『ペンディングトレイン』宮﨑真佐子プロデューサーが語る物語に込めた思い

特集・インタビュー
2023年05月25日
『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』©TBS

◆山田さん演じる直哉は美容師、赤楚衛二さん演じる優斗は消防士と、さまざまな職業の設定になっていますが、その職業のチョイスは?

チョイスは私が個人的に見たい職業です(笑)。キャスティング前に、消防士と美容師と学校の先生、学生、ネイリストとかの職業は最初から決まっていました。電車なので、できるだけいろんな職業の人がいる世界にしたいということもありましたし、そこからキャスティングにつながっていったこともあります。

◆では、赤楚さん、上白石萌歌さん、井之脇海さん、古川琴音さん、藤原丈一郎さんの起用理由と、皆さんの魅力を教えてください。

赤楚さんは共演者の方も言っていますが、会う前と一番イメージが変わった人です。いつも現場ではふざけたりして普通の好青年なんですが、いざカメラが回ると表所がガラっと変わり役の顔になる。そしてその表情がとても魅力的です。今までかわいらしい役が多いイメージがあって、それももちろんすごくすてきなのですが、今回やっていただくに当たって正反対の感じを出したいなと思いました。そういう姿の赤楚さんが見てみたいなという願望を込めたキャラクターになっていて、それを今すごく魅力的に演じていただいているなと思っています。

上白石さんに関しても、本当に自然にお芝居をされる方。多分それはご本人が持っている清廉さ、素直さがそのまま備わっているから出せる力だと思っていて、そういうところがすごく魅力的だなと思っています。

井之脇さんも、井之脇さん演じる加藤は目立った行動をするわけではないですが、本当に電車に普通に乗ってそうな学生。でも、この世界観の担保じゃないですけど、このリアリティーの担保をしてくれる役だと思っていて、それを最大限にやっていただいているなと今も撮影しながら思っています。

古川さん演じる玲奈は場をかき乱す役。パッと見の印象だけだと、たぶん嫌われてしまう役なのですが、ここから先の話で玲奈の過去がいろいろ分かってくると本当はこういう子っていう、その表現の仕方がちょっと突飛なだけというのが見えてくると思います。玲奈の役は一番と言っていいほど難しいと思うのですが、その役を「絶対うまくやってくれるだろう」と、最初から古川さんが良くてお願いしていました。それは今までのいろんな作品を見て、彼女にしかない魅力というか、お芝居もそうですし、存在感もそうですし。すごく個性的なので、その力が欲しかったというのが大きいですね。

藤原さんに関しては、米澤を専門学生で、関西人で明るいっていう設定のキャラクターにしていて、こんな状況下で暗くなるはずなのに、彼だけは逆に明るくなってしまう、ちょっとワクワクしてしまうぐらいのすごく明るいキャラにしたいなと思ってお願いしました。藤原さんはあまりドラマの経験がないということでしたが、本当にお芝居の勘がいいなと見ていて思います。監督がお願いしたことを感覚でちゃんと分かってくれますね。

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