「キャリーは世界一かわいい女の子」沢城みゆきインタビュー「マンハッタンに恋をして~キャリーの日記~2」

特集・インタビュー
2016年05月18日

Dlife(ディーライフ)で放送中の「マンハッタンに恋をして~キャリーの日記~2」。「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公キャリー・ブラッドショーの青春時代を描く本作で、キャリー役を演じている声優の沢城みゆきさんにインタビュー。作品への思いや、見どころを伺いました!

キャリーを演じるアナソフィアの魅力をそのまま出せるように

EP7「うわさの真相」(5月23日OA )
EP7「うわさの真相」(5月23日OA )

――主人公・キャリーを演じることになったときの気持ちを教えてください。

最初の感想は「え?私その子やったことあったっけ?」でした(笑)。
というのも、私が(キャリーを演じる)アナソフィア・ロブの吹き替えをやったことがあるので、という理由でお話をいただいたんですけど…「???」となって。
それでググってみたら(笑)、私、「ジャンパー」という映画のヒロインをやらせていただいたことがあるんですが、冒頭5分くらいのその子の幼少時代を演じていたのが彼女だったんです。
「何かの間違いだったらどうしよう」って思ってたら、そこでやっていてっていう、棚ぼたみたいな話で(笑)。やった、確かにやったけども…みたいな感じだったので、本当に私で大丈夫ですか?って思いました。
私が吹き替えをやらせていただくときって、胸が大胆に見えすぎちゃっているとか、人生の道を踏み外してしまうような女の子たちが多かった中で、バリバリの金髪でクルクルで、こんな夢みたいな女の子を私が?って(笑)。私でお役に立てるのかしら?という感じでした。

――キャリーはどんな女の子ですか?

キャリーは裏表がないんです。悩んだり、怒ったり、少しずるかったり、逃げたりとかもするんですけど、全部健康的に悩むというか、そこがすごく彼女の魅力ですね。それが女の子たちから支持される部分で、私も見ていてすごく好きなところです。

――そんな少女キャリーが、あの「SATC」のキャリー・ブラッドショーになっていく始まりの物語ですが、演じる上で心がけた点などはありますか?

アナソフィアがやっていることを、私は日本語吹き替えでなるべく10割に近い状態で再現できればということで挑んでいました。
彼女は絶対に雰囲気でお芝居をしないんです。今、相手の何の言葉が琴線に触れて涙が出たのかとか、何でため息をついたのかとかを雰囲気でお芝居しない人なので、そこの琴線をきちんと一緒にしていくという感じです。
何かをプラスしようとかじゃなくて、とにかく彼女の魅力をなるべくそのまま出せるようにと考えていました。

気になるのはやっぱりサマンサ

――キャリーを演じてきた中で印象的シーンはありますか?

このドラマ、本当に毎話毎話に印象的なシーンがあるんです。心に残る素敵なシーンがたくさんあるんですけど、シーズン2に関しては、キャリーのシーンよりもキャリーが見ている周りの人たちのシーンのほうが心に残っています。キャリーを演じるというよりも、キャリーと一緒になって友達の心配をしたりとか、妹の心配をしたりというか。
だから、自分が何を感じたかを考えるとうまく答えられないんですけど、自分の長所と短所はうまくいえないけど、友達のことならたくさんしゃべれるっていう感じです。素敵なドラマになったので、友達が泣いてたり、笑ってたりしてる顔がすごく印象的ですね。

――キャリーの周りの人たちの中で気になる人物は?

みんな魅力的なんですけど、やっぱりサマンサですよね。
学校の友達も個性的な人たちで織りなされているドラマだったんですけど、その個性的の次元が違う人がやってきた、宇宙人がやってきたっていう感じだったので(笑)。
アフレコも今までの感じだとうまくいかなくて、最初のギクシャクした感じとかも含めて、彼女とのラストシーンまで本当に一歩一歩仲良くなっていったなっていう感じがしています。
個人的には憧れますよね、ああいう人。私もどっちかというとまず理屈があって、結局は本能みたいなところはキャリー派なので、サマンサみたいに最初から本能で「理屈ってなぁに?」みたいな人に憧れるところはありますね。

アナソフィアは本当に素晴らしい女優さん

EP8「二度目のチャンス」(5月30日OA)
EP8「二度目のチャンス」(5月30日OA)

――今作はシーズン2ですが、キャラクターをつかんでいるから演じやすいというようなことはありますか?

最初のシーズン1のときって、やっぱりキャリーを知っていく話だったんです。私としても、キャリーがどういう子なのかということに大半の時間を費やしたんです。でも、シーズン1の後半から2が始まったくらいからは、もうキャリーのことはよく分かっているので、友達のことに重きを置いていける。
私、海外ドラマのシリーズでこんなに長くやらせていただくのが実は初めてなんです。これがシーズン8とか10とかまでいっている人たちって、どういう感じなんだろう、こういうふうに役を積んでいけるってすごい幸せなことだなって思いながら、もう自分なのか役なのかよく分からないみたいになっていくのかななんて思ったりもしました。

――キャリーの動きと沢城さんの吹き替えが、せりふだけでなく呼吸までシンクロしているように感じました。

うまくいくとそういうことがあります。それは翻訳の方が頑張ってくれたんだと思うんです。やっぱり素敵な翻訳とアナソフィアがワーって気持ちでしゃべっているのを、私がうまくミックスできるとシンクロできることがあるように感じます。琴線を1つひとつちゃんと合わせていくことができると、長ぜりふなんかは“せりふ屋”からしたらかなりやりがいがあります。1つでも外すと途端にズレていっちゃうんですけど。
吹き替えは、やっぱりワードオーダー(語順)が日本語と逆なので、アクションに合わせようとすると自分が立てたい日本語の言葉とはズレてくるんです。日本語を立てだすとアクションに合わなくなる。それはそれで見ていて気持ち悪くて、そこをどうしようかなというのがあって。
この作品に関しては、翻訳もバッチリ“パスン!”と当ててきていて、私もそこを外さずにやれると、終わったあとに本当にキャリーなんだか自分なんだか、みたいな感じになっているときがありましたね。特にパパとけんかしているシーンなんかは、収録後へとへとでした。

――映像上の演技の表情と、吹き替えの声の表情のはまり具合もバッチリでしたね。

アナソフィアは本当に素晴らしい女優さんだなと思います。あんまり他の人と比べてどうこうは言えないんですけど(笑)。
雰囲気だけでお芝居をしないので、とにかく私は不足がないように頑張るだけでした。

――沢城さんにとって気持ちよく演じられる女優さんということですね。

そうですね。うまく合うと。ただ、相手のせりふを全部聞いていると、どんどん遅れていっちゃって「だめだ~シーン頭から撮り直し!」とかもあったりしたんです。向こうの映像は会話の間が編集されて切られていたりするので、相手を受けないで自分の台詞を言わないと尺に入らない。元々の会話のテンポも速くて、ピンポンみたいな感じです。本当はテニスの気分でやりたいんですけど、ラリーとしてはピンポンの速さで。そこがティーンエイジャーならではの速さだったりして。

――監督や、演出家から演技についてのアドバイスなどはあるんですか?

音響監督の高桑さんが毎回ブースに入ってきてくれて、指示をいただいていたんですけど、シーズン2に関しては基本的に出来上がっているキャラクターでやっているものなので、細かくどうこうしてっていうのはそんなになかったですね。「ちょっと台詞が速くて合ってないから、もうちょっと…」とかそういう作業的な部分の指示はありましたけど、お芝居に対して「そこはこうじゃないんじゃない?」というのはほとんどなかった気がします。
新キャラの人たちのほうが立ち上げるのに少し時間がかかっていましたね。キャリーがこれから出会っていく新しい人たちが何人かいるんですけど、その人たちとキャリーの関係が、キャリーよりも大人でいてほしいとか、キャリーと同世代感を出してほしいとか、そのバランスをつくるのに何度もテストをしました。そういった新キャラに関してのオーダーはあったんですけど、シーズン1から持ち上がっているキャラクターに関しては、もうノビノビとやらせていただきました。

キャリーは世界一かわいい女の子

――シーズン1からシーズン2と演じてきて、キャリーの成長を感じましたか?

やっていて印象的だったのは、“何をして生きていくか”って、“誰と生きていくか”っていうのと直結なんだなっていうこと。
職種を選ぶことが将来のことかと思っていたんですけど、どう生きていくのかを決めると一緒に生きていく人たちが決まっていくというか。
何の仕事でも、どう生きていくかで付き合う人たちって決まっていくんだなっていうのを、恋のドラマを通しても思ったし、仕事のドラマを通しても思いましたね。
それは、個人的にメッセージとしていただいたものとして大きかったです。

――それでは最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。

「マンハッタンに恋をして」は「セックス・アンド・ザ・シティ」を見たことがない人でも楽しめるドラマになっています。シーズン1を見ていただいた方には本当に楽しみにしていただいていいシーズン2です。シーズン2で興味を持っていただいた方には、単純に新学期であるとか、初めての就職であるとか、それを経験してきた人なら誰でもスッと感情移入できる女の子のお話です。
私は、キャリーは世界一かわいい女の子だと思っているんですけど、この見た目の華やかさと彼女の中に流れているものっていうのはけっこうギャップがあって。
親のことに悩み、友達のことに右往左往して、自分の恋の行く末がどうなるのか分からないということに関しては、自分であり、キャリーでありというお話だと思うので、ぜひぜひ見ていただきたいです。
あと、このドラマ、プラスアルファですごいのが、ちょっとかわいいスカートをはきたくなる魔法にかかりますので(笑)ぜひ、お見逃しなく見ていただければと思っています。

 

PROFILE

沢城みゆき|TVLIFE Webインタビュー

沢城みゆき●さわしろ・みゆき…6月2日生まれ。東京都出身。
1999年、『デ・ジ・キャラット』の新人声優オーディションで審査員特別賞を受賞。同作で声優デビュー。以降、アニメ、映画・海外ドラマの吹き替え、ナレーションなど、幅広く活躍。『ルパン三世』シリーズでは、峰不二子(3代目)を演じている。


作品情報

「マンハッタンに恋をして~キャリーの日記~2」

「マンハッタンに恋をして~キャリーの日記~2」
全国無料のBSテレビ局・Dlife(ディーライフ/BS258)

【二カ国語】毎週(月)21:00~21:57
【字幕】毎週(日)24:45~25:35

<ストーリー>
「セックス・アンド・ザ・シティ」主人公キャリー・ブラッドショーのはじまりの物語。1980年代のNYを舞台に、コネティカット州に住む平凡な女子高生が、お洒落と恋愛が命の“あの”キャリーになるまでを描く。今シーズンはキャリーが20代のサマンサと出会うところから始まる。キャリーの人生に欠かせない4人の大切な友人、その1人であるサマンサとの出会いをお見逃しなく。サマンサの自由奔放なハチャメチャぶりも注目。

<キャスト>
キャリー・ブラッドショー:アナソフィア・ロブ/沢城 みゆき
セバスチャン・キッド:オースティン・バトラー/下妻 由幸
マギー:ケイティ・フィンドレイ/豊口 めぐみ
サマンサ・ジョーンズ:リンゼイ・ゴート/魏 涼子

■5月23日OA
EP7「うわさの真相」
キャリーはタブロイドのゴシップ欄で、ウィーバーが自分のことを「僕が振った、郊外のちっちゃな勘違い女だ」と語ったという記事を読む。抗議をしたいと思うのだが・・・。

■5月30日OA
EP8「二度目のチャンス」
セバスチャンとよりを戻して、幸せにクリスマス気分に浸るキャリー。学校には子宮外妊娠の手術を生き延びたマギーが戻ってくるが、生徒たちの視線にさらされ居心地が悪い。

番組公式サイト:http://www.dlife.jp/lineup/drama/carriediaries_s2/

(c)Warner Bros. Entertainment Inc.
(c)Dlife