尾野真千子、向井理のねぎらいに号泣「今日はなんて日だ!」映画『いつまた、君と ~何日君再来~』初日舞台あいさつ

映画
2017年06月26日

126302_01_R 公開中の映画『いつまた、君と ~何日君再来~』の初日舞台あいさつが行われ、尾野真千子、向井理、岸本加世子、駿河太郎、深川栄洋監督らが登壇した。

 向井が大学生のときに、祖母の手記を家族や親戚と共に自費出版し、卒寿を迎えた祖母へお祝いとしてプレゼントした「何日君再来」を映画化した本作。この原作を基に向井自身が7年前から映画化を熱望し、企画にも携わった意欲作だ。深川栄洋監督がメガホンを取るほか、尾野、向井、野際陽子、岸本、イッセー尾形など豪華俳優陣が集結した。

 上映後の舞台あいさつだったため、総勢約500名の観客からは鳴りやまないスタンディングオベーションが。その様子を見た尾野は「感無量です!こんな経験初めてです。こうやってご褒美をもらえたことが本当にうれしいです」と号泣。

 一方、向井は「隣で号泣されると冷静になっちゃいますね(笑)。今までやってきてこういう経験が初めてなので、本当にうれしいです。たくさんの方々に届いたんだなと実感します。まだ実感が湧かないですが初日を迎えられることができました。僕にとっても皆さんにとっても特別な一日になりました。本当にありがとうございます。感無量です」とコメントした。

 昨年2月のクランクインから今日まで、本作を温め続けていた製作陣。尾野は「向井さんと2人でプロモーションを頑張ってきましたが、公開されることが寂しく感じてきて、自分たちの手からこの映画が旅立っていくんだね、って話していました。でも今日はうれしいね!良かった!」と喜びをあらわに。

 自身の祖母の手記を映画化した経緯について向井は「話を始めて7年、自分の家族(の映画)を残そうとは思っていませんでした。あの時代を生きてた人たちを残したかったんです。企画としてはいろんな人に頼りっぱなしでした。あらためて周りに感謝したいです」と感慨深げに語った。

 本作で向井演じる吾郎の先輩“高杉”役を演じた駿河は「向井君とは初めてお仕事をさせていただきました。この企画を聞いたときに、なんておじいちゃんおばあちゃん孝行なんだと思いました。こんなイケメンでそんなええことされたら誰も勝たれへんやろと正直思いましたね(笑)。撮影時の向井君のスタッフへやキャストへの配慮もすごくて、惚れてまうやろ!と思いました(笑)。個人的に僕は『カーネーション』というドラマで尾野さんと夫婦役でしたので、元嫁が他の男と夫婦役を演じていることに少し嫉妬しました(笑)」と会場を沸かせた。

 印象に残っているシーンについて聞かれると、尾野は「全部のシーンが我が子のようです(笑)。家族で笑っているシーンは楽しくってみんなが幸せのシーンなので楽しかったです」と撮影当時を振り返った。向井は「僕は躍っているシーンですかね。大幅にカットされちゃいましたけど(笑)。南京の時代に、若かった吾郎が子供たちに向けて踊るシーンがあるんです。現場では一人でずっと踊っているので体力的にキツかったですが、子供たちの自然なリアクションを撮るために一発本番で臨みました」と語ると、駿河は「向井君が1人で踊っているところを見て、尾野さんと2人で笑ってました」とこぼれ話を披露した。

 また、先日逝去した野際との共演について岸本は「本来であれば野際さんが今日の舞台挨拶を楽しみにしておられたと伺いました。大先輩である女優の野際さんの映画としての遺作にご一緒できて本当に光栄です。現場ではとても元気でいらっしゃいました。深川監督からもっと弱った感じに……と演出をされるぐらい元気だったんです。本当に突然のことで悔やまれるのですが、今回の映画は私にとって宝物になりました」と言葉を詰まらせながら思いを語った。

 さらに、向井自ら主演・尾野に感謝の気持ちを伝えたいとサプライズ企画を実施。向井は「撮影期間は1か月でしたが映画というものは本当に大変でいろんな人が携わっています。俳優部の部長として作品を引っ張ってこられた主演の尾野真千子さんにお心ばかりのプレゼントを渡したいと思います!」と尾野の誕生月の花でもあり、劇中で尾野が着用していた黄色いワンピースをイメージした黄色のオンシジュームの花束をプレゼント。「お疲れ様。幸せだったよ!真千子と共演できて!映画って見えないところでたくさんの努力が必要なんです。一番先頭にやるってことはとても大変なことで、たくさんの拍手を頂けていることも彼女の才能です。本当にお疲れ様でした」と向井の愛あふれる言葉に、尾野は再び号泣。尾野は「今日はなんて日だ!本当に妻を演じさせていただいて本当に幸せでした。楽しい日々を迎えられて、ともに足並みそろえてここまで歩んで来られたことがとてもうれしいです。この映画を一番の宝物にします!」と喜びと感謝を語った。

『いつまた、君と ~何日君再来~』
公開中

出演:尾野真千子、向井理、岸本加世子、駿河太郎、イッセー尾形、成田偉心/野際陽子
原作:芦村朋子『何日君再来』
主題歌:「何日君再来」高畑充希(ワーナーミュージック・ジャパン)
脚本:山本むつみ
監督:深川栄洋  
製作:「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会
配給:ショウゲート  

<ストーリー>
どんなに貧しくても、父ちゃんが私の誇りだった。私、やっぱり父ちゃんがいい。
81歳になった芦村朋子(野際陽子)は、不慣れな手つきでパソコンにむかい、亡くなった夫・吾郎との思い出を手記として記録していた。しかし、朋子は突然倒れてしまう。そんな朋子の代わりに、孫の理が手記をまとめていくことに。そこに綴られていたのは、今まで知ることのなかった祖母・朋子(尾野真千子)と祖父・吾郎(向井理)の波乱の歴史と深い絆で結ばれた夫婦と家族の愛の物語だった。そして、その中ではじめて語られる朋子の子供たちへの思い――。その手記は、進路に悩んでいた理(成田偉心)に、そして朋子に対してずっとわだかまりを抱いていた娘・真美(岸本加世子)の心に変化をもたらしていく――。

©2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会