桐山漣×小西桜子インタビュー「『ラブファントム』という新しいジャンルができた」

特集・インタビュー
2021年05月13日

桐山漣&小西桜子インタビュー

話題の“溺愛系”ラブストーリーの中でも、最上級の“完璧彼氏”がこの『ラブファントム』で誕生した。“怪人”と呼ばれるほど仕事ができ、容姿端麗、冷静でスマートさも兼ね備えたエリートホテルマン・長谷慧と、不器用だが裏表のない“癒やし系”のピュアなホテルカフェ店員・平沢百々子との、キスから始まる“秘密の恋”を描いたラブストーリー。本作で長谷を演じた桐山漣さんと、百々子を演じた小西桜子さんに、演じる上で心掛けたことや、溺愛するものについて語ってもらいました。

◆キスから始まる秘密の恋を描いた溺愛系ラブストーリーの本作。かなり刺激的な設定ですが、お二人はどんな作品だと感じましたか?

桐山:こういった作品は、後にも先にもないでしょうし、特に今の時代、すごく攻めた作品になっていると思います。過去にもキスシーンが多い作品をやらせてもらったことがあるんですが、この作品はそれをはるかに超える分量だったので、僕の中で1つの軸みたいなものが崩れました。『ラブファントム』は『ラブファントム』というか、ほかと比べようにも突き抜けている印象です。『ラブファントム』という新しいジャンルができたんじゃないかなと思います。

小西:ドラマでヒロイン役をやらせていただいたのが、この作品が初めてだったんです。なので初めてだらけで、ドラマの洗礼を受けました。この撮影の後にいろんな作品に出演させてもらっているんですが、今となってはこんなにも熱量が高くて、監督が細部までこだわって何テイクも撮る作品というのは、すごく珍しかったんだなと気づきました。お芝居も一から指導していただいて。恋愛系、ヒューマン系の要素が『ラブファントム』には詰まっているので、ここで経験させてもらったことがその後のお芝居に全部生きています。今の自分がいるのは『ラブファントム』のおかげかなと思っています。

◆桐山さんは、長谷役をやることにどのように思われましたか?

桐山30歳も半ばになって、このような王道系の主人公をやることになり、すごく新鮮な気持ちになりましたし、声をかけていただけてうれしいです。

◆小西さんは、百々子を演じるに当たってご自身と重なる部分はありましたか?

小西:台本だけでなく、原作も読ませていただきました。とても甘い王道のラブストーリーで、百々子の純粋さや真っすぐさというのはすごく共感できました。百々子のようなピュアさにすごく憧れます。1本芯が通っていて、1つのことに対して、考えるよりもすぐ行動に移せるところは魅力的だなと。女の子もそうですが、大人の女性にも楽しんでもらえる作品だと思います。

◆演じるに当たって心掛けたことを教えてください。

桐山:長谷は隙がない完璧なホテルマンで、“怪人”と呼ばれていて、とにかく周りからとてもすごいと思われている人なんです。僕は隙がありすぎるので、長谷と似ているところは、自分で思う限り全然なくて(苦笑)。ですが、原作のファンの方がたくさんいる作品に出させていただくので、言い回しや間もそうですが長谷のホテルマンらしい身のこなしなども意識して役柄に取り入ました。

小西:原作の百々子というキャラクターのちょっとしたドジなところだったり、おっちょこちょいな部分、人に愛されるというところを、どうやったら実写でうまくできるかなと考えつつ、百々子を楽しみながら演じさせてもらいました。

◆御法川修監督から演じるに当たり、特別な要望や演出はありましたか?

桐山:監督からは動きを中心に要望があったんですが、役柄に関しては、その都度気になったところをディスカッションして、演じていました。逆に、僕から長谷を演じるに当たって、「人間離れしたようなものにはしたくない」と監督にお願いしました。怪人とは言え、1人の人間だから、孤独な部分や、完璧な人間だけではない側面っていうのを、百々子の前だけでは見せたいと思ったので。

小西:監督とはいろいろ話したんですけど、最初の衣装合わせの時に「これを参考にしてほしい」と監督からいきなりウサギのDVDを渡されまして…。正直、これをお芝居に取り入れるのは難しいなと思ったのですが(笑)、現場でも監督から直々にお芝居の指導をしていただき、ぴょんぴょん跳ねたり、目をパチクリさせたり、ウサギっぽい百々子ならではの動きができた気がします。

◆キスシーンが多い本作ですが、お2人が特に印象に残っているキスシーンを教えてください。

桐山:監督がどういうふうにキスしてほしいのかをあらかじめ僕らに指示をしてくれていたんです。激しめなキスがあったり軽めのキスがあったり、いろんなバリエーションのキスシーンがあるので、どれをピックアップしたらいいかなと思うんですけど、1番印象に残っているのは百々子を冷蔵庫ドンしてキスするシーンですね。キッチンで、百々子がカヌレを作っている時だよね。

小西:百々子が相楽(細田佳央太)に、カヌレを作っている時でしたよね? そこで1回冷蔵庫ドンがあったんですけど、ちょっと空いて、6話くらいで逆に百々子が長谷さんを冷蔵庫ドンするんです。

桐山:冷蔵庫ドン返しね(笑)。

小西:長谷さんからするキスシーンが多いんですけど、百々子からキスするシーンもあるんです。そこは新しい百々子、長谷さんが見えると思います!

桐山:動きの指示だけでなく、キスシーンはすごくこだわって撮っていただいたよね。

小西:スタッフの皆さんが本気でいいキスシーンを撮ろうという熱意が伝わってきて、私たちも話をしながら、どうやったら皆さんにいいキスシーンだなって思ってもらえるかを考えて、楽しみながらできました。

◆年齢差のある恋愛についてどう思われますか? ちなみに、お2人も年齢差がありますが、撮影中にジェネレーションギャップを感じたことはありましたか?

桐山:僕は年齢にこだわりはないですね。

小西:年上の男性は落ち着きがありますし、クールでカッコいいなと思います。包容力というか、身をゆだねられますし、安心感があってすてきだなと思いますね。

桐山:年下の女性というか百々子は、ちょっと抜けていて憎めないようなところがあって、そこに親近感が湧いて、ついつい自分も自然体になってしまう。気づいたら心を開いていたという。それは小西さんも同じで、僕、人見知りなんですけど、撮影2日目、3日目ぐらいの時には、もう普通にしゃべりかけていた気がします(笑)。小西さんが、僕が高校生ぐらいの時に聴いていたバンドの曲とか詳しくて、逆にいい曲を教えてもらうぐらい(笑)。好きな音楽が似ていて、「このバンドいいですよ」って教えてもらうことが多かったので、僕的にはすごく音楽の話をしている時が楽しかったです。打ち解けるのは早かったよね?

小西:私たち年下にも自然体に接してくださったので、あんまり年齢差を感じなくて、桐山さんも音楽をやられているので、すごく詳しくて。私も音楽が好きだから、音楽の話などですごく楽しくお話させてもらいました。

◆作品の中で、コーヒーが“ほっとするアイテム”として出てきます。撮影中、そういったアイテムや出来事はありましたか?

桐山:長谷邸が地方の古民家で撮影をしていたんです。控室になっていた2階から向かい側の家に猫がいるのが見えて。長谷邸の中でずっとこもりっぱなしなので、休憩時間に、猫に会いに行ったりしましたね。

小西:話しかけていましたよね(笑)。私の“ほっとするアイテム”は、お菓子。コーヒーも好きですし、コーヒーと一緒にお菓子があるとうれしいですね。

桐山:どういうお菓子が好きなんですか?

小西:「カフェ・キャリコ」の撮影で、コーヒーに合う個包装になっているお菓子を差し入れしてくださって、それがすごくおいしかったし、癒やされていました。

桐山:木村店長役のめぐちゃん(佐藤めぐみ)がコーヒーが好きらしくて。コーヒーに合う差し入れをしてくれたりしたんです。

◆プライベートでは、そういった“ほっとする出来事”はありますか?

小西:普通だけど、家ですね。結構インドアタイプなので、室内が落ち着きます。

桐山:俺は車の中が一番息抜きできるかもしれない。撮影が終わって帰る時とか、コンビニでコーヒー買ってきて、車に乗り込んで自分で運転して帰るんですけど、そういう時間がスッとオフになれて。好きな音楽をかけて、別に何も考えることなく、ただただ家路に着くっていう、すごくシンプルな作業かもしれないんですけど、自分の中ではその瞬間がすごくリラックスできて好きです。

◆本作にちなんで、お2人が溺愛しているものは何でしょうか?

桐山:スニーカーがすごく好きなんです。最近、スニーカーをきれいにする消しゴムみたいなものが売っていて、それを使ってスニーカーのソールをこすると、買った時のようにすごくきれいになるんです。それを1つ買ったら、とてもハマってしまって(笑)。家にあるスニーカーをひと通り掃除しました。磨いてきれいになると、また愛着がよみがえってきますし、そのまま履きつぶしていくんじゃなくて、洗濯をするようにきれいにしてあげるだけで、少し出かける前とかに気持ちが上がるというか。掃除したての時って気分いいじゃないですか。そんなような感覚ですね。

小西:今、甘酒にハマってます。これまで甘酒を飲まず嫌いしてきて、お正月に屋台で売っていてもスルーしてきたんですけど。急に小さい甘酒を買ってみようと思って、買って飲んだらすごくハマってしまって(笑)。甘い飲み物が好きで、いつもならカフェラテとか飲んじゃうところを甘酒に変えたら、すごく健康になった気がして。昨日も仕事で遅くなってしまったんですけど、甘酒がちょうど切れちゃっていて、大きいサイズのものを買って帰りました。今はもう大きいのをストックしてないと落ち着かなくなってしまって…(笑)。

桐山:すごくハマってるんだね(笑)。

◆最後にメッセージをお願いします。

桐山:キスから始まるラブストーリーということなので、とにかく原作のファンがいっぱいいらっしゃる作品。監督や共演の小西さん、周りのキャストさん、スタッフさんに支えられて、この作品を終えることができました。撮影をしたのは昨年の夏だったんですけども、あの夏は本当に忘れることはないくらいの作品になりました。限られた時間の中でやっていこうっていう、みんなの思いが1つになった作品になったと思うので、見ている方にもそういう僕らのこの作品に対する熱量が伝わっていくといいなっていうふうに思います。

小西:原作者の方が作られた、本当に甘々で大人のラブストーリーっていう世界観と、それをたくさんの人が愛している作品なので、すごくプレッシャーはあったんですけど、本当に監督、スタッフ、共演の皆さんと本当に楽しみながら、これを皆さんに届けたいっていう気持ちで、本当にいろんなことを考えながらやった作品です。今この時代に「あぁ、いいな」とあらためて思ってもらえるような、本当に真っすぐで、クスっと笑えるところもある王道のラブストーリーを皆さんに楽しんでいただきたいと思います。

PROFILE

桐山 漣
●きりやま・れん…198522日生まれ。神奈川県出身。O型。『俺のスカート、どこ行った?』『おじさんはカワイイものがお好き。』『青きヴァンパイアの悩み』、映画「貞子」などに出演。現在は『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(日本テレビ系)に出演中。

小西桜子
●こにし・さくらこ…1998329日生まれ。埼玉県出身。『映像研には手を出すな!』『猫』などに出演。現在は『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)に出演中のほか、映画「藍に響け」(2021年5月21日(金)公開)、「猿楽町で会いましょう」(2021年6月4日(金)公開)が待機中。

番組情報

ドラマ特区『ラブファントム』
20215月13日(木)スタート

MBS 毎週木曜 深059
tvk 毎週木曜 後1100~ほか
放送後、Huluにて定額見放題サービス独占配信

(STAFF&CAST)
原作:みつきかこ「ラブファントム」(小学館「プチコミック」連載)
監督:御法川修
脚本:本山久美子、御法川修
出演:桐山漣、小西桜子 ほか
制作プロダクション:スタジオブルー
製作:「ラブファントム」製作委員会・MBS

※桐山漣さんの「漣」は正式にはさんずいに連となります。

©みつきかこ・小学館/「ラブファントム」製作委員会・MBS 2021

photo/高橋定敬 text/田中ほのか hair&make/江夏智也(桐山)、石邑麻由(小西)styling/吉田ナオキ(桐山)、阪上秀平(小西)