「宇宙でいちばんあかるい屋根」完成披露試写会開催!清原果耶「本当に本当に大切な作品」

映画
2020年08月04日

9月4日(金)から全国公開される清原果耶の主演映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」の完成披露試写イベントが、8月3日(月)に開催。新宿バルト9で行われたイベントでは主演の清原果耶、藤井道人監督に加えて、リモートで桃井かおりが登壇した。以下、オフィシャルレポートを掲載する。

ステージ上には、まず主演の清原果耶と藤井道人監督が登壇。そしてMCの声掛けと共に、星ばあ役の桃井かおりが宇宙でいちばん“遠距離”な完成披露試写会と題し、LAより生中継で登場。「こっちは夜中の2時半よ~。健気でしょ桃井!」とさっそく桃井節を炸裂させ、会場を沸かせた。

清原が「今日は会場に足を運んでくださって、本当にありがとうございます。今日これから『宇宙でいちばんあかるい屋根』をご覧いただけるということが本当に嬉しい思いでいっぱいで、大切に大切に送り出したいなという気持ちで今日この場に立っています。今日はこれから楽しい時間を共有出来たらと思います」と挨拶。

続いて、桃井は「本当にこの時期に封切ができる幸せをしみじみ感じています。とにかくいい映画なので!宜しくお願いします!今日はありがと!」と語りかける。藤井監督は「ちょうど一年前の今日、この映画をクランクインして一年後の今日、完成披露で皆さんにお届けできることを光栄に思っております。こういう時代だからこそ観ていただきたい映画が完成しました。今日は皆さん楽しんでいってください」と、3人それぞれの挨拶からイベントがスタート。

久しぶりの対面となる桃井に対し、清原が「お久しぶりです~、お元気ですか?」と声を掛けると、桃井は「元気ですよ~!」と満面の笑顔で返す。「うれしいですね、こうやってまた顔を見られて光栄です」と1年ぶりの画面越しの再会を楽しんでいる様子。「いや~本当はそっちに行ければ良かったんだけどねぇ」という桃井の言葉に、清原は「画面越しでもうれしいです!」と答えた。

完成した本作を観た感想について、清原は「私はもう正直、放心状態になってしまいました。初主演作という言葉だったりとか、エンドロールで自分の歌った歌が流れるとか、なかなか客観視できなくて。あ、終わったっていう安心感にも似た喪失感みたいなものが大きかったような気がしています」と明かす。だが、「一緒に初号を観たスタッフのみなさんが、すごい良かったよ!っていう言葉をかけて下さったので、いい作品になったんだな。良かったなって。嬉しい気持ちはありました」と実感した模様。

桃井は「私は反対に、今まで自分が出た映画の中でいちばん自分が出てることが気にならなかった映画なんですよね。それですごく映画として観られました。監督が、これは群像劇じゃなくて彼女の世界を描いてるんだって。出来上がって作品を観たらそれがよく分かって、観てすぐに監督にメールしたくらい」と話す。それに対して、藤井監督は「はい、すごい嬉しいメッセージをいただいて、心臓がバクバクバクってなりました(笑)」と明かした。

昨年の日本アカデミー賞で話題となった「新聞記者」と全く異なる作品に挑戦したことについて、藤井監督は「逆に『新聞記者』の方がイレギュラーという感じで。今回はプロデューサーの前田さんからこのオファーをいただいたときに、今まではずっと暗いところから光を目指すような映画を撮っていて、今度は明るいところからしっかりと暗いところを照らしていけるような作品を描いてみたいなと思って挑戦しました」と本作の出発点をつまびらかにする。

本作が初めての藤井組となる桃井は、藤井監督について「『新聞記者』を観て、その話をしているときにメールをいただいたので、運命を感じたのもあるし、監督がこんなものを作るのかっていう驚きもあったし、ワクワクもしたし、本当に年を取ってきたので、こういうオファーを待っていたという思いで嬉しかったです」と出演の経緯を明かした。

本作で名コンビを演じた清原と桃井だが、お互いの印象について清原は「私が何か口にするのもおこがましいんですけど…、一緒にお芝居をしていてこちら側に伝わってくるエネルギーの濃さとか強さみたいなものがとてつもなく大きくて、前を向かなきゃって奮い立たされるような、現場でご一緒していて必死に後を付いていきたくなるようなそんな印象でした」と、桃井の存在感の大きさを感じたようだ。

一方、清原について桃井は「ものすごい孤独な女優さんだなっていう(笑)。すごい真面目で本気で作品を見ているし、自分が何をすべきかを見ているから、絶対に邪魔しちゃいけないなという気持ちになったし、彼女がやろうしている、真剣にストイックに考えていること、彼女の表現しようとしていることが見えなくて、冗談抜きで私が付いていったんですよ。それで映画を観て、あぁ良かった!って本当に思いました」と率直な心境を吐露した。

共演した伊藤健太郎の印象について、清原は「すごく柔らかい波をまとわれてる方だなという印象があって。それはきっと伊藤さんの内から出る感覚なのかオーラなのか、すごく“優しい”っていう言葉が当てはまるような接し方をして下さったので、(自身が演じる主役の)つばめとしてすごく楽しく撮影をご一緒させていただきました」と答えた。

“星ばあ”という老婆役に挑んだ桃井はこの役柄に挑戦するにあたって心掛けたことを聞かれると、「実は全然なくて(笑)。監督が髪の毛を選んでくれたんですね。それで私の撮影前の仕事はパーマをかけるってだけだったのよ(笑)。あの頭で全部が出来ちゃうっていう、色々話したけど結局、頭だったっていうね(笑)。なんでそんなにこだわってたのか、それは監督に聞いてください」と冗談交じりに髪型の重要性を語る。

藤井監督は「自分の中の星ばあのイメージがもじゃもじゃなんですよね(笑)。それでいて、風になびかれてるイメージがあって。服とか髪の毛とか。でも、最初はカツラかもしれないなって思ってたら、次打ち合わせした時にはもうパーマをかけて下さっていて、それを観た瞬間に『あ!星ばあだ!』ってなったんですよ」と、現実でも桃井と“星ばあ”が重なったことを告白していた。

そして今回抽選で選ばれた招待者から寄せられた“宇宙いち聞きたい質問”を答えるコーナーでは、清原への「星ばあから言われた言葉で、何が1番心に響きましたか?」という質問が取り上げられる。

それに対して清原は「“しぶとく生きろ”って星ばあに言われるシーンがあるんですけど、つばめとしてその言葉を受け取った時ももちろん感じることがあったんですけど、完成したものを観て時間が経って今でもその言葉を思い返したときに、深く自分の中にその言葉が染み込んできて、今真っ直ぐ前を見てちゃんと今自分がやっていることを一つ一つ丁寧にしぶとく図太くやっていきたいなって、つばめとしても私としても心の中に残り続けるんだろうなって思います」と、自身の心にもその言葉が響いたことを明かした。

「今のこの全世界的にも厳しい時期に、星ばあだったら何て言うでしょうか?」という質問に対し、桃井は「生きとけ!ってことですかね。とにかく歳食ってみてはっきりわかったのはね、若いときに考えてたほど人生長くないんだなって。やっぱり生きてるってことは結構面白いなって、歳食ってからもまた人生面白いのでね、とにかく生きとけ!ですかね」と、星ばあさながらの金言を披露。

最後に、清原は「この作品は本当に本当に大切な作品で、撮影中から撮影が終わった後も、あんな奇跡的で充実していた輝かしい夏を藤井組のみなさんとキャストのみなさんと過ごせた私は本当に幸せだなあって今でも思います」と幸せを噛みしめつつ振り返る。そして「あの素晴らしい現場を経て完成した素晴らしい作品となっておりますので、大人になった方、これから大人になる方へ、すごく懐かしい気持ちにさせてくれるところもあれば、自分の行動を思い直したくなるような部分とか、そんな風に皆さんの心に何かが残るような作品になっていればなと思います」と述べた。

桃井は「若い時の悩みってちっぽけだったような気がするけど、悩みって大きい小さいとかじゃなくて、本当につらいんだなーって、若い時の自分を思い出すようなそんな映画になっています。こういう時期だから映画館に行ってとはなかなか言えないんだけど、でもやっぱり映画館で見てほしいな」と、作品に対する思いの強さゆえの願いをこぼす。

藤井監督は「これだけ屋根の下にいる時間はないよなと自分も家にいて思いました。たくさんの人にも見てもらいたいですが、みなさま一人一人の心に残るような作品になっていると嬉しいです。今日はありがとうございました」と締めくくり、大盛況のうちにイベントは幕を閉じた。

<舞台挨拶概要>
「宇宙でいちばんあかるい屋根」完成披露試写イベント
2020年8月3日(月)新宿バルト9 シアター9

登壇者:清原果耶、桃井かおり(リモートでの出演)、藤井道人監督

<作品情報>
「宇宙でいちばんあかるい屋根」
2020年9月4日(金)全国公開

出演:清原果耶、伊藤健太郎、水野美紀、山中崇、醍醐虎汰朗、坂井真紀、吉岡秀隆、桃井かおり

主題歌:清原果耶「今とあの頃の僕ら」(カラフルレコーズ/ビクター)
作詞・作曲・プロデュース:Cocco

脚本・監督:藤井道人
原作:野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)

配給:KADOKAWA

<WEB>
公式サイト:https://uchu-ichi.jp/

©2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会