映画「哀愁しんでれら」公開決定!土屋太鳳が3度断った狂気のプリンセス役に挑戦

映画
2020年05月19日

 映画「哀愁しんでれら」の2021年早春公開が決定し、主演キャストを解禁。主演を土屋太鳳が務めることを発表した。

 ドラマ『時をかける少女』、映画「3月のライオン」、「ビブリア古書堂の事件手帖」などの脚本を務めた渡部亮平が本作の監督を務めた。本作の企画は次世代のクリエイター発掘のためのコンペティションであるTSUTAYA CREATORS’ PROGRAMに出品され、2016年のグランプリを受賞。監督自身の完全オリジナル脚本で映画化される。

 市役所に勤める平凡な女性が、一晩で怒涛の不幸にあい、すべてを失ってしまうところから物語は始まる。人生を諦めようとしていたが、8歳の娘を男手ひとつで育てる開業医と出会い、惹かれていく。彼の娘とも仲良くなり、プロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ駆け上がる。

 まさにシンデレラとなった彼女は、夫と娘と共に幸せな家庭を築いていこうと決意し、新婚生活を始めるのだが、ある日、前代未聞の凶悪事件を起こしてしまう…というストーリー。

 天真爛漫で真面目なイメージのある土屋が、本作では狂気の変貌を遂げるダークな女性役に挑戦する。脚本を読み3度オファーを断るも、4度目のオファーで「この物語は生まれたがってるんじゃないか」と感じ、主人公・福浦小春を演じることを決意したという土屋。

 今回公開された場面写真では、土屋の演じる小春がシンデレラさながらの美しいドレス姿で、娘が通う小学校の教室に佇んでいる。なぜドレス姿でこのような場所にいるのか、果たして彼女はどんな凶悪事件を起こしてしまうのか。謎が深まる1枚となっている。

 また、今回の発表に合わせて、土屋太鳳、監督の渡部亮平、プロデューサーの浅野由香(カルチュア・エンタテインメント)のコメントもあわせて解禁となった。

<コメント>
■土屋太鳳(主演・福浦小春役)
初めてこの物語を読ませていただいた時、私が感じたのは嫌悪感と疑問でした。光栄だけれど、なぜ私にと思って下さるんだろう。理由を知りたくて監督にお会いしましたが分からず、おこがましいながらお断りしました。覚悟できないまま取り組む物語ではないからです。
でも、脚本は私の前に戻ってきました。4回目に戻ってきた時、急に「この物語は生まれたがってるんじゃないか」と感じたんです。脚本の中で小春が泣いているようにも感じました。私に出来ることがあるなら、一緒に泣くこと。理解できるかではなく生まれてくるものを愛すること。そう感じたころ共演者を知り、そのかたと踏み出せるならと覚悟を決めました。
迷った末の撮影は得難い時間の連続でした。命が命を愛そうとする時の摩擦熱のような何かが今も心に残っています。感じていただけますよう。

■渡部亮平(監督)
初めての商業監督作品をオリジナル脚本で挑戦できる喜び--。
しかも主演は、SiaのMVを見たとき表現力の高さに圧倒された土屋太鳳--。
TCPでグランプリを受賞し、夢のようなチャンスを手に入れ、なにがなんでも面白い映画を作らなければと、一心不乱に完成まで突き進みました。脚本を書いたのは7年前、25歳の頃か……。なかなか実現しなかったおかげで、幸運にも最高の舞台が整い、胸を張れる商業デビュー作となりました。
「私は幸せになれるのか?」という誰もが抱える漠然とした恐怖を、なんとか拭い去り日々を懸命に生きようとする「哀愁しんでれら」の主人公・小春は、いま現在の土屋太鳳さんにどうしても演じて欲しい役でした。撮影を通して、怒涛の展開に振り回されながら、様々な表情を見せてくれる土屋太鳳という女優の表現力の豊かさに改めて胸を打たれました。
最後に。とびきり面白い映画に仕上がりました。「幸せにならなきゃ!」という想いに無意識ながら苦しんでいる方は必見です。いい人と結婚したい。いい暮らしがしたい。いい母親になりたい。いい子に育てたい。社会から押し売りされた幸福の理想像や手放せぬ願望によって、気づかぬうち真綿で首を締めるように追い詰められていく。普通だった女の子を、まったく想像もしてなかった存在にまで変貌させてしまう。「哀愁しんでれら」は決して他人事ではなく、あなた自身が主人公になりうる物語です。あっ、白馬の王子様は登場しません。でも、もっと素敵な俳優が出演します。続報をお楽しみに!

■浅野由香(プロデューサー)
この物語の中で生きる小春はどこにでもいる可愛らしい真面目でひたむきな女性です。小春をイメージした時に最初にはっきりと思い描けたのが土屋太鳳さんでした。いつも笑顔で頑張り、相手を気遣い、たおやかで母性を持ちながら、新しいことへ飛び込むことに躊躇しない大胆さ。小春の移りゆく様々な感情を等身大で細やかに表現してくれると確信してオファーしました。そして、いざ撮影が始まってみると、私の想像を超える小春がそこにいたのです!“土屋太鳳”という女優に新しい1ページを創ることが出来たのではないかと勝手に思っております。
この作品は弊社TSUTAYA CREATORS’ PROGRAMより選出されました。最終選考では喧々諤々の議論を呼び、この議論こそがまだ見ぬ面白さが詰まった作品の証拠ではないでしょうか。今回で渡部亮平監督は商業映画デビューとなります。その演出と脚本は、時に大胆に、時にワガママに、世界を狙える作品となりました。
土屋太鳳さん演じる小春が皆さんの隣人として現れる日は2021年早春。ぜひ劇場でお楽しみください。

<作品情報>
「哀愁しんでれら」
2021年早春公開

キャスト:土屋太鳳 ほか
監督:渡部亮平
配給:クロックワークス

<あらすじ>
市役所に勤める小春は、幸せでも不幸せでもない平凡な毎日を送っていた。しかしある夜、祖父が倒れる→慌てて車で病院に向かうも父が飲酒運転で連行される→自宅が全焼→警察で事情聴取→頼りにしていた彼氏の浮気を目撃(しかも相手は自分の同僚)…一晩で怒涛の不幸にあい、すべてを失う。
そこに現れたのが、8歳の娘・ヒカリを男手ひとつで育てる開業医の大悟。優しく、裕福な大悟は、まさに王子様のよう。彼のプロポーズを小春は受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ。しかしその先には、想像もつかない毎日が待っていた--。

© 2021 「哀愁しんでれら」製作委員会