金子ノブアキ インタビュー「バスケは、見れば見るほど奥深い」WOWOW NBAファミリー

特集・インタビュー
2017年04月28日

プレーオフ東西1回戦から頂上決戦NBAファイナルまで世界最高峰のプロバスケットボールリーグNBAのプレーオフトーナメントが、WOWOWにて放送。WOWOW NBAファミリーの金子ノブアキさんにバスケとの出会いからNBAの今後の展望までたっぷり語っていただきました。(取材日:4月16日)


「眠れない日々が始まってしまいました(笑)」

金子ノブアキ インタビュー

◆金子さんが生中継のゲストに出演したプレーオフ東の第1戦“ペイサーズVSキャバリアーズ”は、ペイサーズが残り20秒で1点差にまで迫ったもののキャバリアーズの勝利というドラマティックな試合でした。

今季は、勢力図が昨季までとは全く変わったリーグになってしまったんで、レギュラーシーズンも意外性に富んでいて面白かったんです。僕にとってプレーオフは、全試合ちゃんと見たいから早起きしているので、いよいよ眠れない日々が始まってしまったという感じ(笑)。やっぱり「想像してなかったことが起きるだろう」って話はしていたんですが、本当にそのとおりになってすごく楽しくて。この試合もそうだったんですが、僕は最後の1ポゼッションまで勝敗が分からない試合、これが見たくてバスケを見てるかもしれないです。ただキャバリアーズは、経験の差というかレブロン・ジェームズがダブルチームにいくタイミングも含め、戦略が抜群でしたよね!

◆実際に現地でご覧になったことはありますか?

あります!でも、最後にニューヨークで見たときから2、3年経っちゃったかな。マンハッタンの伝統あるマディソン・スクエア・ガーデンで、奮発して結構いい席で見ました。しかも僕が見に行った日はすごくラッキーで、ニューヨーク・ニックスっていうチームが最後に優勝してから、ちょうど40年目の日だったんです。だから、ハーフタイムにレジェンド選手を呼んだセレモニーが開かれて、観客全員に優勝リングのレプリカがプレゼントされたんですよ。ちなみに僕は、シューティングから見たくて試合開始の2時間前ぐらいに入ってたんですけど、ニックス好きでニックスの出場試合を全て見ている映画監督のスパイク・リーは、僕より先に入っていて掃除のおじさんと普通にしゃべっていました(笑)。

◆そんなNBA好きの金子さんのバスケとの出会いを教えてください。

僕が小学生の頃は、マイケル・ジョーダンの全盛期でスーパースターだったんです。ジョーダンモデルのバッシュがすごくはやったりして、彼自身が一大ムーブメントでした。そこに週刊少年ジャンプで「スラムダンク」のスタート、NBA選手のCMへの出演などもあって、日本の男の子たちがバスケにすごく注目していた時期だったんです。だからごく自然と僕はバスケにはまっていったのかもしれませんね。そのあと音楽を志すようになっても、バスケとストリートカルチャーがすごく密接だったので、ファッションもそうですが、いろいろ好きなものが僕の中でつながっていった感じはします。

◆金子さんから見てNBAの魅力とは何だと思いますか?

まず球技スポーツの中で、トランジション、攻守の切り替えが早いスポーツだと思うので、見ていて飽きないことが1つですよね。ただその中でゆっくり駆け引きが行われていて、どこでファールをするのか、何回ファールをするのか、これは終盤になってくると重要になってくる。そういう見れば見るほど奥深いところは、やっぱり面白いですよ!ただ僕は、とてもこの世の者とは思えないと言うか、全員2メートル近くある選手たちの身体能力にも目が行っちゃって浮世離れしているな、とかちょっとファンタジーだなという視点で観戦できることもNBAならではだと思っています。


「愛ゆえに、誰か今のウォリアーズを倒してほしい」

◆今後のプレーオフは、どういう展開になっていくと予想していますか?

初戦を見てから、全く分からなくなりました。ずっと応援していたウォリアーズはシーズン67勝、3年連続リーグ最高勝率を記録しているほどでちょっと強すぎるというか、僕自身引いてる部分もあるんです(笑)。僕が大好きだった“ラン・TMC”と呼ばれたティム・ハーダウェイ、ミッチ・リッチモンド、クリス・マリンのトリオがいた90年代のウォリアーズは、生え抜きのプレーヤーを中心にめっちゃ走るオフェンシブなバスケを信条としていて。だから愛ゆえに、スター選手で強力に固めた今のウォリアーズを誰か倒してほしいなと。よく「どこを応援してますか?」って聞かれるんですが、今年はサンダー推しです。ラッセル・ウェストブルックはすごかったもん、MVPあげなきゃダメだよね!

◆ウェストブルックは、シーズントリプルダブルの偉業を達成しました。

これは、3部門で2桁を記録する、全試合平均で30得点10リバウンド10アシストということになるんですが、オスカー・ロバートソン以来55年ぶり史上2人目となる大快挙。昨年のウォリアーズの最高勝率もそうですが、何だか人類の進化を見ているような気さえしてきます(笑)。

◆MVPの行方も気になります。

そうですね、もちろん二大巨頭のレブロン・ジェームズ(キャバリアーズ)とステフィン・カリー(ウォリアーズ)も間違いないけど…。ロケッツのエースのジェームズ・ハーデンもすごい!ウェストブルックとハーデンとウォリアーズに移籍したばかりのケビン・デュラントって、かつてサンダーで同じチームだったんです。しかもハーデンはベンチの選手だったのに、今じゃ全員でMVP争いをするぐらいのスターになっちゃって。NBAにも歴史があって、いろいろなドラマもあるんですよ。

◆金子さんのバスケにかける熱い思いをうかがってきましたが、「WOWOW NBA16-17シーズン」の番組イメージソングになっているRIZEの「ONE SHOT」もバスケ愛にあふれていますね。

実はWOWOWさんが今季開幕戦の時に作ってくれたフル尺のPVを見た時、ボーカルのJESEEと熱いハグをしてしまったくらいうれしくて。彼も僕もNBAが大好きだから、デモテープもハイライト映像を見ながら作って、歌詞もこれまでにないくらい2人でやりとりをして考えました。例えば「what time is it?」「it’s game time!woo!」というところは、マイケル・ジョーダンがいた頃のブルズのゲーム前の掛け声なんですよ。他にも何の脈絡もなく、好きな選手の名前とか入れちゃってますけど(笑)。

◆これからの金子さんの“夢”を教えてください。

さっきバスケの魅力としてずば抜けた身体能力を挙げましたが、カリーを筆頭に日本人と同じような小柄な選手が第一線で活躍しているところを見ると、もっと夢を見ていいんじゃないかとも思ってしまう。やっぱり田臥勇太選手のような日本人NBA選手が見たいですよね!そしてできれば、引退してしまったコービー・ブライアントってお父さんが神戸牛がおいしすぎて、そこから“コービー”って名前を付けたっていうぐらい日本との親交も深かったりするので、レジェンド枠として1年間でいいから日本に来てくれたらいいのにな~って思います。僕だったら全部見たいもん、出る試合。追っかけますよね(笑)。殿堂入りの大スターが来てくれたら、日本のバスケも絶対盛り上がりますよ!

 

■番組情報

「超絶ドラマチック!NBAバスケットボール 16-17シーズン」
プレーオフ準決勝の注目試合を毎週5試合以上放送!
東西決勝、頂上決戦NBAファイナルは全試合生中継!
【WOWOWライブ】
4月29日(土・祝)前8・30~ プレーオフ東1回戦「ウィザーズVSホークス第6戦」※生中継
5月2日(火)前7・45~ プレーオフ東準決勝「ラプターズVSキャバリアーズ第1戦」※生中継

放送カードなどは、NBA ONLINEで検索
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■PROFILE

かねこ・のぶあき…1981年6月5日生まれ。東京都出身。B型。結成20周年を迎えるロックバンド“RIZE”のドラマーで、俳優としても活躍。現在40公演におよぶ全国ツアー「TOUR 2017“RIZE IS BACK”」を開催中

 
●text/山下紗貴