阿部サダヲ×松たか子の“黄金コンビ”が脚本家・坂元裕二作品で共演

ドラマ
2020年06月08日
『スイッチ』

 阿部サダヲが、6月21日(日)放送のドラマスペシャル『スイッチ』(テレビ朝日系 後9・00)に主演。ヒロインの松たか子との共演で、脚本家・坂元裕二の最新作に挑む。

 阿部と松と言えば、結婚詐欺をはたらく夫婦を演じた映画「夢売るふたり」など共演作多数の“黄金コンビ”。今作では阿部が出世とは縁遠い変わり者の検事・駒月直、松が直の元恋人で敏腕弁護士の蔦谷円を演じる。

 学生時代から7年間交際し、別れた後も何かにつけては顔を突き合わせ、憎まれ口を叩き合うという微妙な関係を13年間続けている直と円。そんなある日、2人は連続突き飛ばし事件をめぐって対峙し、互いに真実を追い求めていく。それぞれの現在の恋人も加わった複雑な恋愛模様が絡み合う、大人のリーガル・ラブサスペンスだ。

 脚本の坂元はドラマ『東京ラブストーリー』をはじめ、阿部が出演した『anone』やリモート制作の『Living』、松が出演した『カルテット』なども執筆。同局の作品を手掛けるのは今作が初となる。監督は、映画「君の膵臓をたべたい」などの月川翔が務める。

 なお、阿部と松以外の豪華キャストは後日発表される。

『スイッチ』

<阿部サダヲ(駒月直 役)コメント>
 僕、女優さんの中では松さんとの共演が一番多いかもしれないくらい、ご一緒させていただく機会が多いんですよ。なので、今回もまず松さんと共演できると聞いてすごくうれしくて、「台本読みました?」って連絡しました。僕はまだ読む前だったので「どうでした?」って聞いたら、「一回閉じました」っておっしゃっていたんですね。その後に僕も読んだんですけど…やっぱり一回閉じました(笑)。なんだろう…ちょっと多いな、文字がまぶしいなって(笑)。でも、この会話の応酬って坂元さんの脚本の魅力ですよね。自分では言わない言い回しが出てきて、最初はどうなんだろうって思っていても実際に言ってみると面白いんです!
 とはいえ、ここまでのセリフ量の掛け合いとなると、あまり知らない方とだとなかなか難しいので、本当に松さんとできてよかったなと思います。セリフ合わせもしてくださるし、本番で僕が急に言ったことも全部受け止めてくれるし、僕がセリフを変えちゃってもそれに合わせてくれる…本当にありがたいです。そんな松さんとの役者としての相性…僕は100%だと思っています。もし今、松さんに100%じゃないって言われたら…どうしよう(笑)。
 僕が演じる直、松さんが演じる円をはじめ、この作品には、普通の人が出てきません(笑)。みんな一見普通に見えるんだけど、“なんだ、この人!?”っていうキャラクターばかりで面白いんです。
 僕自身、検事の役が初めてだったので、勉強のために松さんも出ていらっしゃる『HERO』を見ました(笑)。あと、こういう大人の難しい恋といいますか、一筋縄でいかない恋愛ものをやったことがなかったので、すごく新鮮でした。ヒリヒリするような男と女の掛け合いを見てほしいですね。

<松たか子(蔦谷円 役)コメント>
 阿部さんともお話したんですけど、最初に台本を読んだ時、とてもセリフが多くて…一回閉じました(笑)。坂元さんはドラマを作る時に、“これってストーリーに必要なのかな?”って思うような人間の側面まで書かれる方なんです。人への愛情がとても深いのか、ものすごい観察眼で人を見てらっしゃるのか。坂元さん自身は本当のところ、どういうことを思って書いてらっしゃるのか知りたいような、知りたくないような…(笑)。この作品にもちょっとおかしな…というか、とても変わった人がたくさん出てくるんですけど(笑)、普通に生活している人たちの中にも結構いるのかもしれないと思って、生々しい話かもしれないなと感じました。
 役者としての阿部さんとの相性…、私は阿部さんにとって100%でありたいと思っています。そうありたいと思わせてくださる俳優さんなんですよ。ご本人にもお伝えしたんですけど、二人だけの長いシーンでも「阿部さんとだからできたんだ!」と思いました。
 以前に坂元さんのドラマ『カルテット』に出させていただいた時もそうだったんですけど、私は特に意識していなかったところを、視聴者の皆さんが深読みして「あそこにあれが映っているから…」とか、いろいろな意見を出し合って盛り上がってくださったんです。今回もそういうふうに、思ってもなかった見方をしてくださる作品になるのか…私も楽しみにしています!どうぞドキドキしながらご覧下さいませ。

<坂元裕二(脚本家)コメント>
 阿部サダヲさんと松たか子さん演じる離れられない二人の話です。詳しく言うと、離れられないの前に離れたいけどが付きます。離れたいけど離れられない二人の話です。好きじゃないけど好きだったり、好きだけど好きじゃないだったりもします。ラブストーリーだけどラブストーリーじゃない、サスペンスだけどサスペンスじゃないドラマかもしれません。最高だ最低だ、最低だ最高だと思いながら観ていただけたら幸いです。

<月川翔(監督)コメント>
 阿部サダヲさん演じる検察官と、松たか子さん演じる弁護士。離れたそうで離れられない2人を、まるで2人で1つの人格であるかのように感じながら演出していきました。お二人の達者な芝居に感嘆し、念願の[坂元裕二脚本]を監督できた幸運をかみしめつつ。このご時世に新作ドラマをお届けできることをうれしく思っております。

<中川慎子プロデューサー(テレビ朝日)コメント>
 2010年に坂元裕二さんを訪ねて以来、『テレ朝でオリジナルドラマを!』という10年越しの夢が、今回ついにかないました。“40歳を過ぎても、まだまだ生きづらい”そんな不器用で愛すべき40代の元恋人たちを、阿部サダヲさんと松たか子さんという最高の組み合わせでお届けできる幸せ。
 さらに、大人の恋とサスペンスを見事に映像化してくださった月川翔監督。
 坂元さんが紡いだ物語を起点に、キャスト・スタッフともに、テレビドラマの枠にとらわれない素晴らしい才能が結集してくださって誕生した今作。どうかご覧ください。

<あらすじ>
 横浜地検みなとみらい支部の検事・駒月直(阿部サダヲ)と、横浜ゴールド法律事務所の弁護士・蔦谷円(松たか子)は、学生時代から7年間付き合っていた元恋人同士。別れた後も、お互いに恋人ができると紹介し合う食事会を開いたり…と腐れ縁を10年以上続けていた。
 ある日、直は料理研究家である恋人の佐藤亜希を、円は広告代理店勤務の恋人、鈴木貴司を紹介し合うため4人で食事をすることに。貴司と亜希を交えたぎこちない食事会を終え、それぞれカップル同士で観覧車に乗り、夜景を楽しむことになった4人。観覧車の中で、奇遇にも直と円はそれぞれプロポーズされるのだが…。
 そんな中、直が担当している『みなとみらい連続突き飛ばし事件』が、新たな展開を見せ始める。通行人の背中を突き飛ばして逃走するというこの事件の7人目の被害者が犯人を目撃し、捜査が進展すると思われた矢先、ついに死者が出てしまったのだ。これまでは週刊誌が犯人を『背中どん男』と名付けるなど、どこか軽視されていたこの事件だったが、事態は一気に深刻化する。しかし任意で警察の取り調べを受けることになった男・大木和馬が犯行を自供。加えて7人目の被害者の衣服繊維が付いた大木の手袋も発見される。ひとまずは傷害で逮捕令状を請求できると浮足立つ警察だが、直は殺人の証拠が見つかっていない段階での見切り発車に危機感を覚える。
 そんな中、円は事務所の所長・八角夏美から大木和馬の弁護を頼まれる。依頼人である大木の父親は、大手建設会社の次期社長と目されている大切な顧客のため、絶対に釈放を勝ち取らなければならない、事務所にとっての重要案件だという。ある理由から刑事事件を一切引き受けないと決めていた円だったが、条件付きで、渋々ながら大木を弁護することに。
 一方、物証を発見し、安心しきっている警察の調書を読んでいた直は捜査ミスを発見。さらに大木の担当弁護士が円だと知りがく然とする。
 検事と弁護士、それぞれの立場から事件の真相を追い求める二人――。
 一見単純に見えた事件の裏に隠された衝撃の事実が明らかになったその時、彼らにも人生の選択の時が訪れる。

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