Da-iCEインタビュー「手にすると消えてしまう泡みたいな、そんな恋なんだろうな」

特集・インタビュー
2021年03月27日

人気ダンス&ボーカルグループ、Da-iCEが配信限定シングル「Bubble Love」をリリース。LINE MUSIC「みんなで作る楽曲キャンペーン」として生まれた楽曲で、女子高生や若手男性社員から直接恋愛エピソードを聞いたボーカルの花村想太さんが作詞を手掛けている。歌詞作成やレコーディングの裏話を話してくれた。

◆配信限定シングル「Bubble Love」は、LINE MUSIC「みんなで作る楽曲キャンペーン」の第2弾アーティストに起用されて作られた曲。選ばれた時の心境はいかがでした?

花村想太:僕らが第2弾をやることが決まった時は、第1弾(もさを。)が発表されて進行中の状況だったので、これからどうなっていくんだろうって段階でしたが、面白そうだな楽しそうだなって印象がありました。

◆LINE MUSICユーザーの方から胸キュンエピソードを募集したと聞いています。

花村:集まったエピソードを基にLINE MUSICJK部とエイベックスの若手男性社員とお話をさせてもらいました。10人くらいとオンライン会議みたいな形で2時間くらいしゃべりましたね。本当にいろんな話が出てきて、自分の青春時代を思い出しながら聞いていた気がします。そこで聞いた「この人は私にこんなに優しくしてくれるのに、何で幸せにしてくれないんだろうと思います」という話が一番自分の心に刺さって、その言葉を軸にしようと思いました。そして原作を読み、原作とリンクさせながら考えて、見ている分にはいいけど、手にすると消えてしまう泡みたいな、そんな恋なんだろうなと想像して歌詞を書き始めました。

◆そんな女子高生の言葉を聞いて、メンバーの皆さんはどう感じました?

大野雄大:分かります。そのエピソードを詳しく聞くと、男性は彼女の気持ちに応えられない立場の人なんですよ。だから優しくはできるけど…って。「この人は他に好きな人がいる」「好きだけどこの人は結婚している」って、年を取れば取るほどそういうことは増えていくから、いくつでもそこは変わらないんだなと思いました。

和田颯:僕はそれはそれで高校生らしいなって気もしました。若いから故の大人びたい気持ち、年上の人と恋愛がしたい…そういう気持ちが女の子にはあるのかなって。カッコいい先生がいたら憧れたりするでしょうしね。

◆自分たちで歌う曲として手元に届いた時はどんな感想でしたか?

大野:歌詞もそうですが、メロディーラインもすごくカッコいいと思いました。ちょっと懐かしさを感じるような、僕が学生のころに聴いていたR&Bの質感の曲に色っぽい歌詞がのっていて好きな感じだなと。移動中もよく聴いています。

◆花村さんと大野さんは歌う時に意識したことを教えてください。

花村:自分で歌詞を書いたので、自分でデモを録りましたが、その段階では今の形よりキーが2つ高かったんです。どうしてもそのままの歌詞じゃ高いところが出ないと思って、なるべく歌いやすいように変えていきました。実際に2つ上のキーでもデモを録りましたが、本当にしんどくて! その日はずっと頭が痛くなるくらい、酸欠になりましたね。だから絶対にキーを下げてほしいとお願いしました。でも2つ下げてもなお高い!「CITRUS」という楽曲とトップが同じ音なので、スタッフの方には「原曲キーがカッコいいよ」と言われましたけど、「いや、歌えないと思うんで」と返しましたよ(笑)。

大野:歌うキーを鍵盤だけでサーチしないでほしいですね(笑)。ニュアンス、トラックの重さ、音数の多さ、楽曲になってみるといろんな要素が入ってきますから。

花村:トップの音が今回より高くても楽に出る場合もあるんですよ。でも今回は曲を聴いた時点で「無理だ!」と思いました。スタッフさんが「原曲のまま聴いてみたい」というので一度歌ってみましたけど(笑)。

大野:すごく思うんだけど、そう言われたら歌う側は歌うしかないけどさ。聞くほうはわがまま言うよね(笑)。「原曲のまま聴いてみたい!」とか。カラオケでも思うことあるんですよ。「この歌、もうちょっと上げて歌えないの?」とかね。言いたい放題だなって(笑)。

花村&工藤大輝&岩岡徹&和田:(爆笑)

工藤:2人はレコーディングに関しては、(高いキーの)自己新記録を更新していく感じだと思うんです。でもライブツアーでやるとなると、その自己新記録を毎回出さないといけなくなりますからね。レコーディングでは原曲キーでも歌えるかもしれないけど、ツアーで何十回も何百回もやるとなると難しいわけですよ(笑)。

花村:そう、もちろんこの曲も歌おうと思えば歌えるんですよ!

大野:ただ歌うだけじゃなく、この楽曲ならではの良さやニュアンスをつけないといけないからね!

岩岡:楽曲を単品で考えずに、ライブまで想定したフルコースで考えてくださいとお願いしたいってことだよね(笑)。

◆大野さんは実際にレコーディングで歌っていかがでした?

大野:キーに関しては、曲をもらう時に自分で調べるクセがあるので、「なるほど。おいしいな」と思っていたんですが、盲点があってBメロが結構またね…。

花村:そうなんですよ!(笑)

大野:Aメロで歩いて、Bメロで小走りになり、サビでジャーンプ! って気持ちだったのに、Aメロで歩いて、Bメロで結構ダッシュする感じなんですよ(笑)。

花村:Bメロ、間に合わない! みたいになりますよね。僕、デモを録る時にBメロだけ20回くらい歌いましたから。どうしても曲のニュアンスに合わせづらくて。

大野:マジか!!「Bubble Love」のBメロは世界観的にも歌詞の大事な部分が出ていると思うので、そこでニュアンスが出ないと曲として「おっ!」になってしまうからね(笑)。

花村:そうなんです! 声を張るんじゃなくて。

大野:ちょっと哀愁や切なさみたいなものを漂わせたいよね(笑)。

Da-iCEインタビュー

◆皆さんはお2人のボーカルが入った曲を聴いた時はどんな感想でしたか?

和田:「Da-iCEになった!」と。毎回思うんですけど、2人の声が入ると、「おお、Da-iCEだ」って。たまにデモを聴いていてどうしてもイメージが湧かなくて、「この曲大丈夫か?」と思うこともありますが、2人の声が入った瞬間に「Da-iCEだ」って思います。

岩岡:うん、Da-iCEみがすごい! 2人の声によってDa-iCEみが出るよね。聴くとスーッと入ってくる。

工藤:僕はデモの時から好きだったので2人の声が入ってより好きになりました。親近感がわくというか、2人のラフMIXあたりからこの曲をパフォーマンスするんだなって実感がわき始めますね。

PROFILE

Da-iCE…だいす。4オクターブのツインボーカルが魅力の5人組ダンス&ボーカルグループ。2011年結成。2014年にメジャーデビューを果たす。メンバーはボーカルの大野雄大、花村想太とパフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯。20215月より初の全国アリーナツアー「Da-iCE ARENA TOUR 2021 -SiX-」を開催する予定。

●工藤大輝(くどう・たいき)…1987628日生まれ、北海道出身。
●岩岡徹(いわおか・とおる)…198766日生まれ、千葉県出身。
●大野雄大(おおの・ゆうだい)…198941日生まれ、愛知県出身。
●花村想太(はなむら・そうた)…1990815日生まれ、兵庫県出身。
●和田颯(わだ・はやて)…199423日生まれ、群馬県出身。

作品紹介

配信限定シングル「Bubble Love

2021327日(土)よりLINE MUSICで先行配信
2021年3月31日(水)より各ストリーミングサービスにて配信

ツアー情報

Da-iCE ARENA TOUR 2021–SiX-

2021515日(土)~2021731日(土)
大阪・愛知・福岡・宮城・神奈川・北海道にて開催

photo/植田あすみ text/佐久間裕子