「僕はなれるのかな、ツッコミでスターに」トンツカタン森本のネクストブレイク紀行【第80回】

特集・インタビュー
トンツカタン森本のネクストブレイク紀行
2時間前

トンツカタン森本のネクストブレイク紀行

トンツカタン森本さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン森本のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、『ツッコミスター』に出演した話。(TVLIFE 2026年5月27日発売号より転載)


「僕はなれるのかな、ツッコミでスターに」

先日、霜降り明星の粗品さんがメインを務める『ツッコミスター』という番組に出させていただいた。これは粗品さんがYouTubeでやっている『ツッコミマン』という企画が元となっており、それがフジテレビの土曜プレミアムという、過去には『すべらない話』や『IPPONグランプリ』などが放送されていた枠で流れたのはとんでもない快挙である。さらにメンバーも『ツッコミマン』とほとんど同じで、粗品さんよりも後輩しか出演していないというかなり攻めたキャスティング。いかに色んな方がこの番組のためにがんばってくれたかが伝わってくる。

ただでさえYouTubeでも緊張感のあるこの企画が、テレビど真ん中の時間と規模で開催されるとなると、平常心でいる方がむずかしい。その最たる例がシモリュウ前田さんで、楽屋にいる(パンプキンポテトフライの)谷のことを間違えて(ゼロカランの)ワキと呼んでしまうくらいにはおかしくなっていた。なんだかそのナーバスさが伝染しそうな気がして、それからは前田さんとあまり絡まないように心がけた。なんならすこし無視してしまった気もする。

そうして臨んだ収録本番。スタジオはまさにあの頃見ていたテレビ番組といった感じで、童心に返りそうになりながらも「ハイリスクハイリターンの現場に来てしまった」感にノスタルジーはすぐさまかき消された。緊張とプレッシャーで押しつぶされそうになりながら、キャリアの全てを出し切るつもりで精一杯ツッコんだ。

そして誰もが納得の優勝者が決まったころには4時間が経っていた。あっという間だった。

深夜から始まった収録を終えて楽屋に戻ると、窓の外はとっくに白んでおり、激闘を終えた面々が心身共に疲弊しきった表情で椅子に腰掛けた。本来ならこのまますぐにでも帰って休みたいところだが、あの夢のような時間がもたらすアドレナリンは相当なものだったのか、「ほんと無理しなくていいからな」と言われて粗品さんから誘われた打ち上げにひとり残らず参加した。みんな今日という日をまだ終わらせたくなかったのかもしれない。

24時間営業の中華料理屋で、ようやく緊張から解放されたツッコミたちが早朝から北京ダックに舌鼓を打ちながら健闘を称え合うという、ボケみたいな光景がそこにはあった。そこで起こるちょっとした会話のほころびに対して誰よりも元気にツッコんでいたのが粗品さんで、それを見ながら「あぁ、この人も本当はたくさんツッコみたかったんだな」と、みんなが温かい眼差しで見ていたような気がする。

あの日、ツッコミスターたちが輝けるよう夜空に徹した男は、我々の前でだけ、すこし光って見せた。


トンツカタン森本
●とんつかたんもりもと…1990年1月9日生まれ、東京都出身。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオ、WEB番組で活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」、ABCラジオPodcast「MC休止中」も好評。Netflix公式ビデオPodcast「ポッドフリックス -秘密の発信局-」では日替わりMCをつとめる。

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2026夏ドラマ最新情報まとめグラビア関連記事一覧