是枝裕和監督の新作プロジェクトとして、初の韓国映画演出作品となる「ブローカー(仮)」の製作が発表。併せて、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナの出演が解禁された。さらに、是枝監督よりコメントも到着。
毎作品、現実と密接した主題意識をもとに、様々な人物の物語を鋭い洞察力と温かい視線で描いてきた是枝監督。これまでにカンヌ映画祭コンペティション部門に5回招待され、「そして父になる」では審査委員賞を、「万引き家族」ではパルムドールを受賞している。
フランス語と英語で演出した最新作「真実」で、さらに作品の世界を広げている是枝監督が、韓国の製作陣・俳優と共に長年温めていた企画がついに始動した。本作「ブローカー(仮)」は、子供を育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていくことができるように用意された“ベビーボックス”を巡って出会った人たちの話を描いた物語だ。
「義兄弟 SECRET REUNION」で共演したソン・ガンホとカン・ドンウォンとの再会、「空気人形」で是枝監督の作品に参加したぺ・ドゥナまで、韓国映画を代表する3人の俳優がキャスティングされた。
今回の発表にあたり、是枝監督は「3人の俳優はもとより、今回は尊敬する韓国のキャスト、スタッフの皆さんの胸を借りる気持ちで撮影に臨みます。頭の中で3人の名優を動かしながら、今脚本を書いているところで、僕自身が多分1番ワクワクしております。このワクワクを皆さんに共有していただけるような、スリリングで、ヒリヒリする、それでいて切ない映画にしたいと思っています」と、本作にかける意気込みを語っている。コメント全文は、次ページを参照。
なお、本作は現在シナリオを準備している段階で、クランクインは2021年を予定している。
是枝裕和監督 コメント
この「ブローカー(仮)」は、コロナ自粛中に『愛の不時着』や『梨泰院クラス』にハマったからやることになったわけではもちろん無く(ハマったのは事実ですが)、企画のスタートは、今から5年ほど前に遡るかと思います。
始まりは、やはり、役者さんでした。ソン・ガンホさんとは最初は釜山映画祭で、カン・ドンウォンさんは仕事で東京に来た時にお会いして以来、お2人と、東京や、ソウルや、釜山や、カンヌで交流を続けてきました。
最初はご挨拶程度でしたが、お話を重ねていくうちに、一緒に映画を、という流れに自然と変化していきました。
ペ・ドゥナさんとは2009年にご一緒してから、「また必ず一緒に、次は人間の役で」と固く誓っていたので、10年越しの夢が叶ったことになります。この3人はもとより、今回は尊敬する韓国のキャスト、スタッフの皆さんの胸を借りる気持ちで撮影に臨みます。
「ブローカー(仮)」はベビーボックスを巡る話です。
頭の中で3人の名優を動かしながら、今脚本を書いているところで、僕自身が多分1番ワクワクしております。このワクワクを皆さんに共有していただけるような、スリリングで、ヒリヒリする、それでいて切ない映画にしたいと思っています。
今回は、僕にとっては前作に続いて母国と母国語を離れての映画作りになります。言語や文化の違いを超えて一体何が伝わり、共有出来るのか?そもそも監督とはどういう存在なのか?作品作りを通して、もう少し踏み込んで模索してみたいと思っています。
<作品情報>
「ブローカー(仮)」
監督・脚本:是枝裕和
出演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナ
制作:映画社ジップ(ZIP CINEMA)
提供/配給:CJエンターテインメント
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