諸橋沙夏&肥後克広インタビュー「最近、肥後さんたちを怒鳴り飛ばすのが気持ちよくなってきました(笑)」舞台「仁義なきギャル組長~ジャーナリスト土門瑛太の“M資金”真相解明ファイル~」

特集・インタビュー
2023年04月11日

諸橋沙夏&肥後克広インタビュー

借金返済のため金龍組で働くことになったフリージャーナリストの土門瑛太(松本幸大)と組長の金崎龍子(諸橋沙夏)を中心に、旧日本軍の巨額埋蔵金〈M資金〉を巡るドタバタ劇が繰り広げられる舞台「仁義なきギャル組長~ジャーナリスト土門瑛太の“M資金”真相解明ファイル~」。現役女子高生&ギャルなのに組長の龍子を演じた諸橋沙夏さん(=LOVE)と、若頭補佐の鬼頭を演じた肥後克広さん(ダチョウ倶楽部)が、本作の見どころや稽古の様子などを語ってくれました。

◆最初に原作や台本を読んで、どんな作品だと感じましたか?

肥後:ギャルが組長になるなんて面白いなと思いました。ただ、あらためて脚本になったものを眺めてみると、せりふが多くて大変そうだなと。座長(松本)や組長(諸橋)はよくせりふを覚えているもんだなと、いつも稽古しながら感心してますね。

諸橋:皆さんの方が長い説明ぜりふが多いので、私こそいつもすごいなと思いながら聞き入ってます。この作品、難しいですよね。それこそM資金の説明や、お金を巡るやりとりも多かったりするので。

肥後:いろんな登場人物がいろんなことをしゃべってると、途中で訳が分からなくなったりするよね。“あれ、今どこのシーンやってるんだっけ?”って(笑)。

◆ご自身が演じる役柄はどんなキャラクターだと捉えていますか?

諸橋:私の演じる龍子は組長ということで、ものすごく強いんです。でも、ただ声を張って怒鳴っているだけだと、ただの怖い人になっちゃうので。ちゃんとギャルらしく、かわいいものやメイクも好きっていうメリハリを付けるようにしています。

肥後:僕の役は鬼頭という、沙夏ちゃんが組長を務めている組織の若頭補佐です。組長には頭が上がらないけど、筋金入りの極道だから迫力がなくちゃいけなくて。でも、持って生まれた声に重みがないもんだから、どうしようかなと思ってます。もうちょっとドスを利かせた、重みのある声を出せればいいんですけど。

諸橋:鬼頭さんはずっと、龍子の肩もみをしてくれるんです。

肥後:本当にしてますからね、マッサージ。

諸橋:ありがとうございます(笑)。そういう光景とかも含めて、一見怖いけど面白い組だなって思っていただけると思います。

◆諸橋さんは、肥後さんの他にも若頭役の石橋保さん、幹部役の小磯勝弥さんと3人のおじ様方を従えていますが、どういう気分ですか?

諸橋:失礼かもしれないですけど、気持ちいいですね。普段、こんなに人を怒鳴り飛ばすこともないから、楽しくて。

肥後:何か目覚めちゃったかな(笑)。

◆共演したことで、お互いのイメージは変わりましたか?

諸橋:肥後さんはイメージ通り、本当に優しい方です。子供のころから見ていた方でもあるので、今こうやってお話させていただいているのが不思議な感じもあって。しかも、劇中で一緒にダチョウ倶楽部さんの「ヤー!」とかもできたりして幸せです(笑)。

肥後:ダチョウさんのギャグは特別なテクニックいらないからね。こういうお芝居にはちょうどいいと思います(笑)。沙夏ちゃんは思っていたのとちょっと違いましたね。実際はまぁ地味というか。

諸橋:地味ですか?(笑)

肥後:うん。アイドルのときはステージではキラキラしてるけど、稽古場だと。

諸橋:確かに私、いつも隅っこにいますもんね。三角座りして。

肥後:お菓子の近くにね。

諸橋:います(笑)。あとせりふ量が多いので、ボーッとしていることも多いんです。脳をちょっと休めないと、集中力が持たないなと思って。

肥後:そういうことか。確かに、ずっと集中してると大変だもんね。

◆合間にどんな話をすることが多いですか?

肥後:それこそ地味な話しかしてないですね…僕も地味ですから(笑)。当たり障りのない「桜が咲いたねぇ」とか、そんな話しかしてないかも。

諸橋:(笑)。世間話ですよね。あまりお芝居のことも話してないですし。

肥後:うん、お芝居のことは話してないな。まだお芝居についていろいろ話せるところまで行ってないというか。自分のせりふと動きを覚えるだけで精いっぱいだから。

諸橋:分かります!

肥後:本番が始まって、ちょっとしてからだろうね。ここはこうしよう、みたいな話ができるのは。

◆個性的なキャラクターがたくさん出てくる作品ですが、推しキャラはいますか?

諸橋:龍子の姉の霧子さん(八城まゆ)です。かわいい感じなのに、急にすごみを利かせて詰め寄ったりするので。あの暴れっぷりは楽しみにしていただきたいです。

肥後:霧子姉さん、強いもんね。

諸橋:はい、龍子より強い設定なので。ラスボスです、ラスボス(笑)。

◆女子大生なのに本部長という犬養(田中梨瑚)も強いですし、この作品はメインの女性3人がみんな強いですよね。

肥後:そうですね、言われてみれば。3人ともかわいいからいいけど、現実にいたらどうだろうな? …やっぱり怖いな、あそこまで強いと(笑)。

諸橋:私は普段へっぽこぴーだから、ちょっと憧れるところがありますね。

肥後:へっぽこぴーなの?(笑)

諸橋:ニックネームが「さなつん」なんですけど、「ぽんこつん」って呼ばれたりするんです。グループで最年長なのに、しっかりしてないから(笑)。自分ではしっかりしてると言わないまでも、わりと普通かなと思ってるんですけど。

肥後 へぇ、しっかりしてるように見えるけどね。

諸橋 本当ですか? うれしいです。

◆肥後さんの推しキャラは?

肥後:僕はキャスパル(あご勇)ですね。組長との絡みが面白いんですよ。自然に2人で掛け合ううちに、どんどんいいノリになっているなと思っていて。まぁ組長にアゴで使われているんですけど、いいんですよ、あごさんだから(笑)。あとは大熊会長(堀田眞三)ですね。迫力があるから、出て来ると一気に場が締まるんです。でも絡み方は面白いっていう。

◆この作品、演技達者なおじ様ばかりなので掛け合いが大変ですね。

諸橋:いや本当に。毎日が戦いですね。

肥後:でもベテランの皆さんと並んでも、沙夏ちゃんはステージ上では対等に渡り合っているというか。さすがは組長ですよ。

諸橋:頑張ります!(笑)

◆本番に向けて、楽しみにしていることはありますか?

諸橋:それこそおじ様方が、流れの中で思わずボソッと口にしちゃう言葉が面白くて。本番を重ねるうちにどんどんそういうのが増えて、より面白くなっていくんだろうなと楽しみにしています。

肥後:僕は最後の歌とダンスですね。生の舞台で歌とダンスを披露して、客席の皆さんと一体になるという経験はしたことがないので。劇場全体がどんな感じになるのか楽しみです。

諸橋:歌とダンスのときは、みんなでおそろいのリングライトを付けるんです。偶然にも松本幸大さんと私のメンバーカラーが緑ということで、緑のライトを付けようということになって。肥後さんはピンクなんですよね?

肥後:純烈ダチョウではピンクだね。ここでは却下されました(笑)。

諸橋:なのでお客様は、ピンクで!

肥後:いやいや、緑じゃないと(笑)。

諸橋:(笑)。一緒に盛り上がってくれたらうれしいです。

◆M資金という多額の埋蔵金を巡るお話ですが、もし自由に使える大金があったら、どんなことをしたいですか?

諸橋:大金…100万円ぐらいですか?

肥後:100万円は大金じゃないよ。すぐ使い切っちゃう。

諸橋:じゃあ500万円にします(笑)。それで、両親に海外旅行をプレゼントしたいです。親からずっと「いつになったら旅行に連れていってくれるの?」って言われているので(笑)。

肥後:どこ行く? どこに連れて行く?

諸橋:えっ、いいんですか!?

肥後:いや、「親子でどこに行くの?」って話。何で俺がお金出すんだよ(笑)。

諸橋:(笑)。両親の新婚旅行がハワイだったみたいなので、ハワイがいいかなって。

肥後:ハワイはいいね。絶対楽しいし、嫌いって人はいないから。

諸橋:500万円もあれば何でもできますよね? ファーストクラスで行って、最高級のスイートルームに泊まって、おいしいものを食べて。1週間ぐらいゆっくりしてもらって…。

肥後:それだと、1週間は持たないかも。スイートは宿泊費もすごいから。

諸橋:じゃ、スイートはやめて、ちょっといいホテル(笑)。肥後さんは500万円あったらどうしますか?

肥後:パーッと宴会したいかな。お世話になった人をたくさん集めて、社員旅行的な。近場の温泉で構わないから、飲んで騒いで歌って。そういう、ベタな宴会をやりたいね。

諸橋:いいですね。

◆最後に、本作を楽しみにしている方たちにメッセージをお願いします。

肥後:たくさん人が出て来てたくさんしゃべる舞台なんですけど、せりふの掛け合いを楽しんでいるうちに気がついたら最後に歌とダンスになる。そういう作品にしようと頑張っている段階です(笑)。皆さんに心地いい時間をお届けできるように頑張りたいと思います。

諸橋:複雑な話ですけど、土門さんが極道の世界に入り込んだことから始まっていくお話なので。土門さんの目線で見ていくと、世界観に入りやすい気がします。あとはやっぱり、お金にまつわる話には皆さん興味があるでしょうし(笑)、“こんな大金本当にあるのかな?”“どう使うのかな?”って、そんなところも考えながら楽しんでもらえたらと思います。

PROFILE

●もろはし・さな…1996年8月3日生まれ。福島県出身。B型。=LOVEのメンバー。最近の出演作にドラマ『もしも、この気持ちを恋と呼ぶなら…。』、舞台「七人のおたく cult seven THE STAGE」など。

●ひご・かつひろ…1963年3月15日生まれ。沖縄県出身。AB型。ダチョウ倶楽部のリーダー。最近の出演作にドラマ『オールドルーキー』『やんごとなき一族』『ちむどんどん』など。

作品情報

舞台「仁義なきギャル組長~ジャーナリスト土門瑛太の“M資金”真相解明ファイル~」

舞台「仁義なきギャル組長~ジャーナリスト土門瑛太の“M資金”真相解明ファイル~」

劇場:日本橋劇場(東京・中央区立日本橋公会堂)

2023年4月12日(水)~16日(日)全10公演予定
4月12日(水)午後2時/午後6時30分
4月13日(木)午後2時/午後6時30分
4月14日(金)午後2時/午後6時30分
4月15日(土)午後1時/午後6時
4月16日(日)正午/午後4時

<キャスト>
松本幸大(ジャニーズJr.)、諸橋沙夏(=LOVE)、肥後克広(ダチョウ倶楽部)、石橋保、田中梨瑚、小磯勝弥、八城まゆ、あご勇、なべやかん、堀田眞三、なべおさみ ほか

<スタッフ>
原作:中村啓 「仁義なきギャル組長」宝島社刊(『このミス大賞』シリーズ)
脚本:藤原良
演出:田中優樹

チケット料金:(全席指定)
SS席(1階)9,800円
S席(1階・2階)9,000円/A席(2階)8,500円
B席※見切れ席(2階)5,000円/桟敷席※見切れ席(2階/席のみ)4,000円

公式サイト:http://gal-kumi.com

●text/小山智久