原田泰造が主演を務める土ドラ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ・フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分)より、中島颯太(FANTASTICS)、東啓介のインタビューが到着した。
家族のことを思い、古い価値観をアップデートしようと奮闘する沖田誠(原田泰造)の姿や、心に刺さるせりふを連発し、登場人物たちをアップデートしていく五十嵐大地(中島颯太)の温かさが、見る者の心をつかんで評判の『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』。
2月3日(土)放送の第5話では、アップデートを続け家族からも徐々に信頼され始めた誠が、沖田家と五十嵐家、そして大地の恋人・円先輩(東啓介)が集まったバーベキューの席で、これまでにない大きな失敗をしてしまう。
中島颯太 インタビュー
◆放送が始まって以来、大変好評な『おっパン』ですが、今の率直な気持ちは?
とてもうれしいです。僕の周りのたくさんの方々からも「本当に良い話で毎回楽しみに絶対見てる」と言ってもらえてます。このドラマは最終話まで全部良い話ですので、僕も安心して「最後まで見てください!」と言えますし、心からすてきな作品だと思っています。
◆SNS上では、大地の言葉が心に刺さるという声も多数あります。
僕も自分で見てて、確かに!と思います(笑)。もともとの原作の温かいお話があって、そこに脚本家さんの力が加わって、本当にすてきな話になっているなと思いますね。大地の言葉はいろいろな人にとっても絶対、今後に生かされると思いますので、たくさんの方に見てもらいたいです。
◆漫画原作の作品ですが、「五十嵐大地」を演じるに当たって苦労したところを教えてください。
原作の大地は体が大きくて短髪の青年ですが、僕が演じるドラマでの大地は、体も大きくなく、前髪もおろしています。その違いは漫画を読んでいる方からするとかなり気になるところだと思いました。しかし大地の見た目よりも、中身のたくましいところや苦悩や葛藤を乗り越えた先にある力強さ、優しさ、そして本当に全員に対して愛を持っているところをなんとか表現したいと苦心しました。
◆実際に撮影がスタートしてから、どのように役を調整していきましたか?
最初にキャストの皆さんと一緒に会議室で本読みをしましたが、その時に泰造さん演じる誠のイメージが僕の中でぴったりハマっていて、本当に誠を愛してアップデートしたいと思えたんです。誠は世間を分かっていない偏屈なおじさんでしたが、この人の中にある良い部分をもっともっと引き出したいと…。その部分はやりやすくて、監督さんともお話させていただいて、最初の方はテンション高めに演じることを特に意識しました。前半は本当に前向きで強くたくましく生きている大地が描かれますが、後半では悩むシーンもあってバランスを取りながら演じています。
◆これまで放送された中で印象的なシーンを教えてください。
最初に泰造さんにお会いしたときに「脚本全部読んだ?泣けない?」と聞かれて、「本当に泣けますよね」と話したんです。全話にいいシーンが詰まっていて、せりふもこの言い回しだから良いんだろうなと思うところがたくさんありました。これまで放送されたシーンの中で一番印象的なのは、第1話の公園シーンですね。誠と大地が“友達になれませんか”と握手をするシーン。台本を読んだ時にこの作品を形作るシーンだと感じたので、自分の中で一番力強く言いました。
泰造さんの中の熱い誠も感じられましたし、大地を強く出せたシーンだったと思います。泰造さんから力強く手を握ってもらって、パッと手を離したら僕の手に赤く手形がついていました(笑)。それぐらい力が入ったシーンでした。そんな第1話から始まり、最後まで面白い展開がたくさんありますのでぜひ見てほしいです。
◆今後の大地について、見どころはどんなところでしょう?
円先輩との恋の行方とか、大地が抱える葛藤がこれから結構出てくるので、また違った大地が見られると思います。今度は視聴者の皆さんに大地を支えてもらって、逆に大地をアップデートしてあげるくらいの気持ちで応援してもらえるとうれしいです。
◆今作が地上波での連続ドラマ初出演ですが、俳優として将来の目標はありますか?
将来的にはいろいろな演技に挑戦して、いつかドラマや映画で主演ができたらいいなと思っています。そして作品を見てくれた方を元気づけられる俳優になりたいです。またその時に主題歌も自分の歌で、さらには自分が作詞した歌ならもっといいですね。そのために今、ピアノやギターを練習していて、作詞作曲もさせてもらっているので、そういうものを全部つなげられたら最高です。
東啓介 インタビュー
◆現場の雰囲気はいかがですか?
ディスカッションを重ねて撮影が進んでいくので、とても穏やかでいい雰囲気でした。初めて撮影したシーンは大地と抱き合うシーンからでしたが、その時も監督から笑顔で一言「大丈夫だよね」と言われ、いやいや今日が初めてですと(笑)。雰囲気を明るくしてくださる監督やスタッフの皆さんの中で撮影することができました。
◆「砂川円」という役をもらった時の感想を教えてください。
今回、このお話を頂いた時に、まず原作がLINEマンガのオリジナル作品ということですごく驚きました。そして数多くあるLGBTQを扱った作品とはちょっと毛色が違い、抱えている悩みというのがとても共感できてリアルでした。例えば親に秘密を打ち明けられないことや固定観念を持ってしまったらそこからなかなか考えを変えられないというのは誰にでも共通するものだと思いました。僕が演じる「砂川円」はすごく不器用でかわいい、素直なんですけど不器用というところもすごく魅力的な役です。ゲイという役どころはまだ演じたことがなかったので、そこに挑戦できるというのはうれしかったです。
◆円を演じるに当たり、役作りで苦労したところ、意識したところを教えてください。
全てを理解できるかと言ったら難しいなと思いました。人にバレたくないことは、誰しも一つや二つあるじゃないですか。そういうことはゲイとは関係なく誰しもあることなので、そういう気持ちを自分なりに置き換えて演じるようには心がけました。ただやっぱり…本当に悩んでいる方たちもたくさんいらっしゃると思うので、僕が演じることによって「いや違う」「そういうことじゃない」と思われる不安はありますね。その方たちの心に寄り添いたいと思って演じましたが、そこはとても苦労したというか、悩みつつ現場で相談しながら進めました。
◆円を演じるに当たって、表情やしぐさなど気をつけていることはありますか?
普通という言葉も今の時代難しくなってきていますが、普通なんですよね。男らしくなったり女性らしくなったりということじゃなくて、ただ男性が恋愛対象なだけ。だから外見やしぐさをあまり意識していないです。大地を演じる颯太君の言葉や表情を素直にかわいらしいな、すてきだなと思って役作りしました。
◆ご自身と円の似ている部分、異なる部分を教えてください。
人に嫉妬するのはすごく共感できました。嫉妬が原因で誤解を招くことは普通に友達でもありますし。でも誠さんから言われたことに対して、すぐに反省して謝ることができる素直さというのは、自分で言うのも恥ずかしいですけど似ているのかなと思います。ただ不器用すぎる感じは、僕とは違いますね。秘密とかもあまりなくて、僕はすぐに友達に打ち明けるタイプなので。そういう不器用さというのはすごくすてきな部分ではありますが、演じすぎると不自然に見えてしまうので、そこは自分と似ていないからこそ難しいなと思いました。
◆東さんが最近“アップデート”されたこと、または“アップデート”が必要だなと感じていることを教えてください。
アップデートしたいなと思っていることは「英語」です。ミュージカルの仕事の関係で海外の方と一緒に仕事をすることが増えまして、通訳さんはいらっしゃるんですが、やっぱりタイムラグや伝えたいことが伝わらないというもどかしさを感じることがあります。ですので英語をしっかり学んでアップデートしたいと思っているところです。
◆それはゆくゆく海外でも活躍したいということもあるんでしょうか?
そうですね。それができたらうれしいです。どんどんグローバルになっている中、言語の壁を超越できたら生きていく中での何かが分厚くなるんじゃないかと思っています。この前、英語の教科書を買ったので勉強していきたいなと思っています。
◆このドラマを通じて伝えたいことをお願いします。
本当にタイトルそのままですね。差別や偏見というものが少しでも無くなったらいいなと思います。常識というものを今一度立ち止まって見直してみたり、自分が今まで拒絶していたものを見直してみたりだとか、視聴者の方が立ち止まって考えられるような作品にしたいと思っています。怖いけど伝えた先に見えるものもあると思いますので、踏み込む勇気や理解してあげる優しさ、そして拒絶しないで一度飲み込んであげる努力など、そういうものをこのドラマで伝えたいです。
大地と円の感動的な出会いのシーンで生まれた奇跡のNG裏話
大地が円先輩と初めて出会ったのは葦布大学入学式の日。スーツ姿の大地が珍しそうに校内を見ながら歩いている。近くに止まっているトラックの荷台には飼料の袋が山積みされている。そこを通りかかる大地。すると…
円「危ない!」
円の声に驚く大地。突然、大地の腕をがっしりつかんで覆い被さるように抱きしめる円。そして飼料の入った袋が落ちてくる…。落ちてくる飼料の大きな袋から体を張って大地を守った円。
円「せっかくのスーツが汚れずに済んだな」
2人が感動的な出会いをする胸キュンシーンだ。このシーンを撮影するためトラックの荷台に隠れたスタッフは、大地が歩いてくるタイミングを見計らって飼料の袋を落とすのだが、そのタイミングが難しい。早く落ちすぎたり、落ちる場所がズレてしまったり…何度も撮影を重ねながら、スタッフと演者の呼吸を合わせていく。そしてそんな中、事件は起こる。トラックの横を通りがかる大地。すると…
円「危ない!ドン!………え!?」
本来ならば飼料の袋は円の体をかすり地面に落ちるはずが、この時は円の背中に奇跡的なバランスで乗っかってしまい明らかに不自然な状態に。そのままの状態でしばらく沈黙が流れ…「(笑いながら)カ〜ット!」。そして現場は爆笑に包まれた。
東は「あの袋はけがをしないようにとかなり軽いんですけど…僕は必死すぎて、乗っているのか?落ちかけなのか?どっちなの?これはカットがかかるパターン?みたいな(笑)。周りから見たらとても印象に残るNGシーンだったと思います。僕も写真を見て、これは面白いなと思いました(笑)。『危ない!ドン!………え!?』っていう。あれは確かに好きですね。いいシーンでした」と振り返った。
第5話「おっさん、大失敗――」ストーリー
昼時、ランチの蕎麦をすすりながら雑誌を読んでいた誠(原田泰造)はがくぜんとしていた。“10年後、こんな人材はお払い箱!”と書かれた記事はまさに誠そのもの。このままでは自分もお払い箱!?誠は自分に言い聞かせる。「俺は…大丈夫。アップデートしている…はず?」
一方、誠の息子・翔(城桧吏)は再び学校に行けなくなっていた。心配する母の美香(富田靖子)だったが、今は見守るしかない。そんなある日、翔は愛犬カルロス(こまち)の散歩中に家の近所で、野球部の仲間である長谷川(坂上翔麻)に遭遇する。思わず逃げようとする翔に「相談がある」と話しかける長谷川。そんな二人の様子を誠が目撃して…。
美香は友人の美穂子(松下由樹)に翔のことを相談していた。だが、美穂子もまた、息子の大地(中島颯太)のことで心配事を抱えていた。「他人だからできることもあるかも…」美穂子はあるイベントを美香に提案する。
沖田家で大地の恋人・円(東啓介)も呼びバーベキューが開かれることになる。しかし、そこで誠は、大きな失敗をしてしまうことになる。
番組情報
『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(全11回)
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分
出演:原田泰造、中島颯太(FANTASTICS)、城桧吏、大原梓、東啓介、渡辺哲/松下由樹、富田靖子
企画:市野直親(東海テレビ)
原作:「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」練馬ジム (LINEマンガ)
脚本:藤井清美
音楽:鈴木ヤスヨシ
主題歌:「Dancing Dreamer」 4-CaraT(RISING RECORDS)
オープニング:「アプデライフ」 FANTASTICS from EXILE TRIBE(rhythm zone)
演出:二宮崇、室井岳人、加治屋彰人
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、古林都子(The icon)、渋谷未来(The icon)
制作:東海テレビ The icon