【#今旬コレクション】高橋侃、さらなる高みを目指し“生っぽさ”で勝負「今は一度とことん苦しむフェーズだと思っています」

特集・インタビュー
#今旬コレクション
1時間前
【#今旬コレクション】高橋侃
高橋侃

テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードを紹介します。第118回は映画「東京逃避行」に出演する高橋侃さんが登場です。

「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」高橋侃

◆新宿・歌舞伎町の「トー横」界隈を舞台に、居場所を求めてさまよう若者たちの現実をリアルに描いた本作。高橋さんは、若者たちのリーダー格であるメリオ役を演じています。

メリオという男のバックボーンについて、秋葉恋監督とは深く語り合いました。メリオは父親が借金で夜逃げし、母親と二人暮らしをする中で、男性に対する信頼が根本的に欠乏している。その反面、女性に対する愛や母性に強く飢えているんです。そして若くして母親を亡くし、クラブカルチャーやヒップホップに救いを見出して新宿に流れてきた。そんな彼の孤独や渇望をどう表現するか。綱(啓永)君の演じるエドに対しても、心の奥底では信じきれていない、そんな危うさを出したいと思っていました。

◆役へのアプローチはどんなふうに?

実は、今回の「東京逃避行」からアプローチの仕方をガラッと変えました。今まで“自分を役に寄せていく”感覚だったところを、“役を自分に寄せる”形にしたんです。自分が無理に動かずに、役を自分の中に引き込むというか。そうすることで、自分の本来持っている野生味やエネルギー、根底にある葛藤が、メリオという役と自然にマッチし始めたんですよね。いい意味で、何も考えなくなったというか。演じることをやめた、と言えるくらい体なじみが良くなった感覚がありました。

僕は25歳から役者を始めたので、お芝居の技術で戦おうとしても限界があるんです。だったら、ドキュメンタリーのような生っぽさで戦うしかないなと。今までの人生経験や感情の引き出しをそのままぶつける。それが僕の思う“寄せる”という感覚なのかもしれません。

【#今旬コレクション】高橋侃
高橋侃

◆劇中ではヒリつくような緊張感のある役を演じていますが、高橋さんご自身はプライベートでどう過ごすことが多いですか?

体を動かしたり、食事に行ったりすることが多いですね。中でもキャンプに行くことが好きで。昔から父親が連れて行ってくれていたので、今でも大切な時間の一つになっています。仲の良い友達と二人で行って、たき火をしながらコーヒーを飲んでボーッとしていると、“役抜き”にちょうどいいんですよね。今回のメリオ役もまさにそうで、徐々に自分に戻っていく感覚がありました。そうやって心のバランスを取っています。

◆共演したキャストの皆さんとは、どんなふうにコミュニケーションを?

現場では僕が最年長になる場面が多かったので、お兄ちゃん的な役回りというか、みんなを見守るような立ち位置でした。その中で、さとうほなみさんはプライベートでもお世話になっていたこともあって、現場にほなみさんがいる日はすごく安心しましたね。綱君とは、撮影の合間にラーメンを食べに行ったりもしました。飛鳥役の寺本莉緒さんと日和役の池田朱那さんは、ずっと二人で楽しそうに話していて、みんなでしりとりをしたりして和やかに過ごしていました。

◆共演者の方のお芝居をご覧になって、刺激を受けた部分はありましたか?

たくさんありました。綱君と一緒にお芝居する機会が一番多かったんですが、物語が佳境に入り、二人が決別していくシーンに向かうにつれ、彼の顔色が変わった瞬間があったんです。何かがプツンと切れたような。あの変化を間近で感じられたのは、僕にとっても大きな刺激になりました。

【#今旬コレクション】高橋侃
高橋侃

◆どんな時にお芝居の楽しさや、やりがいを感じますか?

今は、演技の楽しさと苦しさが半々。でも、これから俳優としてもっと上に行くためには、もっと苦しまなきゃいけないと思っています。さっきお話ししたようにドキュメントで演じるということは、プライベートの感情も如実に出てしまう。役と自分自身の境目がなくなる瞬間もあるんです。そうなった時に、深く潜り込みつつ、ちゃんと光のある場所に上がってこられる強さを身につけたいなと。お芝居を楽しめるようになるために、今は一度とことん苦しむフェーズだと思っています。

◆今後出演したい作品のジャンルや演じたい役柄はありますか?

本当にたくさんあるんですが、ラブストーリーをやりたいですね。特にラブコメが好きなので、純粋に挑戦してみたいです。メグ・ライアンとトム・ハンクスの「めぐり逢えたら」のような運命的な出会いを描いた作品や、切ない余命ものにも興味があります。でも僕の可能性を信じてくれる方がいるのなら、どんな設定でも全力で応えたい。ジャンルにこだわらず、幅を広げていきたいです。

【#今旬コレクション】高橋侃
高橋侃

◆お芝居以外で挑戦したいことは?

もともと美容師をやっていたので、その経験も自分の武器として大切にしていきたいです。例えば役者の友達が舞台挨拶に立つときに、僕がヘアメークとして裏方で参加したりとか。たまに役者が自分でメークをしなければいけない場面では、サッと整えてあげたりはできるので。そういった自分にしかできないことができたらいいなと思いますね。

◆今もどなたかの髪の毛を切ることは…?

パーソナルな友人や知人のカットを時々。だから最近、ウィッグでずっと練習しているんです。ブランクがある分、スピード感がやっぱり昔とは違うんですよね。でも、とても楽しいです。役者の仕事も美容師も、勉強しながら楽しみたいなと思っています。

PROFILE

●たかはし・なお…1995年10月31日生まれ。福島県出身。O型。主な出演作はドラマ『横浜ネイバーズ』『顔のない患者-救うか、裁くか-』『シナントロープ』など。

作品情報

映画「東京逃避行」
現在公開中

監督:秋葉恋
脚本:秋葉恋
エグゼクティブプロデューサー:藤井道人
出演:寺本莉緒、池田朱那、綱啓永、高橋侃、松浦祐也、深水元基、さとうほなみ
配給:ライツキューブ

●photo/干川 修 text/山口昭子 styling/岡部駿佑 hair&make/田代時男(SHIMA) 衣装協力/ORIMI、VEIN、GEORG JENSEN

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