映画「バイプレイヤーズ」公開!濱田岳&柄本時生「存分に楽しんだ、ぜいたくな時間。感謝の気持ちでいっぱいです」

特集・インタビュー
2021年04月08日

映画「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」が2021 年4月9日(金)に公開! 本作は3月に放送を終えたドラマシーズン3から続くストーリーということもあり、まさにファン待望の内容となっている。そこでTV LIFE webでは公開に合わせた連続インタビューをお届け。トップバッターを飾ってくれるのは、次世代バイプレイヤーズの濱田岳さんと柄本時生さん。映画の物語を牽引する2人に撮影秘話をたっぷりと伺いました!

◆ドラマシーズン3と今回の映画でお2人は大活躍でした。まず最初に、出演が決まった時のお気持ちから教えていただけますか?

濱田:やはり脇役稼業の身としては、『バイプレイヤーズ』シリーズは夢のあるカッコいい作品という印象がありまして。あの皆さまの中に交ぜてもらえることに、素直に喜びを感じました。

柄本:僕はいろんなところで言い続けているのですが、シーズン1が放送された時、たまたま渋谷のスクランブル交差点で、『バイプレイヤーズ』の皆さんが歯ブラシをくわえている広告を拝見したんです。その時、「自分が5060歳になり、こうした作品があれば、僕はこの中にいられるんだろうか」と漠然と思いまして。そうした憧れのようなものもあったので呼んでいただいた時は本当にうれしかったです。

濱田:ただ、ちょっと恐れ多いところもあるんですよね。この作品に出演するということは、つまり「我々もバイプレイヤーズです」と名乗ることになるので、果たしてそこに入ってもいいのかなって。

柄本:そう! そうなんだよなぁ。すごく分かる。

◆でも今回のシーズン3と映画のテーマとして、“元祖バイプレイヤーズ”の皆さんからの「バイプレイヤーズは引き継がれていくものだから」という思いがあり、若い役者さんたちがフィーチャーされているとお聞きしました。

濱田:う〜ん…(いぶかしげな表情)。

柄本:分かんないですよね。あの先輩方の言うことですから。“どこまでが本当かな?”って思っちゃいます(笑)。

◆(笑)。では、シナリオを読んでみた印象は?

濱田:実名で出演していますが、役柄としては正反対だなと感じました。初めての監督作品の撮影に燃える役なんですが、実際の僕はこんなに熱い男ではありませんから。山積の問題を前にしたら、「あ〜、じゃあ、もうダメだね」ってすぐ思っちゃいますし(笑)。その意味では、普段のドラマと同じように役を作っていかないといけない大変さがありましたね。ただ、時生が一緒だったのが本当に心強くて。随分前に共演した時も親友役だったので、そこはすごく安心できる材料でした。

柄本:僕も同じです。キャスト表を見て、「あ、岳君だ!」ってうれしくなりました。共演するのは10数年ぶりですけど、勝手知ったる関係でもあるので、「一緒でよかったぁ」って思いました。

◆元祖の皆さんとの共演はいかがでしたか? やはり緊張はあったのでしょうか?

濱田:もちろんありました。しかも今回の映画では、若手代表みたいな描かれ方もされてましたから。

柄本:本番中は集中しているから平気なんです。でも、その直前の待機場所みたいな所で皆さんといる時が一番緊張しました。“…え〜と、どなたに声をかければいいんだろう…”ってあたふたしちゃったりもして。

濱田:そうだったね。普段の皆さんの雰囲気にちょっとのまれそうになったところはあったね。だって、冷静になればなるほど、あれだけの数の名優が同じ場所いるって本当にすごい現場だと思いますから。ただ、びっくりしたことがありまして。あのおじさん方は本番のギリッギリまでずーーっとしゃべってるんですよ(笑)。

柄本:ははははは! ホント、そうでしたよね。

濱田:大ベテランなんだから、しゃべってちゃいけないの知ってるくせに全然やめない。

柄本:しかも、その雑談の時のトーンと本番での会話のトーンが変わらないっていう(笑)。

濱田:そうかと思えば、アドリブ満載の中で、与えられたせりふをひと言発するだけでピリッとした空気を作るんです。その姿は、まさに先輩方の生きざまを見ているようでした。今回、多くの先輩方と共演して強く感じたのが、役者を長く続けるために大事なのは“人間力”なのかなということだったんです。皆さんが演技の技術をお持ちなのは言わずもがなですが、ずっと第一線で活躍している理由の1つとして、お人柄もあるんじゃないかと思って。現場ではいつも楽しそうで、自由に演技をし、決めるところは決める。そうした、すごくすてきなお手本となる背中を見せてもらった気がしましたね。

柄本:確かに、ぐうの音も出ないほどの人間力を見せていただきましたよね。

濱田:ただ、皆さんのそうした人間力はまねしようと思ってもできるものではないんです。だって、僕らにとっては勝村(政信)さんの姿なんて、何の勉強にもなりませんでしたから(笑)。

柄本:ははははは! そうだったね。勝村さん、ホントに意味が分かんなかったです(笑)。

濱田:突然、奇声を発したりするし。それを見て、「勉強になりました」なんて言ったら、逆に失礼ですよ(笑)。小沢(仁志)さんに至っては、「俺、台本読んでねぇんだよ!」って自慢してきましたし。

柄本:どう答えていいのか分からなかったよね(笑)。

濱田:それでも皆さんは素晴らしい名優になっている。これはもう人柄という人間力でしかないです。

柄本:それと、驚いたのが、どれだけ自由に演技をされていようと、たとえ何が起きようとも、シーンの肝となるせりふはバチッと決めてくるんです。だから、すごく安心感がある。

濱田:そうだったね。しかも、あれだけの人数で好き勝手しゃべっていても、せりふが重なることも絶対になくてね。

柄本:お互いの呼吸を感じ取る耳がすごくいいんだと思います。それを間近で体感できたことは本当に幸せでした。

◆そう言えば、松居大悟監督が今回の現場について、「アドリブだらけの先輩と対峙する若手はきっと大変だったと思う」ということをおっしゃっていました。実際はいかがでしたか?

柄本:それについてはですね…とんでもなくワチャっとなって収拾がつかなくなると、岳君が僕の背中を押すんですよ(笑)。

濱田:はははははは!

柄本:先輩方がやりたい放題になればなるほど、カメラに映ってない所でグイグイ押してくる。で、“ちょっ、何してんの?”って思った時には、そっと離れて遠くにいるんです。

濱田:分かりやすい言葉で言えば、“捨て駒”ですかね(笑)。思ったとおり、時生は先輩方からボロ雑巾のように扱われてましたし、案の定、本宮(泰風)さんに頭をむしられていました(笑)。

柄本:あの時はびっくりしたなぁ。スタッフさんもみんな笑ってて。でも、すごく楽しかったです。

◆そんな攻防があったとは(笑)。けど、元祖の皆さんも松居監督も、「岳君と時生君は、“受け”の芝居が抜群に素晴らしい」と絶賛されていましたよ。

濱田:本当ですか? でもですね…そんなお褒めの言葉を頂いてなんですが、皆さんのあの自由な演技を我々がどこかで受け止めないと、撮影がいつまでたっても終わらないんですよ(笑)。

柄本:ね、こちらが処理するまでやめてくれませんから(笑)。ただ、それで言えば岳君がいてくれて、本当によかったなと思いました。岳君は川の流れのように皆さんのアドリブを右へ左へときれいにさばいていくんです。僕は真面目と言うか、ガチガチの岩のように正面から受け止めるしかできなくて。だから、たまに捨て駒として川のど真ん中に放り込まれて、岳君はどこかにいっちゃうんですけどね(笑)。

濱田:いや、だって、(芳根)京子ちゃんや(高杉)真宙ちゃんをあのおじさまの中に捨てていくわけにはいかないでしょ!?

柄本:そうか…そうですよね。僕が行くしかないですよね。

濱田:だから、“時生、ごめん!”って思いながらやってたの(笑)。

◆(笑)。では最後に、お2人にとってこの『バイプレイヤーズ』はどんな作品になりましたか?

柄本:以前、原田芳雄さんがおっしゃった言葉ですごく心に残っているものがあるんです。「映画は俺たち(役者)の宝箱だから」と。この作品には、同じように思っている方ばかりが集まっていると思いますし、僕にとっても宝物のような場所でした。ですので、参加できたことを本当に幸せに思っています。

濱田:僕たちはシーズン3と映画からの参加でした。ですから、現場では元祖の皆さんやスタッフさんたちが、“1の時はこうだったんだよ”といろいろ教えてくださったんですね。その時、皆さんがすごく幸せそうな表情をして大杉漣さんのお名前を出されていて。そのうれしそうな顔を見るたびに、ものすごく深い愛と思いのこもった作品なんだなと感じ、僕も幸せに思っていました。また、個人的にもこれほどのお祭り感の強い作品に、キャストの1人として参加させてもらえたことがうれしくて。きっと僕たち以上に出たいと思っていた人はたくさんいると思うんです。そうした中で、僕らを選んでいただき、先輩方の中に交ざれたことには素直に喜ばないと失礼にあたると思うので、存分に楽しみ、ぜいたくな時間を過ごさせていただきました。本当にこの作品に携われて、感謝の気持ちでいっぱいです。

PROFILE

濱田岳
●はまだ・がく…1988628日生まれ。東京都出身。A型。今後の出演作に2021年度後期連続テレビ小説『カムカムエヴリバティ』(NHK総合ほか)、2021年6月スタートのドラマ『シェフは名探偵』(テレビ東京系)などがある。

柄本時生
●えもと・ときお…19891017日生まれ。東京都出身。O型。今後の出演作に2021年4月24日(土)スタートのドラマ『泣くな研修医』(テレビ朝日系)、映画「BLUE/ブルー」(2021年4月9日(金)全国公開)などがある。

作品紹介

映画「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」
2021年4月9日(金)より全国公開

STAFFCAST)
監督:松居大悟
主題歌:Creepy NutsWho am I」(ソニー・ミュージックレーベルズ
脚本:ふじきみつ彦、宮本武史
出演:田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子、有村架純、天海祐希、役所広司ほか

©2021「映画 バイプレイヤーズ」製作委員会

photo/干川 修 text/倉田モトキ

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