亮