

日曜劇場『キャスター』(TBS系 毎週日曜 午後9時~9時54分)の最終回(6月15日(日)放送)を前に、伊與田英徳プロデューサーのコメントが到着した(最終回は、午後9時~10時14分の拡大版)。
本作は、テレビ局の報道番組を舞台に、闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく、オリジナル脚本の社会派エンターテインメント。主人公の報道番組キャスター・進藤壮一を阿部寛、進藤に振り回されながらも奮闘する総合演出・崎久保華を永野芽郁、進藤を尊敬するジャーナリスト志望の新米AD・本橋悠介を道枝駿佑が演じる。
父・哲(山口馬木也)の生前の足跡を追う中、JBN会長・国定(高橋英樹)の裏切りを知った進藤。2人の対決はやがて、放送局や政財界も交えた事態に発展することに。そんな最終回を前に、伊與田プロデューサーが見どころや制作エピソードを語ってくれました。
◆報道番組が舞台という、今までにない切り口となった本作。いつ頃から構想されていたんでしょうか?
もともと僕は昔、ドラマの小道具のアルバイトをしていたんです。そのときにたまたま報道部の人と話す機会があって、面白い世界だなと思って。今の仕事に就いてからも、ことあるごとに報道の方といろんなお話しをしてたし、それこそ『小さな巨人』のときに聞いた、報道の人がどうやって警察の人から話を聞き出すかみたいなことは、このドラマにも生きた部分だったりします。
◆実際にドラマとして描いていく中で、心掛けたことはありますか?
昔の報道番組は筑紫哲也さんや久米宏さんみたいな名物キャスターがいて、もっと個性的だったなと思ったんです。コンプライアンス遵守の世の中になった今、当時みたいな報道番組があったら面白いかなと。そういう意味ではちょっと批判的な目もあったんですけど、いろいろ取材してみたら、今も報道マンたちは真実を伝えることに誠心誠意向き合ってるんです。それに気づいてからは、そういう報道マンたちの姿を伝えようと心掛けるようになりました。
◆では、久米さんや筑紫さんをモデルに、主人公・進藤のキャラクター像を作っていったところもあるんですか?
どこか投影されている部分もあると思うんですけど、やっぱり阿部さんがどういうキャラクターになったら面白いか、それが一番です。ただ、実際に出来上がった進藤は一筋縄では行かない、ある種パワハラともとらえられる言動をしているので…映像になったときどうなるんだろうという懸念はありました。でも阿部さんが演じている姿を見て思ったのは、普通だと難しそうなキャラクター造形もグッと乗り越えていくパワーがあるんです。パワハラ的に見えてしまう言動も裏には真実があり、付いて行きたいと思える。そういう人物像は、阿部さんでないとできなかったと思います。


◆進藤に影響を受けて行く華と本橋を演じた、永野さんや道枝さんを見て感じたことは?
永野さんは撮影前から、阿部さんとの共演を楽しみにしていて。永野さんも多くの作品で主演を務めていますし、2人のやりとりにはワクワクさせられるものがありました。特に阿部さんとバチバチ火花を散らす様子は面白かったです。
報道番組の取材をしたりと前向きな姿勢を感じていて、やっぱり楽しみにしてました。見ていて感じたのは、本橋を通してお芝居の質も変わったかなと。相手とやりとりしながら自分のお芝居を作っていく楽しさを知ったというか。そんなふうに感じる瞬間がありました。
◆そして最終回、キーパーソンとなるのはやはり国定ということになるのでしょうか?
そうなります。43年前、自衛隊輸送機墜落事故を取材し、記事にしようとしていた哲。そして、それを阻んだ形となった国定はなぜ進藤をJBNに引き抜いたのか。そもそも進藤はなぜキャスターの道を選んだのか。ある意味、最終回は命を懸けて報道に臨む人たちの話でもあるんです。
◆実際、撮影中の阿部さんと高橋さんの様子はいかがでしたか?
まさに百戦錬磨のお2人のやりとりという感じで、すごく見応えありました。英樹さんはいつもにこやかなんですが、このときはすごい迫力で。そこに阿部さんがチャレンジャー的な雰囲気でぶつかっていくというか。まさに手に汗握る感じだと思います。
◆一方、命を落とした山井(音尾琢真)の無念を晴らそうと、一丸となった「ニュースゲート」。スタッフたちはどんな役割を果たして行くことになりますか?
実は「ニュースゲート」に新たなスキャンダルが発覚し、スポンサーも巻き込んだ対応に迫られていくことになります。最終回は、今まで扱って来た内容以上のタブーに切り込んでいると思います。「ニュースゲート」の放送さえできるかという事態に陥るのですが、何があっても日々のニュースは届けなければいけない。そんな報道マンたちの姿をしっかり描いていきたいです。


番組情報
日曜劇場『キャスター』最終回
TBS系
2025年6月15日(日)午後9時~10時14分
<出演者>
阿部寛、永野芽郁、道枝駿佑、月城かなと、木村達成、キム・ムジュン、佐々木舞香、ヒコロヒー、山口馬木也、黒沢あすか、堀越麗禾、馬場律樹、北大路欣也(特別出演)、谷田歩、内村遥、加藤晴彦、加治将樹、玉置玲央、菊池亜希子、宮澤エマ、岡部たかし、音尾琢真、高橋英樹
<スタッフ>
製作著作:TBS
脚本:槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大
音楽:木村秀彬
主題歌:tuki.「騙シ愛」
プロデュース:伊與田英徳、関川友理、佐久間晃嗣
演出:加藤亜季子、金井紘
©TBS