前田旺志郎インタビュー「寛治も千代にこういう思いを抱いたのかな」『おちょやん』

特集・インタビュー
2021年03月25日

現在放送中の連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合ほか)で、新たな劇団員・松島寛治役を演じる前田旺志郎さん。新派の劇団の座長の子だったが、早くに父が死亡。すると、鶴蔵(中村鴈治郎)によって鶴亀家庭劇に預けられ、千代(杉咲花)と一平(成田凌)のもとで生活することになるという役柄だ。

撮影には途中からの参加となり「当初はガチガチに緊張していた」と明かすが、それがほどけたのには、寛治にとって母のような存在となる千代役の杉咲さんの存在が大きかったという。

前田旺志郎インタビュー

◆『おちょやん』に出演することが決まったときの感想を教えてください。

“朝ドラ”の出演は今回で2回目になりますが、ここまでしっかりと作品に関わるのは初めてなので、うれしいですし緊張もしています。

◆ご自身の役柄についての印象は?

寛治は、自分が本当に思っていることをことばや表情になかなか出さない複雑な子です。なので、台本を何度も丁寧に読みながら、このセリフは本当はどういう思いで言ったのだろうと、書かれているすべてのことばの真意を自分なりに探しながら大切に演じています。でも、あまり理詰めに考えすぎないようにもしていて。
そして、寛治は千代と一平と暮らしているなかで、ある事件を起こしてしまいます。千代と一平はこれまで寛治が出会った人たちとは違い、このふたりだけは信用してもいいと思い始めた矢先の出来事だったので、僕の中ではなぜふたりを裏切るような行為をしたのかわかりませんでした。
でも、寛治もわかっていなかったんじゃないかな。自分自身でさえも理解できない部分があって、若さゆえの素直さと同時に、もろく危うい部分もあるということに気がつき、そのバランスを大切にして演じています。

◆収録に参加されてみて、現場の印象を教えてください。

杉咲さんは、撮影中はもちろんのこと、撮影以外でも千代そのもので、すべて包み込んでくれています!
僕は途中からの参加で、当初はガチガチに緊張していました(笑)。でも、まるで千代が寛治の面倒をみるように杉咲さんが常に気遣ってくれて、出演者やスタッフの皆さんに紹介してくれてだいぶ緊張が和らいで。きっと寛治も千代にこういう思いを抱いたのだろうなと思い、すんなりと演技に反映できました。

◆放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

毎日15分の中でストーリーの起承転結がちゃんとあり、悲しいだけでなく笑いもあり、優しい気持ちになれるドラマは“朝ドラ”ならではです。今後、物語は戦争に突入していき、寛治自身も千代との関係性が変化していくことになります。
人間の良い部分だけでなく汚い部分や悪い部分もすべて包み込んでくれるような作品になっていますので、全人類にご覧になっていただきたいです!

番組情報

連続テレビ小説『おちょやん』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか

WEB

番組公式HP:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/
番組公式Twitter:https://twitter.com/asadora_bk_nhk

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