『ブランカとギター弾き』主演サイデル・ガブテロ来日

映画
2017年07月15日

129793_01_R 7月13日(木)に渋谷・ユーロライブで映画『ブランカとギター弾き』のトークイベントが行われ、主演のサイデル・ガブテロと、長谷井宏紀監督が登壇した。

 長谷井宏紀監督が日本人として初めてヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の全額出資を得て撮影し、世界中の映画祭で高い評価を得た『ブランカとギター弾き』。YouTubeの歌姫として国内外で人気を集めていたサイデル・ガブデロが主人公・ブランカ役に抜擢され、彼女に生きる術を教える盲目のギター弾きをピーター・ミラリが演じる。 その他の出演者はほとんど路上でキャスティングされた。 今回サイデル・ガブデロが来日し、長谷井宏紀監督とトークイベントが開催された。

満員の会場に、まずはMCの呼びかけで長谷井宏紀監督が登壇。「暑いですね。空調の調子が悪いみたいなんですが、フィリピンを感じていただければ(笑)」と挨拶した。世界での映画祭での評判について聞かれると、「スイスでの観客賞を受賞したのですが、その時に映画を観たスイスの年配の女性から(この作品を観て)今日一日が楽しい日になった、と言ってもらえたし、韓国では上映が終わった後に観客のひとりが、飲みかけのコーヒーを、私にはこれしかないけど、ってくれたんだ。私にはこれしかあげれるものがないってね(笑)もちろん全部飲み干したよ」と。

また、ストリートでキャスティングを行なったことについては「オーディションを途中までやっていたんですが、10歳のブランカという役に25歳のアクロバテッィックが得意な人が来たりとしたので(笑)、その土地で、その場所で生きる人を欲していたので、結局路上キャスティングをしました」と語った。スラムの子供たちと作品を作ることについては、「スラムの子供達は遊びと仕事が同じ位置にあって、そこが良かったです」と。さらに、音楽を重要な要素の一つにしようと思ったのはなぜかという質問には「音楽が嫌いな人はいないですよね。ジャマイカとかルーマニアとか音楽が日常と一緒にある場所に行くのが好きなので」とコメント。

そしてここで主演のサイデル・ガブテロが盛大な拍手の中、元気いっぱいに登場。初めての来日について聞かれると、「たくさん回りたいところがあってとても楽しみでした。昨夜はインタビュー取材がたくさんあって、あまり回れなかったです。でも明日、帰国前にディズニーランドに行けるといいな、と思います」と13歳ながらの可愛らしい答えが返ってきた。さらにMCから去年の11月ぶりの長谷井監督との再会の感想を尋ねられると「再会はとても嬉しいです。ホテルに着くと、監督が踊りながら迎えてくれました」と話し、会場からは笑い声が湧き上がった。

映画の感想については「20日間の撮影の中で、色々な経験をしました。出来上がった映画を観てとても感動しました」と返した。
また、今作が初めての映画出演で、初主演あることに関しては「初めての映画、初めての演技だったので、色々な思い出があって、どの思い出も忘れられないです。」と答えた。撮影中の監督の印象を聞かれると「監督は撮影の前と後に冗談を沢山言ってくれたり、ダンスをしてくれたりしました(笑)。また、監督の口癖が“Really(本当?)”だったので、それをからかったりしていて、本当に面白かったです」と撮影時を振り返った。

質疑応答に続いてサイデルは家族の大切さをうたった歌である劇中歌「カリノサ」を含む三曲を披露。会場を力強く伸びやかな歌声で魅了した。

歌を聞いた監督も「いいね。最高」と、感極まってコメント。彼女の成長について聞かれると「また彼女と一緒に映画を作りたい」と再タッグを熱望した。

最後に「映画を観終わった後に渋谷の町並みを歩きながら、いい夜を過ごしていただければ」と長谷井監督、「今日はお集まりいただきありがとうございます。そしてまたこの映画を応援していただいてありがとうございます。映画を観終わって、お家に帰りながら目に涙が浮かんでいると良いなと思います」とサイデル・ガブテロが観客に向けてメッセージを送り、イベントは幕を閉じた。

『ブランカとギター弾き』
シネスイッチ銀座他にて7月 29 日(土)より全国順次公開!
HP:transformer.co.jp/m/blanka/

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