上白石萌音「とにかく大事に安子を生ききりたい」『カムカムエヴリバディ』取材会開催

ドラマ
2021年04月17日

2021年度後期連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合ほか)のリモート取材会が先日開催され、ヒロイン・橘安子を演じる上白石萌音が登壇した。

『カムカムエヴリバディ』は、連続テレビ小説『ちりとてちん』の藤本有紀が、ラジオ英語講座と、あんこ・野球・ジャズ・時代劇を題材に書き下ろす“朝ドラ”第105作。上白石萌音・深津絵里・川栄李奈の3人が、母から娘へとバトンをつなぎ、戦前から戦後、そして令和まで物語を紡いでいくヒロインを演じる。

そしてこの度、本作のリモート取材会が開催され、ヒロイン・橘安子を演じる上白石が登壇。3月26日(金)にクランクインしたといい、「本当に毎日現場に行くことがうれしくて仕方がない日々を過ごしています。まさに『カムカムエヴリバディ』という名前のように、皆さんが『おいで! 楽しんでいこう!』と声を掛けてくださる太陽のような明るさを持ったチームで、安子としてのびのびとお芝居をさせていただいています」と笑顔を浮かべる。

安子の役柄については「愛情たっぷりに育てられた幸せな女の子で、私は14歳からの彼女を演じさせていただいているのですが、とにかくピュアでかわいらしい人柄です。それをまた助長するのが岡山弁で、岡山の土地が持つ柔らかさや大きさが詰まった岡山弁を話しているだけで、安子に近づけるような気がしています」とコメント。

また、安子は岡山県の和菓子店「たちばな」で生まれ育ち、和菓子が大好きという一面を持つが、それは上白石自身も同様のようで「私も和菓子が大好きなんですよ。一番はなかなか決められないのですが、クランクインしてから和菓子指導の先生が『これが“たちばな”の味です』と出してくださったおはぎが本当に美味しかったので、今のところ一番はおはぎです」と和菓子への愛を語る場面も。

舞台となる岡山県にもクランクインの2日前に訪れたといい、「初めて訪れたんですが、不思議とそんな気がしなかったんです。流れている時間の速度や空気みたいなものが、ちょっと私の地元にも似ていて」と明かした上白石。

「台本で岡山の地名などをたくさん読んでいたからか、全てがしっくりきて、答え合わせができたような気がしています。『ああ、ここで生まれ育ったから安子はこういう子になったんだな』というのを感じて、安子がストンと入ってきました」と振り返った。

初めて台本を読んだ際の感想を聞かれると「なんて素敵なんだって心から思いました。せりふの一言一言が本当に温かくて、これに携われることに幸せを感じながら読んだのが最初でした。でも、毎晩のように頭から最後まで台本を読んでいるのですが、何度読んでもその思いは変わらないです」と。

そして「この感動をちゃんとお芝居で表さなきゃと思って現場に行くと、周りの皆さんが台本をさらに深めたお芝居を目の前でしてらっしゃって、言葉がいきいきと輝いていて。毎シーン撮り終わるのが惜しいくらい、思い入れがすごく強いですね。早く皆さんにお届けしたい気持ちでいっぱいです」と本作への自信をのぞかせた。

さらに「父親役を演じる甲本(雅裕)さんが岡山のご出身なのですが、普段から積極的に岡山弁を使ってくださって、みんなも語尾など岡山弁を使いながら会話をしています。スタッフの皆さんも岡山弁のアクセントで安子のことを呼んでくださったりして」と明かし、撮影が行われている京都・太秦のセットにも岡山で感じた空気を感じているそう。

この作品の作品の題材のひとつはラジオ英語講座だが、上白石自身も自身も幼いころから英語を学び、現在ではNHKの「ラジオ英会話」のテキストで連載を持つほどに英語が堪能だ。

そのため、英語によって人生に大きな変化が訪れる安子への思いもひとしおのようで「安子は今の時点ではまだ英語と出会ったばかりで一生懸命勉強をしているところなんですが、私も勉強したての頃を思い出しました。何を話しているのか分からないけど、この素敵な言葉を話せるようになりたいと、歌を覚えるように真似っこをしながらやっていた初心をなぞりながらやっていきたい」と。

続けて「大正、昭和くらいの頃からラジオ英語講座というものがあったことに驚いて、どの時代もみんな学びたいとか外と繋がりたいという気持ちがずっとあるものなんだなと感じました。その原点を改めて知れるというのがうれしいですし、この時代ならではの学び方を楽しんでいけたら」と自身の経験も重ねて思いを述べる。

劇中でヒロインが深津、川栄にバトンタッチをしていくことに話題が及ぶと「背筋が伸びますね」と前置きしながらも、「親子3代の物語で、安子が発した言葉がるい(深津)やひなた(川栄)に繋がるところもあると思うので、一つひとつ丁寧にベストを尽くしていきたいです。とにかく大事に安子を生ききることが良いバトンパスに繋がると信じています」と今後の展望を語った。

連続テレビ小説は現在『おちょやん』が放送中。5月17日(月)から『おかえりモネ』が放送を開始し、その後に『カムカムエヴリバディ』が待ち受けている。

番組情報

2021年度後期連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか

この記事の写真

●text/片岡聡恵

©NHK